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は じ め に

 ガーデニングで使用する薬剤が農薬だとは知らなかった、という話を聞いて、
愕然としたことがあります。
 今回の反農薬シリーズは、ふだん農薬問題に関心がない人にもぜひ読んでい
ただきたい、という思いで作りました。
 最近、行政や農薬推進派もわかりやすい農薬の解説書を出しています。口当
たりのいいことが書いてありますが、じゃあ、なぜ、こんなに多く農薬で苦し
んでいる人がいるのか、という疑問には答えてくれません。
 農薬が毒であるという基本がぼかされています。特に、ガス化して空気中に
漂っている農薬については、これまで無視されてきたのです。最近になってよ
うやく、環境省が、吸入毒性試験の方法などについて検討を始めました。日本
に化学物質過敏症患者が100万人以上もいるだろうと言われる時代になって
からですから、遅すぎると言わざるを得ません。
 地球温暖化対策として、校庭の芝生化や、屋上・壁面の緑化が進められてい
ます。大変結構なのですが、そこで農薬を使用しないでいただきたい。今まで
の経験から言えば、緑が増えれば農薬も増える傾向があります。これでは本末
転倒です。ぜひ、地域で農薬不使用の条例などを作って、緑化を進めてほしい
ものです。

も く じ

第一章 知られていない農薬のあれこれ
 Q 1:私たちがガーデニングに使っている薬品も農薬ですか?
 Q 2:除草剤の中には、農薬と同じ成分なのに農薬といわないものがあるそうですが、
   なぜですか?
 Q 3:栽培植物の害虫防除に使われる殺虫剤が農薬ならば、家庭内でゴキブリや蚊など
   を退治するために使う殺虫剤は何ですか?
 Q 4:農薬は「安全」ですか?
 Q 5:農薬にはどのような毒性があるのでしょうか?
  Q 6:登録されている農薬には厳しい毒性試験がされているということですが、
   本当ですか?
  Q 7:農薬にはどんな種類がありますか?  
  Q 8:日本での農薬使用量は多いのでしょうか?
 Q 9:特に問題となる農薬使用にはどのようなものがありますか?
 Q10:化学物質過敏症というのは、どのような病気ですか?
 Q11:農作物の残留農薬よりも、空気中の農薬のほうが危険ですか?
 Q12:農薬は空気を汚染していますか?
 Q13:土に触れるとすぐに分解する安全な農薬といわれるものがありますが、
   本当にすぐ分解されますか?

第二章 農薬による健康被害の12事例
  1:台風接近の強風の中、除草剤が撒かれる
   2:軒先のカブ畑から農薬が舞い、化学物質過敏症に
  3:マンション庭での農薬散布
  4:ガーデニング好きの隣家から、農薬が降り注ぐ
  5:人の健康よりも庭木が大事?農薬散布続ける迎賓館
  6:きれいなバラには毒がある、練馬区バラ園の農薬散布
  7:座間市の桜並木の農薬散布
  8:学校・幼稚園での農薬散布の実態−名古屋市教育委員会−
  9:出雲大社の松枯れ対策と称する農薬空散で高校生が農薬浴びる
 10:無人ヘリ農薬散布で湿疹
 11:個人攻撃にめげず、団地の農薬散布を中止させたが、転居先でまたも
 12:農薬被害を裁判や公害調停に訴えた事例
  <1>千葉市:クロルピクリン被害訴訟で農家に賠償命令
  <2>日野市:公害等調整委員会が農薬使用を原則止めよとの調停

第三章 通知「住宅地等における農薬使用について
  1:通知が出るまで
   2:通知の内容
   遵守すべき人/農薬使用前にすべきこと/
   やむを得ず農薬を使用する場合/周辺への周知
  3:通知全文(2007年1月31日発出)
  4:通知の利用
  5:通知の限界と今後の展望
 住宅地通知は、2013年4月26日に改定されました。(新通知はこちら

 てんとう虫情報「街の農薬汚染」の記事リスト


作成:2008-01-25、更新:2013/08/02