************** 盗難試験米の件 ************** http://www.pref.osaka.jp/fumin/html/20917.html kannosuisoken-g01@sbox.pref.osaka.lg.jp                             2009年1月5日 環境農林水産総合研究所総務部  御中  私たちは、農薬をはじめとする化学物質による環境汚染・健康被害を出来るだけ減ら  そうと運動している市民団体「反農薬東京グループ」です(下記ホームページ参照)。  貴研究所の12月24日付け報道発表によりますと、未登録農薬試験米が盗まれたとのこと です。この件に関して、以下のお尋ねしますので、1月15日まで、下記へ回答くださるよ うお願いします。     =================================================       ★★★反農薬東京グループ★★★ 代表:  辻 万千子       〒202-0021東京都西東京市東伏見 2−2−28−B        電話/ファックス:042-463-3027        E-mail:mtsuji@jcom.home.ne.jp URL http://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/      ================================================== **** お尋ねします **** 1、薬害・薬効試験に使用された除草剤は、いままで、国内で登録された農薬成分を含有  していますか。それとも、日本で登録されたことのない新規な活性成分ですか。  また、当該農薬成分の米についての残留基準は設定(暫定も含む)されていますか。 【回答】今回の試験薬剤には16成分が含まれ、そのうち12成分は国内の農薬登録があり、 2成分は登録申請中、2成分は未登録です。  登録された農薬成分については玄米の残留基準が設定されており、うち4成分は暫定で す。  表 試験薬剤に含まれる成分 成分名     残留基準*1 ADI値*2    急性毒性*3  魚毒性*3         (玄米・ppm) (mg/kg体重/日)   テフリルトリオン  −     0.0008 *4 普通物*6 A類*6 メフェナセット   0.1     0.007     普通物 B類 クミルロン   0.1     0.01 普通物     A類 ベンスルフロンメチル0.1     0.14     普通物     A類 ペントキサゾン   0.1     0.069     普通物     B類 ブロモブチド   1(暫定)  0.04 普通物 A類 オキサジクロメホン 0.1     0.0091     普通物     A類 ピリミスルファン  −     0.35 *5     普通物*6 A類*6 ダイムロン   0.1     0.3     普通物     A類 NC-620       −      −     普通物*6 A類*6 ピラクロニル   0.05 0.0044     普通物     A類 TH-547      − − 普通物*6 A類*6 イマゾスルフロン 0.1 0.089 普通物 A類 ベンゾビシクロン  0.1(暫定) 0.034     普通物     A類 ジメタメトリン   0.1(暫定) 0.0094     普通物     B類 ピラゾスルフロンエチル 0.1(暫定)−     普通物     A類  *1 残留基準:財団法人日本食品化学研究振興財団ホームページ        食品に残留する農薬、動物用医薬品及び飼料添加物の限度量一覧表より  *2 ADI値:国立医薬品食品衛生研究所ホームページ       ADI関連情報データベースより  *3 急性毒性、魚毒性:農林水産消費安全技術センターホームページ            農薬の安全性に関する情報より  *4 テフリルトリオンのADI値:内閣府食品安全委員会ホームページ   「テフリルトリオンに係る食品健康影響評価に関する審議結果(案)」より  *5 ピリミスルファンのADI値:内閣府食品安全委員会ホームページ       第26回農薬専門調査会総合評価第二部会(平成20年12月22日)議事概要より  *6 供試薬剤のMSDSより 2、収穫した試験米を堆肥用に保管していたということですが、海外から輸入される牧草  飼料に残留していた除草剤クロピラリドが牛糞等から製造した堆肥に移行し、マメ科の  作物等に薬害を引き起こすことが知られています。試験米を堆肥原料とした場合、栽培  された作物に影響はありませんか。  また、当該農薬については、試験米での残留量は未確認とのことですが、残留分析がな  されていないものを、他の用途に転用することについては、どうお考えですか。 【回答】今回の試験にはクロピラリドを使用していません。今後、試験米を堆肥原料等の 別の用途に転用することについては慎重に検討したいと考えます。 3、盗難にあった試験米が食用に転売される恐れがあります。万一食用に販売された場合、  人の健康への影響はありませんか。  試験に供せられた農薬の毒性試験結果、残留基準、ADI数値がありましたら、(もし、  不明ならば、その旨を)教えてください。  米の残留基準がなければ、食品衛生法では、一律基準0.01ppmが適用されます。いまま  での実験結果から、この数値を超える残留の可能性があるとお考えですか。 【回答】未登録成分を含んでいるため科学的根拠を示すことはできませんが、最終散布日 が6月中旬で、試験米の総量と試験規模(処理量、面積)の関係から、人への影響はない ものと考えます。  試験薬剤に含まれる成分名と毒性、残留基準、ADI数値は添付表のとおりです。  不明部分については調査中です。 4、いままで、貴施設で収穫された試験米は、どの程度の数量で、どのように転用又は販  売又は処理されていましたか。01年以後、年別のデータを教えてください。 【回答】これまでの試験米は収穫後すべて埋土処分していました。年別の処分量は把握し ていません。 5、今後、試験米の盗難防止対策をどのようにするか、また、試験米の処理等をどうする  か、お考えをお示しください。 【回答】盗難防止対策については従来から行ってきたところですが、さらに対策を徹底し ます。  試験米は、今回初めて堆肥化による有効活用を考えたもので、他用途への転用の適否も 含めて、今後処理等について慎重に検討します。