行政からの通知や報告にもどる    2002年の通知
matu0305#松くい虫特別防除の適切な実施について#03-05
 
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                松くい虫特別防除の適切な実施について
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                 事務連絡
                 平成15年5月9日

   森林病害虫等防除担当課長殿

                   林野庁森林保全課森林保護対策室長


    特別防除については、これまでも森林病害虫等防除法(昭和25年法律第53
   号)に基づく防除実施基準、都道府県防除実施基準等に基づき実施することとし
   ていることであります。このような中、平成14年12月に、農薬の流通及び使
   用の各段階での規制の強化し、もって安全かつ適正な農薬の使用を確保するた
   め、農薬取締法が改正されたところであり、新たに「農薬を使用する者が遵守す
   べき基準」が定められ、また、「農林水産航空事業実施ガイドライン」(参考1)
   も改定されたところであります。
    このようなことから、特別防除の実施に当たっては、これらの基準等に基づく
   ほか、平成9年5月8日付事務連絡「特別防除の医療関係機関等の周知徹底につ
   いて」(参考2)にも留意するとともに、「農薬中毒の症状と治療法 第9版」
   (参考3)を医療関係機関等に配布し、万一の事故に備えるなど、適切に実施さ
    れるようお願いします。
   また、JAS法に基づく有機農産物に関する認証制度を踏まえ、有機農産物のほ
   場に対し、薬剤が飛散しないよう十分な間隔をとることなどにも留意の上、適切
   に実施するようお願いします。
    以上については、関係する市町村への周知もお願いします。


