******************************************************** 平成29年度における松くい虫特別防除等の適切な実施について ********************************************************  特別防除や地上散布など、薬剤を用いた松くい虫防除事業の実施については、 下記事項に留意の上、適切かつ効果的な実施に努めるようお願いします。  また、管轄区域に所在する市町村及び関係機関等への周知徹底を図るよう、あ わせてお願いします。                  記 1.特別防除 (1)関係法令等の遵守 【関係法令等】  @ 森林病害虫等防除法(昭和25年法律第53号)  A 農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令(平成15年農林水産省・   環境省令第5号)  B 住宅地等における農薬使用について(平成25年農林水産省消費・安全局長、   環境省水・大気環境局長通知)  C 農林水産航空事業実施ガイドライン(平成16年消費・安全局長通知) (2)適期の実施  マツノマダラカミキリの羽化脱出時期(適期)を的確に予測し、適期に実施すること。 (3)薬剤の適切な使用  薬剤の使用方法(使用基準)を遵守して適切な使用に努めること。  特に、希釈倍数及び単位面積当たりの使用量、総使用回数には十分に注意し、定めら  れた基準を遵守すること。 (4)薬剤散布による危害の防止  散布区域外への薬剤飛散の防止措置、交通規制や入場規制等必要な措置を講じ、  散布区域周辺の住民や農作物等に対する危害の防止に努めること。  また、散布区域の状況を踏まえ自然環境への影響が最小限となるよう配慮すること。  なお、実施に当たっては、あらかじめ最寄りの保健所、病院等に特別防除の実施日時、  使用薬剤の種類、人によって薬剤による影響の程度が異なることを配慮した的確な対  応措置を連絡するなど、万一に備えて地域医療機関への周知徹底を図ること。  さらに、実施内容(使用薬剤、散布方法等)については、地域住民等関係者への周知  徹底を図り、その理解と協力を得るよう努めること。  防除実施基準については、森林病害虫等防除法第7条の3第4項にて、都道府県知事は、  都道府県防除実施基準を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく公表することと  なっており、防除実施基準の一層の徹底に努めるとともに、わかりやすい形での公表  に、より一層努めること。 (5)ポジティブリスト制度への対応  特別防除を実施するに当たっては、農業担当部局との情報交換や連携協力を一層図る  ことにより、農地の所在のみならず栽培農作物の種類や収穫時期などを把握するとと  もに、使用薬剤の残留基準を確認するなどきめ細かな情報の収集・確認に努めること。 2.その他の薬剤散布について (1)無人航空機防除について  無人航空機防除については、1(1)の関係法令等によるほか、「空中散布等に  おける無人航空機利用技術指導指針」(平成27年消費・安全局長通知)、「空中  散布等を目的とした無人航空機の飛行に関する許可・承認の取扱いについて」  (平成27年国土交通省航空局長、農林水産省消費・安全局長通知)及び「無人航空機  による松くい虫防除の実施に関する運用基準」(「松くい虫被害対策の実施につい  て」(平成9年林野庁長官通知)の別紙4)を遵守すること。  さらに、薬剤の散布に併せ、気中濃度、薬剤飛散量等を測定し、環境等への影響に関  するデータ収集に努めること。  また、平成27年に航空法が一部改正されているため、改正内容を十分に把握した上で  事業を実施すること。  【改正航空法の主な改正内容】  @ 産業用無人ヘリコプターやドローン(マルチローター)は「無人航空機」に該当。   航空法の規制対象となる。  A 無人航空機を次のような場所で飛行させる場合は、国土交通大臣の許可が必要。   ア 航空機の航行の安全に影響を及ぼす恐れのある空域   イ 人又は家屋の密集している地域の上空  B 薬剤散布は航空法第132条の2第6号に規定する「物件の投下」に該当するため、   同条のただし書きに従い国土交通大臣の承認が必要。 (2)地上散布について  地上散布については、防除実施地域周辺の関係者にも事前に周知徹底を図り、安全確  保の徹底を図るとともに、周辺地域への薬剤の散布による影響を十分考慮し、その適  切な実施に努めること。 3.地域の実情に応じた被害対策の推進について   松くい虫被害対策については、薬剤散布、樹幹注入、伐倒駆除等の防除事業と、   樹種転換、抵抗性マツの植栽、林床整備等の森林の健全化への取組とを、地域の   実情に応じて適切に組み合わせて推進するようお願いします。 4.自然環境等影響調査について  薬剤散布にかかる自然環境等影響調査は、薬剤散布の適性かつ円滑な推進に資する  ことを目的としているため、森林病害虫等防除事業費補助金も活用し、積極的に実施  するようお願いします。 5.民国連携等について  松くい虫被害のみならず、森林病害虫等被害対策においては、民有林・国有林が情報  共有し、連携して被害対策を実施する必要があります。各都道府県におかれましては、  密接に連携して被害対策に取り組んでいると考えておりますが、病害虫被害が発生し  ているにもかかわらず、森林病害虫等防除連絡協議会や松くい虫防除に係る連絡協議  会等が何年も開催されていなかったり、協議会等に森林管理局・署が参画していない  例が見られます。  このため、「松くい虫被害対策の実施について」(平成9年林野庁長官通知)、  「森林病害虫等防除に係る連絡協議会等の設置要領例について」(平成9 林野庁長官  通知)に基づき連絡協議会等の積極的な活用を図るとともに、マツ林を所管する国有  林(森林管理局・署のみならず、宮内庁、財務省、文化庁、厚生労働省、国土交通省、  海上保安庁、環境省、防衛省の出先機関等)との連携を図るようお願いします。