***** 化審法運用通知改正案に対する意見 *****                       2007年8月19日提出 【意見1】『工業技術的・経済的に可能なレベルまで低減していると認められたいるとき は、当該副生成物は第一種特定化学物質としては取り扱わないものとする。』から、『経 済的』という文言を削除し、『期限を決めて、』を『当該副生成物は』の前に挿入する。 【理由】1、経済性を優先すべきでない。 2、第一種特定化学物質を不純物として含むいずれの物質についても、その含有量を決め るだけでなく、期限を決めて、代替品を開発し、将来的には、製造・販売・使用を禁止す べきである。 3、設定された基準をクリアするだけでは、よりよい技術開発が進まない。 【意見2】当該不純物の含有規制だけでなく、その化学物質の製造から廃棄にいたる段階 で、HCBやダイオキシン類のような非意図的生成物質が新たに生じないような代替品製 を期限を決めて開発するようメーカーに義務付けるべきである。 【理由】製造工程から排出される廃棄物、使用後の製品廃棄物から、HCBやダイオキシ ン類が発生しないような、代替品の開発が望まれる。 【意見3】HCBを含有する農薬についても化審法のBAT評価の対象とすべきである。 【理由】1、農薬は化審法の対象ではなく、農薬取締法の規制を受けることになっている。 しかし、農薬中に含まれる不純物のHCBについて、農薬取締法では、含有規制がない。 2、下記農薬についてのHCB含有量について問い合わせたところ、農水省から得た回答 は、次のようであった。   PCP:平成2年6月26日失効   PCNB:平成12年3月26日失効   TCTP:平成17年9月3日失効   TPN:原体中で21〜26PPM   フサライド:原体中で12〜26PPM  すでに登録失効した3農薬について、国立公害研究所や農薬検査所の報告によれば、P CP原体に0.4%、PCNB原体に0.7〜1.1%、TCTP製剤に0.1〜9.1%のHCBが検 出されている。 3、PCPとPCNBはダイオキシン類も含有するため、農水省は、農薬メーカーに回収 するよう指導しているが、TCTPは回収措置がとられていない。 4、フサライドの原体メーカーである潟Nレハに、07年2月2日付けで質問書を送り、TC PAとHCBについて問い合わせたところ、。3月30日付け回答を得た。その概要は次の ようである。  ・製造開始当初よりフサライドの製造にTCPAは使用していない。  ・フサライド原体中のHCB濃度は、製造時期によらず数10ppmの範囲であった。  ・製剤についてはHCB含有量は測定していない。  ・フサライド剤の安全な使用については、農水省の指導をいただきながら、適切な対応 をする。 6、稲のいもち病に適用される殺菌剤フサライドは、05年の原体生産量1286トン、原体輸 出90トン、野菜や果樹の殺菌剤TPN(ほかに工業品用抗菌剤としての使用もある)は原体 生産量4276トン、同輸出量2378トンとなっている。農薬は環境中にばらまくわけだから、 汚染源として注意を要する。ちなみに、HCB20ppmとすると両農薬から、年間約111kgの 放出ということになる