nagasaki@pref.nagasaki.lg.jp s00730@pref.nagasaki.lg.jp       2009年6月29日 長崎県知事 金子 原二郎 様  本年3月30日付け電子メールで農薬危害防止運動についての要望を差し上げた、反農 薬東京グループです。  同運動についての農水省・厚労省通知は5月26日発出され、貴県は、6月15日から、 8月14日までの期間、実施するとされています。  ところで、新聞報道によると、6月24日、貴県大村市の森園公園で、入園者がいる時間 帯に除草剤が散布されたとの新聞報道がありました。  このような農薬の散布法は、農薬取締法に基づく「農薬を使用する者が遵守すべき基準 を定める省令」、農水省と環境省二局長連名通知「住宅地等における農薬使用について」、 環境省の「公園・街路樹等病害虫・雑草管理暫定マニュアル 」、さらには、農水省・厚 労省の「平成21年度農薬危害防止運動の実施要綱」にも反するものと思われます。  私たちは、機関誌てんとう虫情報で、02年の金沢市兼六園、06年の香川県「讃岐まんの う公園」、08年の大牟田市諏訪公園での農薬散布問題をとりあげて、注意を喚起してきま した(下記URL参照)。  http://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/kiji/t12800.htm#t12809  http://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/kiji/t18002.htm  http://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/kiji/t20000.htm#t20005  そこで、以下のお尋ねをしますので、7月15日までに下記へ回答お願いします。     =================================================       ★★★反農薬東京グループ★★★ 代表:  辻 万千子       〒202-0021東京都西東京市東伏見 2−2−28−B        電話/ファックス:042-463-3027        E-mail:mtsuji@jcom.home.ne.jp URL http://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/      ==================================================    ***** お尋ねと要望 ***** 1、大村市へは、前記の「住宅地通知」「公園・街路樹管理マニュアル」「H21年度農薬 危害防止運動通知」をどのような形で、何時、連絡周知されましたか。 2、大村市が公園での除草剤散布で、上記通知等を守らなかったことに対して、いつどの ような指導をなさったか教えてください。 3、報道によれば、大村市は「夜間にまくことを検討中」とありますが、夜間は薬剤の飛 散状況が確認できず、非常に危険です。日没後の散布をやめるよう指導してください。 4、貴県の病害虫防除所は、本年度の農薬危害防止運動について、下記のURLで、  http://www.jppn.ne.jp/nagasaki/kouhou/noutorihou/kigaibousi090604.pdf  5項目の注意事項をあげられていますが、公園をはじめとする公共施設等での散布に ついての注意事項はありません。  農水省・厚労省の実施要綱の2-(6)-(イ)項には 『学校、病院等の公共施設内、街路樹、住宅地及びその周辺の庭木、花壇、芝地、家庭菜 園、市民農園における農薬使用者等に対し、農薬使用の回数及び量の削減のため植栽管理 等を行うとともに、農薬を使用する場合には、農薬の選択、使用方法の検討、事前通知の 実施等、周辺住民や施設利用者等への十分な配慮を行うよう指導する。』とあります。  この通知内容が周知徹底されておれば、今回の大村市のような公園開園中に除草剤を散 布するような不適切な農薬使用は防止できたと思います。  大村市の事例の再発防止のため、上記項目を徹底指導するよう、関係部署、関係自治体、 関係団体等へ、あらためて通知してください。 5、貴県では、毎年、「農薬安全対策講習会」を実施されていますが、この講習会では、 上記「住宅地通知」や「公園・街路樹管理マニュアル」についてどのように指導されてい ますか。  また、同講習会に、何名ほど参加があり、そのうち大村市職員や同市防除業者は何名ほ ど参加されていますか。  05年から09年度について、開催年月日、参加者総数、うち大村市の参加部署名と人数、 大村市からの参加業者数を教えてください。 6、グリーン購入法では、特定調達品目の役務に「植栽管理」があり、総合的病害虫・ 雑草管理を行うことなどの判断基準が示されています。環境負荷を減らすための責務を負 うことになる貴県は、この役務についてどのようにお考えですか。  また、貴県で、実践されていることがあれば、教えてください。 ****  長崎県からの 回答 (7月15日) **** From: 農業経営課 To: mtsuji@jcom.home.ne.jp Subject: Re: 大村市での除草剤散布について 反農薬東京グループ代表:辻 万千子 様 2009年6月29日のお尋ねについて回答いたします。 1.「住宅地等における農薬使用について」につきましては、国からの文書を添付したう え、平成19年2月14日付け県農業経営課発出文書で周知及び指導徹底を図っておりま す。 「公園・街路樹等病害虫・雑草管理暫定マニュアル」につきましては、平成20年6月2 4日付け県農業経営課発出文書で農薬適正使用指導の一環として送付しております。 「平成21年度農薬危害防止運動」につきましては、国の実施要綱に準じた要綱を策定し 平成21年6月9日付け県福祉保健部長・農林部長発出文書で本県における運動実施を通 知しております。 2.平成21年7月1日に大村市役所において、当時の除草剤散布状況の聞き取りと現地 確認をおこない、「住宅地等における農薬使用について」の通知等、農薬適正使用を徹底 するよう口頭により指導いたしました。 3.併せて、7月1日の指導の中で、夜間散布は、御指摘のとおり危険性が高いことから、 行わないことを指導し、確認いたしました。 4.農薬危害防止運動実施要綱の実施事項につきましては、前述1の通り文書による通知 を行うとともに、農薬安全対策講習会資料として提供したうえで説明及び周知徹底に努め、 指導の徹底を図っております。御指摘の要綱2-(6)-(イ)の内容につきましても当講習会に おいて指導しているところであり、関係通知の周知や人畜等へ危被害防止には十分な配慮 を行うよう強く指導しているところでありますので御理解いただきますようお願いいたし ます。 なお、農薬安全対策講習会は市町、JAや農薬販売業者等の関係団体、防除関係業者等、 広く参集を呼びかけたうえで開催しているところです。 5.農薬安全対策講習会資料として、毎年「住宅地等における農薬使用について」の通知 も併せて提供し説明、周知徹底に努めております。また、「公園・街路樹等病害虫・雑草 管理マニュアル」につきましても情報提供し、活用を呼びかけております。 なお、同講習会の開催実績は以下の通りです。(年、開催時期、参加者総数、大村市の参 加部署と人数、大村市からの参加業者数) 2005年、6/8〜6/15、341名、農業水産課(1名)、2業者 2006年、6/19〜6/28、334名、農業水産課(2名)、4業者 2007年、6/11〜7/12、257名、農業水産課(2名)、8業者 2008年、6/18〜7/4、325名、農業水産課(2名)、6業者 2009年、6/23〜7/10、330名、農業水産課・河川公園課(5名)、4業者 6.グリーン購入法における植栽管理に関しましては、国の環境物品調達方針において庁 舎周辺等の植栽地及び屋上緑化等を対象として基準を定めておりますが、現時点では県の 環境物品調達方針には記載しておりません。 しかしながら、県で所管している運動公園等の植栽管理につきましては、担当部局におい て「公園・街路樹等病害虫・雑草管理暫定マニュアル」の周知徹底を図っており、マニュ アルに従った植栽管理等を実施しているところです。 今後も環境負荷の低減に努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解いただきますよ うお願いいたします。 以上、今後も農薬危害防止運動等の諸機会を通じ、大村市における事例の再発防止等、農 薬の安全かつ適正な使用についての啓発周知、及び指導徹底に努めてまいりますことを御 理解いただきますようお願い申し上げます。 -- 農業経営課