林野庁長官  内藤邦男  様                      反農薬東京グループ                      代表 辻 万千子  私たちは、農薬をはじめとする化学物質による環境汚染・健康被害を出来るだけ減らそうと運動している市民団体「反農薬東京グループ」です。松枯れ対策についてはかねてから様々な要望をしてきました。下記のホームページをご覧いただければおわかりと思います。  さて、6月16日、参議院の環境委員会で岡崎トミ子議員が松枯れ対策について質問しています。その中継ビデオを拝見して愕然としました。島田泰助次長が、今年度の松枯れ対策としての空中散布の面積が2000ヘクタールだと答弁していたからです。  正確には、岡崎議員は「今年は空中散布について予算と対象面積はどのくらいになっていますでしょうか。昨年と比べてどのくらい減っておりますでしょうか」と質問しています。  島田次長は「森林病害虫防除事業の中で、松くい虫被害対策といたしまして都道府県や市町村が行う防除事業に対して支援を行っているところでございまして、このうち松くい虫防除に係わる空中散布につきましては今年度予算額として5300万円、対象面積2000ヘクタールを予定しているところでございます。この数字につきましては、昨年度との比較ではおおむね昨年度と同程度の規模でございます」と答弁しています。  私たちが貴庁からいただいた資料では、今年度の有人ヘリ散布面積は民有林が17817ヘクタール、国有林が2794ヘクタールとなっています。あまりの差に驚いたわけです。  担当の中村森林保護対策室長に問い合わせたところ、「前日の岡崎議員との打ち合わせで、国が補助金を出している面積を答弁すればいいということで、こういう数字になった」とのことでした。事前にどのようなやりとりがあったかは、国会質問のビデオをみているものにはわかりません。仮に室長の言うとおり、国の補助金を出している金額と面積であれば、次長はきちんとそう答弁すべきでした。  いやしくも、国会答弁で次長が松枯れ空散面積を実際よりも少なく言うなどとは考えられませんが、結果的にはそうなります。実際に岡崎議員の質問は、今年度の空散面積と予算額はどのくらいかと聞いているのに、あのような答弁は、議員はもちろん、国民をごまかすものです。  私たちは厳重に抗議するとともに、正しい数字を記者発表で明らかにするよう申し入れます。  早急に回答を下さるようお願いいたします。 **** 回答 ■6/24 Subject: 林野庁次長の松枯れ空散面積の答弁について(補足) 辻 様 いつもお世話になっております。 先ほど電話にて、お問い合わせありました 問い合わせ回答における、回答者の記載について ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。 システムの都合で、再送及び修正が困難なことから 通常のメールから回答を送信させていただきます。 ご不明な点がございましたら、 お手数ですが、電話、メールなどでご連絡ください。 ---------------------------------- 〒100−8952 東京都千代田区霞が関1−2−1 林野庁林政部林政課渉外広報班 広報第二係 関 純一 TEL 03−3502−8111(代表) TEL 03−3502−8026 FAX 03−3591−6505 ---------------------------------- 以下 回答  このたびは、ご多用中のところご意見をいただき恐縮に存じます。  平成21年6月16日の参議院環境委員会での答弁内容を確認したところ、以下のと おりとなっておりました。  岡崎議員 : 今年は空中散布について予算と対象面積はどのくらいになっていま すでしょうか。昨年と比べてどのくらい減っておりますでしょうか。  島田次長 : 林野庁におきましては、森林病害虫防除事業の中で、松くい虫被害 対策といたしまして都道府県や市町村が行う防除事業に対して支援を行っていると ころでございまして、このうち松くい虫防除に係わる空中散布につきましては今年 度予算額として5,300万円、対象面積2,000ヘクタールを予定しているところでござ います。         この数字につきましては、昨年度との比較ではおおむね昨年度と 同程度の規模でございます。  岡崎議員からは、空中散布に関して予算と対象面積について御質問がなされ、島 田次長の答弁では、「林野庁におきましては、(中略)今年度予算額として5,300 万円、対象面積2,000ヘクタールを予定」と言っており、林野庁の予算の裏付けが あるものに限った面積を答弁しております。  都道府県や市町村が国の支援を受けずに実施している面積を含めますと、ご指摘 の数値(17,817ヘクタール)になりますが、今回の答弁では、前述したように一定の 前提についてはっきりと発言した上で面積等をお示ししていますので、誤りや訂正 には当たらないものと考えております。  今後ともよろしくお願いします。 回答作成者 林野庁森林整備部 研究・保全課 森林保護対策室 保護企画班 企画係長 小川 俊 **** 6/26 先日はご意見をいただきありがとうございました。 なお、本件につきましては、長官、次長とも相談の上、 森林保護対策室長より、改めて回答させていただきますのでよろしくお願いします 。  平成21年6月16日の参議院環境委員会での答弁内容を再度ビデオで確認した ところ、岡崎議員から林野庁に対して、今年の空中散布についての予算と対象面積 がどのくらいかとの御質問がなされ、島田次長から、林野庁が行っている都道府県 や市町村への支援のうち松くい虫防除に係わる空中散布については、今年度予算額 として5,300万円、対象面積2,000ヘクタールを予定している旨を答弁したところで す。  また、都道府県や市町村が林野庁の支援を受けずに実施している面積を含め、今 年度に空中散布が実施される予定の民有林の面積としては、先日のメールでご指摘 をいただき、また、岡崎議員が質疑の中で言及されたように、1万8千ヘクタール (17,817ヘクタール)となります。  今回の答弁では、「林野庁におきましては、森林病害虫防除事業の中で、松くい 虫被害対策といたしまして都道府県や市町村が行う防除事業に対して支援を行って いるところでございまして、このうち松くい虫防除に係わる空中散布につきまして は」と明言した上で、予算と対象面積をお示ししていますので、誤りや訂正には当 たらないものと考えております。また、今後とも業務全般に関しまして、一層のて いねいな説明にこころがけて参りますので、ご理解をいただければ幸いです。  今後ともよろしくお願いします。 回答作成者 林野庁森林整備部 研究・保全課       森林保護対策室 室長 中村 毅