松枯れ農薬空中散布を考える県民の集い (平成25(2013)年11月24日(日)、於長野県松本文化会館・第1会議室) ********************* 長野県民アピール(案) *********************  本日の「県民の集い」において、松枯れ農薬空中散布問題を中心にして最近の国会動 向と県内当事者の証言が行われました。その中で、長野県内で実施されている松枯れ農 薬空中散布には多面的問題点(人間健康被害・自然生態系破壊・防除効果の問題・推進行政 の問題など)の存在が明らかにされました。  先ずは全国的に覆い隠されている大問題として、松枯れ農薬空中散布の法的根拠であ る36年前の「松くい虫防除特別措置法」(S52・4・18)が、制定5ヶ月後に空散効果の全提出 9資料に捏造・改ざん・隠蔽などが発覚し(第81国会農林水産委員会S52・9・12)、農林官僚 が処分された事件を初めて知りました。それならば当然に法律は凍結・廃止されるはず ですが、現実はそれが不問にされて現在に引継がれている理不尽さを学びました。それ では長野県は、これに対する自主的対応がなされたかと言うと、残念ながら全国的体質 を継承していました。  基調講演として、篠原孝議員からは最近の国会内(農林水産委員会・環境委員会)にお ける質疑応答のやりとりを通して『農薬問題、特にネオニコチノイド系とミツバチの減 少』に関しての説明が行われ、その問題点が縷々述べられました。  引き続いて、県内当事者の生の報告から深刻な実例を学びました。上田市の田口さん は御自身と園児たちの被害体験をリアルに証言し、空中散布の中止を強く訴えました。 養蜂家の依田さんは農薬によるミツバチ大量死を告発し、自然生態系への影響を警告し ました。里山保全「ヤマンバの会」の村山さんは、県検討部会『報告書』(平成23年11 月)が説明した空散防除効果について、現地調査をして得た「比較写真」を示し、その欺 瞞性を指摘しました。  長野県下で実施されている空中散布は、『報告書』をマニュアルにして市町村が決め ていますので、この『報告書』の正確性・妥当性が鍵です。県が委嘱した「有人ヘリ松く い虫防除検討部会」の人選は9名中7名が県職員で、他2名だけが県外の推進派研究者 であって極めて恣意的で、初めから結論(空散)ありきでした。これは空中散布の「あ り方検討」ではなく、如何に実施するかという「やり方検討」に摩り替って県民の期待 を裏切りました。  本日の講演・報告・意見交換で明らかにされた如く、長野県の松枯れ農薬空中散布の最 終提言内容にはこれ程の多くの大問題があるのですから、当然に『報告書』は破棄すべ きが道理です。そして再検討・やり直しが必要で、その結論が出るまでは保留すべきが常 識です。  以上、参加者の総意をもって長野県民の全ての皆様方に松枯れ農薬空中散布問題の本 質を訴えます! そして県民の集いの名において『本アピール』を決議し、長野県行政 当局と実施市町村に対して【里山への松枯れ農薬空中散布の廃止】を強く提言いたしま す!!             松枯れ農薬空中散布を考える県民の集い・参加者一同