南足柄市の野鳥大量死の件 Date: Mon, 13 Apr 2009 11:24:06 +0900 X-Mailer: Denshin 8 Go V32.1.5.3 on Windows 5.01.2600 Service Pack 3 X-My-Real-Login-Name: mtsuji; mail11.catv.ne.jp From: 反農薬東京G To: teian.58@pref.kanagawa.jp Bcc: mtsuji@jcom.home.ne.jp Subject: 南足柄市の野鳥大量死の件 Content-Type: text/plain; charset=iso-2022-jp --------    2009年4月13日 神奈川県知事 松沢 成文 殿 足柄上地域県政総合センター環境部 御中  私たちは、3月30日に、「平成21年度農薬危害防止運動」についてのメールをさし上げ た反農薬東京グループです。  貴県の報道発表によると、4月5日、南足柄市壗下の山林で、カラス41羽が死んでおり、 簡易検査で、鳥インフルエンザは陰性であったとのことです。  その後の検体検査では、死骸からは農薬などは検出されず、死因は特定されなかった、 胃袋には何も残っていなかったことから餓死した可能性もある、と報道されています。  貴県では、02年10月中旬、綾瀬市本蓼川墓園や光陵公園でカラス87羽が死にましたが、 この時もカラスの臓器からは、農薬や重金属類がいずれも検出限界以下、ウエストナイル ウイルス検査は陰性だったとのことで、結局、大量死の原因は不明でした。  また、07年2月には、藤沢市と平塚市で農薬メソミル入り毒餌によるヒヨドリほかの死 亡事件が発生しています。  つきましては、今回のカラス大量死の発生状況及びどのような原因調査をなされ、その 結果がどのようなものであったかを知りたいと思います。4月30日までに、下記に回答く ださるようお願いします。     =================================================       ★★★反農薬東京グループ★★★ 代表:  辻 万千子       〒202-0021東京都西東京市東伏見 2−2−28−B        電話/ファックス:042-463-3027        E-mail:mtsuji@jcom.home.ne.jp URL http://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/      ================================================== ***** お尋ねします ***** 1、被害の発生状況について教えてください。  (1)野鳥の被害:発見月日、発見場所、野鳥の種類別死亡数。  (2)野鳥以外の動植物、水生生物等の異常があれば、その旨。  (3)人の健康被害や悪臭の感知があれば、その旨。 2、以下の野鳥の死亡原因調査について、検査機関、検体の種類、検体数、検査結果  (実施していない場合は、その旨)等を教えてください。  (1)鳥インフルエンザウイルスの検査  (2)野鳥や蚊のウエストナイルウイルスの検査  (3)農薬や有害化学物質の検査    検査対象物質と分析結果、検出限界値  (4)その他毒性のある野草や種実の摂取の検査  (5)死亡検体の解剖所見(消化器系、呼吸器系、脳神経系、外傷など) 3、報道では、餓死原因説がありましたが、死亡検体の栄養状態を調べられた結果はど   うでしたか。   また、野鳥の生活範囲に餌になるようなものはありませんでしたか。 4、硫化水素、青酸ガス、二酸化炭素、くん蒸剤ほかの有害ガス類の調査はされましたか。   たとえば硫化水素は硫黄を含有する家畜糞や石膏ボードなどから発生することが知ら   れています。農薬くん蒸剤の使用状況、建材の不法投棄の有無、有機質肥料の散布状   況なども調査に加えていただきたいと思います。 5、その他の死因に関する調査について教えてください。  (1)被害現場周辺の水系汚染、土壌汚染はどうでしたか。 (2)被害現場周辺に不審な餌はありませんでしたか。  (3)被害現場周辺の工場、廃棄物焼却施設、廃棄物埋立処分場、有機肥料製造場等の   有無と環境汚染状況どうでしたか。  (4)周辺の畑地、果樹園、水田等の農耕地の有無と農薬使用状況はどうでしたか。 ******** 再質問 5/01 足柄上地域県政総合センター環境部 土手本様  4月13日付けメールで、神奈川知事及び貴センター環境部あてに、南足柄市  の野鳥大量死の件で、問い合わせした反農薬東京グループです。  4月28日に県緑政課長の渋谷様から簡単な回答をいただき、  さらに詳細のお問い合わせがある場合には、足柄上地域県政総合センター環境部  土手本さんに、ということなので、あらためて、回答のなかった事項(★印)と  追加質問事項(▲印)について、おたずねしますので、5月13日まで、回答をお願  いします。     =================================================       ★★★反農薬東京グループ★★★ 代表:  辻 万千子       〒202-0021東京都西東京市東伏見 2−2−28−B        電話/ファックス:042-463-3027        E-mail:mtsuji@jcom.home.ne.jp URL http://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/      ================================================== *** 4月13日の問い合わせ内容と追加質問 *** 1、被害の発生状況について教えてください。  (1)野鳥の被害:発見月日、発見場所、野鳥の種類別死亡数。 ★(2)野鳥以外の動植物、水生生物等の異常があれば、その旨。 ★(3)人の健康被害や悪臭の感知があれば、その旨。 2、以下の野鳥の死亡原因調査について、検査機関、検体の種類、検体数、検査結果  (実施していない場合は、その旨)等を教えてください。  (1)鳥インフルエンザウイルスの検査 ★(2)野鳥や蚊のウエストナイルウイルスの検査 ▲なければその旨 ★(3)農薬や有害化学物質の検査    検査対象物質と分析結果、検出限界値  ▲77種類の農薬、金属(ヒ素、銅、タリウム)及び殺鼠剤を検査したとの  ことですが、胃の内容物、吐しゃ物、血液、臓器などなにを分析されたか。  77種の化学物質名称と検出限界値を教えてください。、 ★(4)その他毒性のある野草や種実の摂取の検査  (5)死亡検体の解剖所見(消化器系、呼吸器系、脳神経系、外傷など)  ▲4羽中3羽の頭蓋骨下に出血とありましたが、この原因はなにと考えられますか。 3、報道では、餓死原因説がありましたが、死亡検体の栄養状態を調べられた結果はど   うでしたか。   また、野鳥の生活範囲に餌になるようなものはありませんでしたか。  ▲胃の中に残留物はないとのことでしたが、これから餓死原因説がでたのですか。   集団で餓死することには疑問がありますが、この説は採用されていますか。 ★4、硫化水素、青酸ガス、二酸化炭素、くん蒸剤ほかの有害ガス類の調査はされましたか。   たとえば硫化水素は硫黄を含有する家畜糞や石膏ボードなどから発生することが知ら   れています。農薬くん蒸剤の使用状況、建材の不法投棄の有無、有機質肥料の散布状   況なども調査に加えていただきたいと思います。  ▲揮発性のガス状有害物質については、どのような調査をされましたか。   有害ガスで死亡した場合、解剖所見や血液検査である程度、原因が推定される   ことがあると思いますが、調査されていなければ、その旨。調査されておれば、   その結果を教えてください。 ★5、その他の死因に関する調査について教えてください。  (1)被害現場周辺の水系汚染、土壌汚染はどうでしたか。▲なければその旨 (2)被害現場周辺に不審な餌はありませんでしたか。▲なければその旨  (3)被害現場周辺の工場、廃棄物焼却施設、廃棄物埋立処分場、有機肥料製造場等の   有無と環境汚染状況どうでしたか。  ▲なければその旨、あれば、被害発生場所との位置関係がわかる地図を添付して   ください。  ▲廃棄物の不法投棄はありませんでしたか。  (4)周辺の畑地、果樹園、水田等の農耕地の有無と農薬使用状況はどうでしたか。  ▲回答では、みかん畑で使用された農薬を検査したとありますが、   どのような農薬を検査されましたか。調査された77物質にすべて含まれていますか。  揮発性の農薬成分はありませんでしたか。 ▲6、今回のカラスの大量死の原因について、どのようにお考えで、 今後、原因解明について、どのような調査を実施されるご予定ですか。 ■回答 さて、5月1日に当センターへお問い合わせいただきました標記の件につきまして、 次のとおりお答えいたします。 1(2)野鳥以外の動植物、水生生物等の異常があれば、その旨。 【回答】 カラス以外の動植物等の異常は確認できませんでした。 1(3)人の健康被害や悪臭の感知があれば、その旨。 【回答】 (人の健康被害については、回答済みです。)悪臭は感知されませんでし た。 2(4)その他毒性のある野草や種実の摂取の検査 【回答】 毒性のある野草や種実の摂取検査は行っていません。 4 硫化水素、青酸ガス、二酸化炭素、くん蒸剤ほかの有毒ガス類の調査はされまし たか。   たとえば、硫化水素は硫黄を含有する家畜糞や石膏ボードなどから発生すること が知られて います。農薬くん蒸剤の使用状況、建材の不法投棄の有無、有機質肥料の散布状況な ども調査 に加えていただきたいと思います。 揮発性のガス状有害物質については、どのような調査をされましたか。有害ガスで死 亡した 場合、解剖所見や血液検査である程度、原因が推定されることがあると思いますが、 調査されていなければ、その旨。調査されておれば、その結果を教えてください。 【回答】 硫化水素、青酸ガス、二酸化炭素、くん蒸剤ほかの有毒ガス類の調査は 行っていません。 揮発性のガス状有害物質についても調査をしていません。 5(1)被害現場周辺の水系汚染、土壌汚染はどうでしたか。なければ、その旨。 【回答】 水系汚染及び土壌汚染の調査は実施していません。 5(2)被害現場周辺に不審な餌はありませんでしたか。なければ、その旨。 【回答】 死骸のそばにあったミカン以外の不審な餌は確認できませんでした。 5(3)被害現場周辺の工場、廃棄物焼却施設、廃棄物埋立処分場、有機肥料製造場 等の有無と 環境汚染状況はどうでしたか。なければ、その旨。あれば、被害発生場所との位置関 係がわ かる地図を添付してください。廃棄物の不法投棄はありませんでしたか。 【回答】 現場周辺に工場、廃棄物焼却施設、廃棄物埋立処分場、有機肥料製造場等 はありません。 また、廃棄物の不法投棄はありませんでした。 6 今回のカラスの大量死の原因について、どのようにお考えで、今後、原因解明に ついて、ど のような調査を実施されるご予定ですか。 【回答】 原因は不明ではありますが、鳥インフルエンザウイルスについては、簡易 検査で陰性、更には独立行政法人国立環境研究所における確定検査も陰性であり、県 の衛生研究所で行った4羽の死骸の解剖結果につきましても大量死に結びつく結果が 認められていないこと、及び新たなカラスの死亡が確認されていないことから、今後 の調査の予定はありません。 ■回答 反農薬東京グループ 代表 辻 万千子様 5月1日のご質問のうち、保健福祉部関係についてお答えします。 2 野鳥の死亡原因調査のうち、 (2)ウエストナイルウイルスについては検出されませんでした。 (3)農薬77種類、金属3種類、殺鼠剤3種類の検査実施状況及び検出限界については、別紙のとおりです。 (5)頭蓋骨下の出血について、原因は不明です。 3 餓死原因説について、論じておりません。 5(4)農薬の検査について、みかん畑の消毒薬としてコサイドDFを散布したとの情報があり、その主成分である銅の分析を行いました。 銅の濃度は、市販の鶏肉程度でした。 