Subject: ゴルフ場での農薬事故の件 2009/12/15 北海道環境生活部環境局環境保全課 御中 北海道農政部農政課  御中  私たちは、農薬をはじめとする化学物質による環境汚染・健康被害を出来るだけ減ら  そうと運動している市民団体「反農薬東京グループ」です(下記ホームページ参照)。  農薬や殺虫剤等に関連する中毒や事故については、再発防止のため、下記のURL  で、情報を提供しています。   http://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/indpes1.htm  ところで厚生労働省HPに「化学物質による災害発生事例について」の頁  がありますが、H20年の その他の化学物質による中毒等として、    http://www.mhlw.go.jp/za/0731/c58/c58-04.pdf  が挙がっています。その一覧表に記載されている7月のゴルフ場の事例について、お 尋ねしますので、12月25日までに、下記に回答ください。 **** 北海道 回答 12/25 平成21年12月25日  反農薬東京グループ代表 辻 万千子 様  12月15日付けで照会のあった件について以下のとおり回答します。 【質問1】7月 ゴルフ場の事業(9606) 中毒1名 その他 農薬   ゴルフ場において、除草剤散布作業を行っていたところ、散布車の運転手が農薬中   毒となった。危険有害性の認識不足 安全衛生教育不十分  とありますが、私たちの調べでこの事故は、08年7月5日、北海道で起こったことがわ  かりました。  1)この事故について、発生状況などをご存知ですか。   何月何日にどういう経路で報告を受けていますか。  2)ご存知ならば、事故発生場所(ゴルフ場名)、中毒原因となった除草剤の製品名と登 録番号、事故発生状況、被害程度について、教えてください。 【回答】 1) この事故について、道では報告を受けておらず発生状況を把握していません。  当該中毒事故は、北海道労働局から公表されたものですが、管轄する保健所に確認  したところ、医療機関から当該中毒事故についての報告はありませんでした。 2) 事故発生状況等について把握していません。 【質問2】上記事故が起こった08年7月は農薬危害防止運動期間中だったと思いますが、 この事故を契機に、新たな指導や通知をなさいましたか。なさっていたら、その内容を 教えてください。文書があればそれをお示しください。、 【回答】   新たな指導、通知は行っていません。 【質問3】千葉県印西市にある習志野カントリークラブで、本年6月25日早朝、ゴル ファーがプレイ中に、松枯れ対策用のスミパイン乳剤が無人ヘリコプターで空中散布さ れ、2人が健康被害を受けました(詳しくは、上記リンクをたどってください)。  そこで、ゴルフ場での農薬使用について、お尋ねします。  1)北海道では、ゴルフ場での農薬使用による散布者やプレイヤー、従業員などの事故 や環境汚染防止のために、どのような指導をされていますか。 【回答】 1) 道では、ゴルフ場事業者及びその従業員などを対象とした北海道農薬指導士認定研 修会を開 催し、認定した指導士の活動を通じて農薬の適正・安全使用に係る知識の普 及、法令等の遵守 の指導を行っています。  ○農薬指導士の認定状況(ゴルフ場関係) │平成16年│17年│18年│19年│20年│有資格者計│ │ 37人│16人│18人│40人│51人│ 162人│  また、平成2年から「ゴルフ場で使用される農薬等に関する環境保全指導要綱」に よる指導 を行っています。  この要綱では、ゴルフ場における農薬等の安全かつ適正な使用の確保など必要な事項 について定めており、ゴルフ場事業者に対し、農薬使用責任者の選任、危被害の防止措 置、水質測定、農薬散布従事者の健康管理などの対応を求めています。  そのほか、農薬取締関係法令及び本要綱等に基づき、立入調査、報告聴取、文書によ る指導・助言などを行っています。  ○ゴルフ場の農薬使用指導に係る道庁内関係部課の役割分担 │区  分│担当部課 │内     容 │指導通知 │ │農薬適正│農政部食品政策課│・農薬の安全・適正使用指導 │・「ゴルフ場における芝の病害虫・雑 │ │使用 │支庁農務課 │・農薬の危害防止に関する指導│草防除について」(平成16年10月28日付│ │ │ │・農薬の保管管理に関する指導│け農改第1325号) │ │ │ │ │・「非食用作物等の農薬使用による周 │ │ │ │ │辺食用農作物への影響防止対策につい │ │ │ │ │て」(平成18年5月16日付け食政第240号)│ │環境保全│環境生活部 │  対策│ 環境保全課│・ゴルフ場の環境保全に関する│「ゴルフ場で使用される農薬等に関す│ │   │支庁環境生活課 │ 指導助言 │る環境保全指導要綱」(平成2年4月1日)│ 【質問3】2)ゴルフ場での農薬使用は、農水省・環境省の通知「住宅地等における農薬使用について を遵守が求められますが、ゴルフ場事業者やゴルフ場防除業者にこのことは、通知内容は  周知徹底されていますか。 【回答】 2) 「住宅地等における農薬使用について」については、市町村や関係団体に周知して いるほか、毎年度開催する北海道農薬指導士認定研修において同通知の遵守を説明し、 指導士を通じた周知徹底を図っています。  さらに、ゴルフ場農薬対策のホームページから環境省の農薬対策のページにリンクを 張り、通知が閲覧できるようにしています。  なお、通知の主旨については1)の要綱やその運用に盛り込んでおり、この要綱等につ いては、道のゴルフ場農薬対策のホームページに掲載するとともに、各ゴルフ場事業者 に通知したほか、業界団体から傘下への周知を依頼しています。さらに、主旨を記載し た啓発資料を毎年送付することとしています。 ゴルフ場防除業者に対しては、ゴルフ場事業者が防除を依頼するときに、法の遵守や 環境等への配慮について指示を行うこととしています。  プレイヤー等に対しては、ゴルフ場事業者が実施する環境等への配慮について、クラ ブハウス内の掲示板やホームページにより公表することを推奨しており、この各ゴルフ 場の公表を通じた周知を図っています。  このような啓発活動により、住宅地等における通知の主旨については、概ね、周知さ れていると理解しています。 【質問3】3)ゴルフ場での農薬使用は、環境汚染や健康被害防止のため、出来るだけ減らすべきであ  り、万一、農薬を散布する場合は、ゴルフ場従業員やプレイヤー、ギャラリー等に農薬散  布について周知を徹底させるため、農薬散布予定を   1)プレイヤー個々人に通知   2)クラブハウスでの掲示│   3)散布場所へも掲示し、一定の期間立入り規制を行う   4)農薬散布予定をゴルフ場のホームページで知らせる  ことが、重要と思いますが、貴課のお考えをお示しください。 【回答】 3) 「住宅地等における農薬使用について」により、農薬使用者は、事前に周辺住民に 対して農 薬使用の目的、散布日時、使用農薬の種類について周知に努めることとされ ており、ゴルフ場 においても、1)〜4)のような取組みにより、農薬散布の周知徹 底を図ることは重要と考えます。  なお、「ゴルフ場で使用される農薬等に関する環境保全指導要綱」においても、でき るだけ毒性の低く飛散の少ない剤型のものを選定し必要最低限の農薬を使用すること、 農薬の散布に当たっては周辺住民、従業員及び利用者並びに動植物に対する十分な危被 害の防止対策を講ずることを定め、ゴルフ場事業者に取組を求めているところです。                   北海道農政部食の安全推進局食品政策課 主幹(農業環境・バイオマスグループ) 関 保男                   北海道環境生活部環境局環境保全課                     主幹(大気環境グループ)       阿部宣人