To: info@jbf.ne.jp Subject: パラジクロロベンゼン系トイレボールの撤去について                              2009年3月30日 全日本仏教協会  御中       反農薬東京グループ 代表  辻 万千子       〒202-0021東京都西東京市東伏見2-2-28-B         電話/ファックス:042-463-3027        E-mail:mtsuji@jcom.home.ne.jp URL http://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/  私たちは農薬やそれに類する有害化学物質の削減を求めて運動している市民団体です。 詳しい活動内容はホームページをご覧下さい。  ところで、私たちの会員から、貴協会傘下の寺院のトイレに、パラジクロロベンゼンが 成分のトイレボールを使用しているので、中止してもらえないだろうかと相談があり ました。会員が確認したのは、高野山宿坊、増上寺、泉岳寺などで、すでに、いくつかの 寺院に直接お話して、当該品を撤去していただいたところもあります。  パラジクロロベンゼンは、特異臭があり、アレルギーや化学物質過敏症など化学物質に 敏感な人が吸い込むと具合が悪くなるなど苦しみを与えます。また、室内空気を汚染する 化学物質の中では検出率の高い物質です。(トイレボール以外に衣料用防虫剤としても使 用されています。)  たとえば、「東京都の化学物質の子どもガイドライン(室内空気編)」をご覧下さい。  http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kanho/indoor/child/image/guidepamph/guide2.pdf  厚労省の「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会」で、室内空気指針値が 240μg/m3(0.040ppm)と設定されています。この濃度は建物内でトイレボールを一つ使 うと指針値を超えてしまうものです。  厚労省の上記検討会は  「(9) 以上の結果を考慮すると、ビーグル犬における強制経口投与で認め  られた肝臓や腎臓などへ影響を与える用量を吸入暴露に換算した値が最も低いこ  とから、パラジクロロベンゼンの室内濃度に関する指針値は240μg/m3(0.  040ppm)と設定することが適当とされた。」と結論づけています。   また、文部科学省「学校環境衛生の基準」で空気汚染調査の対象とし、使用禁止には していませんが、使用する場合は指針値を超えないよう注意しています。  トイレにこのような有害な物質を使う必要があるでしょうか。清掃で十分対応できます し、駅のトイレなどだいぶ前からはずしています。  不特定多数の人々が訪れる貴協会傘下の寺院でもパラジクロロベンゼンのトイレボール の使用を止めていただきたいと思います。  昨年秋に問題となりました即席めんの異臭事件では、衣料防虫剤からの食品への移行が 原因でした。衣料防虫剤業界や即席めん業界は、消費者に注意を発信しています。  日本即席食品工業協会  http://www.instantramen.or.jp/about/news/caution.html  日本繊維防虫剤協会  http://www.bouchuko.org/archives/2008/12/post-1.html  パラジクロロベンゼン系衣料防虫剤と同じ成分を含むトイレボールを使うことは、ヒト が呼吸により、パラジクロロベンゼンを直接体内に取り込むことを意味します。食べて悪 い物質を空気から吸い込んでよいわけがありません。  貴協会傘下の団体、諸寺院に、この要望を配布し、パラジクロロベンゼン系トイレボー ルを使用しないよう、ご配慮下さいますようお願いいたします。  お忙しい中、お手数ですが4月30日までに、貴協会の見解をお知らせいただければ幸い です。