神奈川県保健福祉部健康危機管理担当課長 ★足柄上保健福祉事務所管内で変死したカラスの胃内容物等の検査に関する報告(平成21年4月6日〜9日) 検査対象項目、定量限界、検査対象物質 検査項目 "検出限界 (mg/kg)" 検査対象 カラス(4羽) みかん 腺胃+筋胃 腸(含内容物) 有機リン系農薬 1 DDVP 0.5 ○ ○ ○ 2 エトプロホス 0.5 ○ ○ ○ 3 ジメトエート 0.5 ○ ○ ○ 4 シアノホス 0.5 ○ ○ ○ 5 ダイアジノン 0.5 ○ ○ ○ 6 クロルピリホスメチル 0.5 ○ ○ ○ 7 トルクロホスメチル 0.5 ○ ○ ○ 8 フェニトロチオン 0.5 ○ ○ ○ 9 マラチオン 0.5 ○ ○ ○ 10 フェンチオン 0.5 ○ ○ ○ 11 パラチオン 0.5 ○ ○ ○ 12 フェントエート 0.5 ○ ○ ○ 13 メチダチオン 0.5 ○ ○ ○ 14 プロチオホス 0.5 ○ ○ ○ 15 フェンスルホチオン 0.5 ○ ○ ○ 16 EPN 0.5 ○ ○ ○ 17 ホサロン 0.5 ○ ○ ○ 18 メタミドホス 0.5 ○ ○ ○ 19 アセフェート 0.5 ○ ○ ○ 20 チオメトン 0.5 ○ ○ ○ 21 テルブホス 0.5 ○ ○ ○ 22 エチルチオメトン 0.5 ○ ○ ○ 23 メチルパラチオン 0.5 ○ ○ ○ 24 ピリミホスメチル 0.5 ○ ○ ○ 25 クロルピリホス 0.5 ○ ○ ○ 26 ホスチアゼート 0.5 ○ ○ ○ 27 α-CVP 0.5 ○ ○ ○ 28 β-CVP 0.5 ○ ○ ○ 29 キナルホス 0.5 ○ ○ ○ 30 ブタミホス 0.5 ○ ○ ○ 31 エチオン 0.5 ○ ○ ○ 32 ピリダフェンチオン 0.5 ○ ○ ○ 33 ピラクロホス 0.5 ○ ○ ○ 34 cis-メビンホス 0.5 ○ ○ ○ 35 trans−メビンホス 0.5 ○ ○ ○ 36 オメトエート 0.5 ○ ○ ○ 37 モノクロトホス 0.5 ○ ○ ○ 38 ホレート 0.5 ○ ○ ○ 39 ホスファミドン 0.5 ○ ○ ○ 40 エトリムホス 0.5 ○ ○ ○ 41 ホルモチオン 0.5 ○ ○ ○ 42 ブロモホス 0.5 ○ ○ ○ 43 メカルバム 0.5 ○ ○ ○ 44 ブロモホスエチル 0.5 ○ ○ ○ 45 テトラクロルビンホス 0.5 ○ ○ ○ 46 プロフェノホス 0.5 ○ ○ ○ 47 イソキサチオン 0.5 ○ ○ ○ 48 トリアジホス 0.5 ○ ○ ○ 49 シアノフェンホス 0.5 ○ ○ ○ 50 ピペロホス 0.5 ○ ○ ○ 51 アジンホスメチル 0.5 ○ ○ ○ 52 ピラゾホス 0.5 ○ ○ ○ 53 メタクリホス 0.5 ○ ○ ○ 54 サリチオン 0.5 ○ ○ ○ 55 カズサホス 0.5 ○ ○ ○ 56 イサゾホス 0.5 ○ ○ ○ 57 イプロベンホス 0.5 ○ ○ ○ 58 ジクロフェンチオン 0.5 ○ ○ ○ 59 z-ジメチルビンホス 0.5 ○ ○ ○ 60 イソフェンホス 0.5 ○ ○ ○ 61 プロパホス 0.5 ○ ○ ○ 62 バミドチオン 0.5 ○ ○ ○ 63 フェナミホス 0.5 ○ ○ ○ 64 トリブホス 0.5 ○ ○ ○ 65 スルプロホス 0.5 ○ ○ ○ 66 エディフェンホス 0.5 ○ ○ ○ 67 ホスメット 0.5 ○ ○ ○ (69) 68 アニロホス 0.5 ○ ○ ○ 69 アジンホスエチル 0.5 ○ ○ ○ "農薬 カーバメート系" 70 オキサミル 1.0 ○ ○ ○ 71 メソミル 1.0 ○ ○ ○ 72 ピリミカーブ 1.0 ○ ○ ○ 73 カルバリル 1.0 ○ ○ ○ 74 アルジカルブ 1.0 ○ ○ ○ 75 エチオフェンカルブ 1.0 ○ ○ ○ 76 ベンダイオカルブ 1.0 ○ ○ ○ (8) 77 フェノブカルブ 1.0 ○ ○ ○ "金属 (3)" 78 銅 0.2 ○ ○ ○ 79 ヒ素 0.2 ○ ○ ○ 80 タリウム 0.2 ○ ○ ○ "殺鼠剤 (3)" 81 ワルファリン 0.05 (-) ○ (-) 82 クマテトラリル 0.05 (-) ○ (-) 83 ブロマジオロン 0.05 (-) ○ (-) ○ : 検査を実施した項目 (-): 検査を実施していない項目