行政からの通知や報告にもどる
【1】BHC及びDDTの輸出自粛について
49貿易局第117号/49農蚕第1452号
(昭和49年3月11日)
農薬輸出振興会会長あて
通商産業省貿易局長/農林省農蚕園芸局長
我が国はDDTについて昭和46年5月1日から、BHCについては同年12
月30日からそれぞれ国内販売を禁止しておりますが、海外に対しては、今日な
お東南アジアを中心とする諸国に輸出しております。
しかし、これら農薬の輸出は「公害輸出」となる危険性もあり、政府としても、
今後これら農薬の輸出先となる可能性のある国の政府に対して我が国における販
売禁止事情に関する説明書を送付するとともに、この事情を承知のうえ、なお、
これら農薬の輸入を認めている国に対してでなければ、輸出を行なわせないとい
う方針であります。
このため、BHC及びDDTの輸出商社に対しては、我が国の事情を輸入の相
手方に説明することを要請するとともに、輸入国の関係行政機関が我が国の事情
を承知したうえで、輸入を認めていることを示す書類を輸出申告書に添付し、事
前に通商産業省(貿易局農水産課)の確認を受けるよう指導することといたしま
した。
ついては、今後輸出商社への売渡しに当たっては、これら事情を十分考慮する
とともに、成約があった場合には、当該商社名及び数量を通商産業省(貿易局農
水産課)へ遅滞なく報告するように貴会会員各社をご指導頂きたくよろしくお願
いいたします。
【2】BHC及びDDTの輸出自粛について
49貿易局第117号
(昭和49年3月11日)
BHC、DDT取扱い業者あて
通商産業省貿易局長
我が国はDDTについて昭和46年5月1日から、BHCについては同年12
月30日からそれそれ国内販売を禁止しておりますが、海外に対しては今日なお
東南アジアを中心とする諸国を輸出しております。
しかし、これら農薬の輸出は「公害輸出」となる危険性もあり、今後の輸出に
当たっては、十分慎重を期していただきたいと存じます。
ついては、政府としても今後、これら農薬の輸出先となる可能性のある国の政
府に対して我が国における販売禁止事情に関する説明書を送付する予定でありま
すが、貴社におかれましてもBHC及びDDTの輸出に当たっては、同様の事情
を輸入の相手方に説明するとともに、輸入国の関係行政官庁が我が国の事情を承
知したうえで、輸入を認めていることを示す書類を輸出申告書に添付のうえ、通
商産業省(貿易局農水産課)の確認をうけられるよう特段のご協力をお願いしま
す。
【3】BHC及びDDTの輸出の取扱いについて
49農蚕第1531号、49貿局第132号
(昭和49年3月19日)
外務省経済局長あて
農林省農蚕園芸局長、通商産業省貿易局長
農薬の使用については、国民の健康保護及び生活環境の保全の観点から、昭和
46年1月農薬取締法を一部改正する等種々対策を講じてきたところであるが、
特にBHC及びDDTにつては同法9条第二項に基づき、下記のとおり国内販売
を禁止しているところである。
一方、BHC及びDDTの輸出については、今日なお、東南アジアを中心とす
る諸国に輸出されているが、これら農薬の輸出は公害輸出となる危険性もあるの
で、今般別点添のとおり、関係業界を指導した。貴省におかれても以上の趣旨を
御了知のうえ、東南アジア諸国等にその内容の周知徹底を図られるとともに、併
せてこれら諸国におけるBHC及びDDTの使用状況、規制実態、政府の方針等
を調査されるようお願いする。
記
BHC及びDDTの販売禁止措置の経緯
BHC及びDDTは殺虫剤として稲、果樹、野菜等に広く使用されてきたが、
我が国では対象作物、特に稲わらにその成分が残留して、これらが牛乳等に検出
されたほか土壌等の環境汚染という問題も生じたので、
@DDTについては、昭和46年5月1日から販売を禁止した。
ABHCについては、昭和46年5月1日から使用範囲を適切な代替農薬の
ない林業用に限定するとともに林業用以外の販売を禁止した。
これについても、代替農薬の開発に伴ない、昭和46年12月30日から
販売を禁止した。
【4】BHC及びDDTの輸出に関する取り扱い振り
経 経合第1368号
(昭和49年4月12日)
在外公館長殿
外務大臣
今般、通商産業省防疫局長及び農林省農蚕園芸局長より宮崎経済局長宛て昭和
49年3月19日付の書簡(別添1)をもって、貴任国政府機関に対して本件の
通報方要請越したところ、別添2(通報内容の英文)及び別添3(農薬取締法英
文)によりしかるべく通報おきありたく、また本件に関する貴任国政府の方針、
責任国におけるBHC及びDDTの使用状況、規制実態につき、調査の上結果回
報ありたい。
本信送付先:タイ、シンガポール、韓国、インドネシア、フィリピン、
マレーシア、豪、ケニア、象牙海岸、サウジアラビア、キューバ、
ブラジル、ポーランド、プレトリア。
この記事の出典:反農薬東京グループホームページ。転載希望・機関誌購入はメールフォームで。
作成:2002-05-12