  (参考1)
トップへ       ********************************************       平成15年度農林水産航空事業実施ガイドライン       ********************************************     我が国の食料・農業・農村は、食料自給率の低下、担い手の減少と高齢化の進    展など、困難な問題が生じている一方、食料の安定供給に対する要請や多面的機    能の発揮に対する期待が高まっている。こうした状況に対応すべく、食料・農    業・農村基本法及び同法に基づく食料・農業・農村基本計画が定められたところ    であるが、その実現のためには、食料の安定供給の確保、多面的機能の発揮、農 業の持続的な発展、農村の振興の基本理念に基づく施策を着実に推進していくこ    とが重要な課題となっている。     このような中で、農林水産航空事業(以下「事業」という。)におけるヘリコ    プターの病害虫防除や水稲直播への利用は病害虫防除コストの低減、労働力の軽    減、いもち病等地域全体で発生する病害虫の効率的防除等の推進に寄与する重要    な技術として位置づけられる。     一方、事業の実施に当たっては、食料・農業・農村基本法に基づき、農業の自    然循環機能の維持増進を図るため、農薬の適正な使用の確保に努める必要がある    と共に、農村部における住宅地域の拡大、栽培様式の多様化等、事業を取りまく    環境の変化に応じた適切な対応を図ることが重要となっている。  また、昨年、無登録農薬の流通及び使用の実態が明らかになったことを契機と    し、農薬の流通及び使用の各段階における規制を強化し、もって安全かつ適正な    農薬の使用を確保するため、農薬取締法(昭和23年法律第82号)が改正さ    れ、農薬の使用時期及び使用方法等の基準に違反した農薬使用に対し、罰則が強    化されたと心である。従って、事業の実施においても、農薬使用の一層の適正化    をはかることが必要となっている。     こうしたことから、「農林水産航空事業の実施について」(平成13年10月    25日付け13生産第4543号農林水産事務次官依命通知。以下「次官通知」    という。)、「農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令」(平成15年    農林水産省令・環境省令第5号)及び「無人ヘリコプター利用技術指導指針」 (平成3年4月22日付3農蚕第1974号農蚕園芸局長通知。(以下「技術指    導指針」という。)を踏まえつつ、関係者一同の連携強化の下に、特に、次の事    項に留意し、事業の実施現場への周知徹底を図ることにより、農薬の空中散布を    肇とする事業の円滑かつ適切な実施を図る。        1,「農林水産航空事業の実施について」の2に定める県対策協議会及び地区対    策協議会の機能の充実    (1)県対策協議会においては、事業の円滑かつ適切な実施を図るため、以下の    点に留意するよう努める。     @協議会構成員には都道府県の農林水産関係部局等の他、環境(河川関係を含 む。)、衛生(水道関係を含む。)、教育、警察等の関係部局の関係者を含め、    体制の充実及び相互の連携強化を図ること。     A適切な事業計画の検討行うこと。     B危害防止対策として、設定された散布区域、剪定された農薬等の点検・確認    の徹底を図ること。    (2)地区対策協議会においては、事業の円滑かつ適切な実施を図るため、以下    の点に留意するよう努める。     @協議会構成員には、その実施区域に係わる畜産、水産、養蜂、養蚕、葉たば    こ産業など、団体の関係者に加え、保健所、市町村、学校(教育委員会)、警    察、病院、水道、地元自治会等の関係者を広く含めるとともに、相互の連携強化 を図ること。     A航空防除実施区域周辺を含む地理的状況、農業地域における住宅地の混在、    転作田の混在等の作業環境に係わる変化に十分対応できるよう、散布区域および    散布除外区域、散布薬剤の種類及び剤型等についての十分な検討行うこと。     また、事業計画の立案に際しては、「農林物資の規格化及び品質表示の適正化    に関する法律」(昭和25年法律第175号)に基づき、有機農産物に関する認    証制度が創設され、平成13年4月から有機表示の規制が開始されたことを踏ま    え、有機農産物の生産を希望する農家(以下「有機農家」という。)の意向を的    確に把握し、その立場に十分に配慮しつつ、散布区域、散布除外区域、散布方法    等についての検討を行うこと。  B水質保全の観点から、浄水場、取水口等の周辺地域に設定した散布除外区域    の点検を徹底すること。     C関係者の地域住民等に対する協力依頼を徹底するとともに、水質評価指針    (平成6年4月15日付環境庁水質保全局長通知)、気中濃度評価値(平成9年    12月22日環境庁水質保全局公表)等を活用し、航空防除の安全性についての    啓発を行うこと。     D万一の事故に備え、あらかじめ保健所、病院等の医療機関を十分な連絡を取    るとともに、緊急時に直ちに対応できるよう体制の整備を図ること。        2,事業実施に当たっての留意事項 (1)県、実施主体等をはじめとする関係者は、適期防除を推進するため、作物    の生育状況や病害虫の発生状況に応じた航空防除を適正に実施するよう県対策協    議会及び地区対策協議会の整備等、実施体制の強化に努める。    (2)航空事故及び農薬による危害の防止のため、実施主体及び地区対策協議会    は架線等の危険個所及び散布除外区域を示す正確な散布地図の作成(より現場の    状況を正確に反映した新しい地図の使用)並びに、危険個所及び散布除外区域を    示す標識旗の適切な設置(設置本数及び設置場所)に努める。    (3)航空事故及び農薬による危害の防止のため、航空会社及び実施主体は作業    実施に関する十分な事前打ち合わせ及びパイロット引継事項の確認並びに航空防    除実施区域の地上及び空中からの事前の調査・確認の徹底に努める。  また、散布実施後においても、実施主体及び航空会社の間で意見交換等による    意志の疎通及び散布に係わる情報の共有を図り、次回散布の適正実施に努める。    (4)航空会社及び実施主体は、安全運航及び作業員の事故防止のため、適正な    ヘリポートの設置、テールローターへの接触防止等の安全対策の徹底に努める。    (5)防除効果の向上及び農薬による危害の防止のため、航空会社は、散布飛行    基準の遵守に努める。    (6)農薬の飛散を防止するため、航空会社及び実施主体は、風向、及び風速を    計測し、次官通知別紙9の(1)に定める風速を超える場合は、散布の中止を徹    底する。また、当該風速を超えない場合であっても、散布除外区域へ農薬が飛散    することを防止するため、風向を考慮した散布を行う等必要な措置を講じるよう 努める。     さらに、散布区域の周縁部から農薬を散布すること等により、散布除外区域へ    農薬の飛散を一層防止するよう努める。    (7)農薬による危害の防止のため、実施主体、地区対策協議会をはじめとする    関係者は、引き続き以下の対策を確実に実施するよう努める。     @航空防除実施区域周辺の住民、学校・病院等の公共施設等に対する、実施予    定日時、区域その他散布内容に関する広報を徹底すること。     A通勤・通学路における誘導員・監視員の適正な配置による防除実施時の実施    区域内への人の立入防止を徹底すること。     B基幹道路周辺から散布を行う等適切な散布順序を徹底すること。  C航空防除実施区域周辺において、飛来する農薬が原因となって有機農産物に    関する認証が受けられなくなる等の防除対象以外の農作物への損害が生じないた    めに必要な措置を徹底すること。     特に、有機農産物に関する認証に支障をきたすおそれがある場合には、適切な    間隔をとるなど必要な措置を徹底すること。     D天候などにより実施時間を変更する場合や、補正散布を行う場合は、その旨    を直ちに関係者に連絡するとともに、地域住民に対し周知し、誘導員・監視員の    適正な配置の一層の徹底を図ること。    (8)航空会社、実施主体等をはじめとする関係者は、環境保全に十分配慮した    航空防除を実施するため、相互の連携の強化に努める。特に、水質保全の観点か ら、農薬の取り扱いに十分留意し、薬剤の空容器、残液等の適切な処理に努める。    (9)実施主体及び地区対策協議会は、事業を実施する際には、有機農家等の関    係者からの要望があった場合に提供できるよう、従前と同様、散布地図、作業記    録等の関係資料の整備に努める。    (10)実施主体は、農薬散布の効率化などの有人ヘリコプターの利点を発揮さ    せ、かつ、安全に事業を進めるため、農薬散布区域の設定等の点検・見直しに努    める。        3,農業用無人ヘリコプターの利用     農業用無人ヘリコプターを用いて防除を行うものについては、以下の点に留意 するよう努める。     @有人ヘリコプターの導入が困難な地域又は補完防除体制が確立できない地域    については、無人ヘリコプターの利用を検討し、その利用に当たっては、安全運    航に十分留意すること。     A農薬の使用に当たっては、無人ヘリコプターを用いた農薬散布に係わる事項    をはじめとした農薬使用基準を厳守し、適正に使用すること。     B無人ヘリコプターによる農薬散布を行う場合においても、散布除外区域へ農    薬の飛散防止を図るため、技術指導指針別表脚注(3)に定める風速を超えたと    きは、散布の中止を徹底する。また、当該風速を超えない場合であっても、風向    を考慮した散布を行う等必要な措置を講じるよう努めること。  特に、散布区域周辺において、飛来する農薬が原因となって有機農産物に関す    る認証が受けられなくなるなどの防除対象以外の農作物への損害が生じないため    に必要な措置の徹底に努めること。     C学校や通学路の周辺等で無人ヘリコプターによる農薬散布をする場合にあっ    ては、オペレーター及び補助員に、散布区域の周辺に注意し、散布区域内に児童    等が立ち入らないように十分注意させること。     D無人ヘリコプターの適正利用による安全性の確保、機体の有効利用に夜コス    ト低減等を推進するため、県レベルでの協議会の設置等の組織整備に努めること。        4,その他  県、実施主体は、生産コストの低減及び農作業の効率化を図る観点から水稲の    直播等においても、ヘリコプターの有効利用に努める。    
  (参考2)
トップへ          ********************************************          特別防除の医療関係機関等への周知徹底について          ********************************************    1,特別防除の実施に当たっては、あらかじめ最寄りの保健所、病院等に特別防    除の実施日時、使用薬剤の種類、人によっては薬剤による影響の程度が異なるこ    とを配慮した的確な対応措置を連絡するなどの万一に備えた周知徹底を図るもの    としているが、この際の参考資料として次の資料を送付するので、先に配布した    「農薬中毒の症状と治療法」と併せて有効に活用されたい。    2,また、地域住民等関係者への特別防除の必要性及び安全性、使用薬剤、散布    方法、実施時の注意事項等の周知徹底を図ることとしているが、この際、注意事    項の中で、万一の場合の影響について農薬中毒の症状も記述し、万全の対応を期    されたい。

作成:2003-05-11