2008年10月1日 日本総合住生活株式会社 代表取締役 荒田 建 殿                         反農薬東京グループ                            代表 辻 万千子                         横浜市・団地の農薬散布を考える会                            代表 柳原 眞理子                       団地での農薬散布について再質問  先日は、回答をお送りいただきありがとうございました。しかしながら、私たちの期待 に反してその内容は非常に抽象的で、がっかりいたしました。まさか、「知らしむべから ずよらしむべし」が貴社のモットーではないと思います。最近、特に企業のコンプライア ンスが問題にされています。ましてや公的資本を受けて経営されている貴社においては、 「危機管理・コンプライアンス委員会」を設置しておられるように、一般企業よりもさら に高い倫理性と企業責任が求められています。この農薬散布の問題は、人々の健康被害に 関わることですので、きちんと情報公開し、対応してほしいと思います。以下、いただい た回答をみて再質問いたします。10月30日までにご回答くださるようお願いいたしま す。 1.「通知」は知っていたとのことですが、前回の質問にもありましたように、「いつ、 どこから周知要請・指導が来たか」お答えください。 2.JSで作成した「散布の注意」のマニュアルがある、とのことですが、それは「通 知」の前に作られたものですか。そうだとしたら、「通知」を受けて、「散布の注意」の マニュアルを、改訂する必要はおありとお考えですか。 3.UR都市機構の前身である「住宅・都市整備公団」では、賃貸住宅用に「薬剤防除の 手引き」(同公団管理部 昭和60年2月)を作成し、これに基づき、JSの前身である 「団地サービス」に指導していたと、当時、住都公団から説明を受けました。回答によれ ば、今は、JS独自に「散布の注意」のマニュアルがあるとのことですが、そのマニュア ルにそって、指導しているということであれば、提供できない理由がわかりません。ぜひ、 提出ください。前述の「住宅・都市整備公団」からは、当時、当然のことして、「薬剤防 除の手引き」の提出してもらいました。 4.この「散布の注意」のマニュアルが守られなかった場合の措置をお知らせください。 5.農薬の散布に当たっては、十分な措置を講じているとのことですが、「散布前」「散 布中」「散布後」の措置についてそれぞれ具体的にお聞きします。    @散布前  ・「掲示により、必要な通知事項についての周知を図る」とありますが、「通知」に書 かれている「農薬使用の目的、散布日時、農薬名」が実際に掲示されたチラシなどをご提 出ください。  ・団地の場合、その多くが通学路に当たりますが、学校、保護者に事前に連絡したケー スがあるか教えて下さい。 ・回答にありました、「時間の特定につきましては、通常の作業時間と考えています」を、 分かりやすくご説明ください。  A散布中  ・「散布時には監視員をつけるなど、関係者以外の者が散布地に近づかないように注意 を払う措置をしている」とのことですが、現実には、洋光台団地で見られたように通行人 がいても平然と散布が行われています(写真あり)。このように注意しているとの具体的 なものがあれば、ご提示ください。 B散布後 ・散布後に立ち入らないようにするには、赤旗を立てる、ロープを張るなどの措置がなけ れば、農薬が散布されたことを知りようがありませんが、具体的には、どのような措置が 取られていますか。また、散布後はどの程度の期間立ち入り禁止措置をとっていますか。 6.「風の強い日や降雨予報が出ている日は散布しないこととし、当社の担当者や協力会 社の責任者により散布地の気象状況を確認した後に散布の実施、中止を決めている」とあ りますが、実際には、風の強い日にも散布が行われています。具体的な基準(風速何メー トルとか)、取り決めがあれば、お教えください。 7.「使用した農薬に関するデータは社内の業務管理用であり、提出することは出来ませ ん。」とありますが、今は、国レベルでも、これらのデータは公表されています。提出で きないという秘密主義は、企業の社会的責任からも許されないことです。直ちにご提出く ださい。 8.前回の質問6「洋光台団地JS管理事務所でJS職員により、柳原真理子氏が打撲傷 を負った件についての謝罪と責任の所在を明らかにしてください」という質問に対する貴 社の回答は「8月18日及び9月1日に柳原様とお話させていただいております」というも のでした。これでは、回答になっていません。謝罪と責任の所在をはっきりさせてくださ い。 9.今後、貴社は、通知を遵守して農薬散布を減らすと思いますが、「やむを得ない場 合」として散布することも考えられます。どういう場合に農薬散布をするか、具体的にお 答えください。(たとえば、ツバキ何本にチャドクガが発生したが初期の段階で物理的駆 除ができなく、大量発生を許してしまった時」など対象樹種・対象害虫別に。)