****************************** 化学物質による災害発生事例の件 ****************************** ■農水省農薬対策室への問合せ                      2009年11月24日 農林水産省 農薬対策室 坂口様。  反農薬東京グループです。先日は、H20年度の農薬事故に関する資料を 送付くださりありがとうございました。  ところで、厚労省のHPにある「化学物質による災害発生事例について」の頁  http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei10/index.html  にあるH20年の  その他の化学物質による中毒等の一覧表  http://www.mhlw.go.jp/za/0731/c58/c58-04.pdf  にある。7月と12月の下記2件の事例について、お尋ねします。 1、7月 ゴルフ場の事業(9606) 中毒1名 その他 農薬   ゴルフ場において、除草剤散布作業を行っていたところ、散布車の運転手が農薬中   毒となった。危険有害性の認識不足 安全衛生教育不十分  とありますが、これは、先日送っていただいた貴室の一覧表のどの項に該当するもの でしょうか。事例のゴルフ場の所在も含め、判りましたら、教えてください。 2、12月 医療保健業(9424) 中毒19名 その他   O, O -ジエチル- O -(2-イソプロピル-4-メチル-6-メチルピリミジル)ホスホ   病院の救急蘇生診療室において、農薬(殺虫剤:ダイアジノン含有)を飲んだ患者   の診療に当たっていたところ、診療に当たっていた医師、看護師等が患者の嘔吐物   から発生したダイアジノン蒸気を吸入し、有機リン中毒となった。   危険有害性の認識不足 換気不十分  とあります。  同年5月の項にあるクロピク事例については、5月21日、熊本赤十字病院救命救急セン ターで起こったということを把握していましたが、この事例については、知りませんで した。ダイアジノン蒸気を吸入し19名もの医療関係者が、どのような有機リン中毒症状 を示したのか知りたいと思います。  農薬か衛生害虫用殺虫剤かも不明な自殺案件で、貴室の統計には入っていないもので すが、発生日時や発生場所について、薬剤について、なにか情報がありましたら、教え てください。 ■厚労省の担当部署への問合せ From: 反農薬東京G To: handa-arimichi@mhlw.go.jp, WWW-ADMIN1@mhlw.go.jp Cc: Bcc: mtsuji@jcom.home.ne.jp Subject: 化学物質による災害発生事例の件 --------                                2009年11月25日 厚生労働省行政相談室 御中 厚生労働省労働基準局   安全衛生部化学物質対策課 半田有通 様  私たちは、農薬をはじめとする化学物質による環境汚染・健康被害を出来るだけ減ら  そうと運動している市民団体「反農薬東京グループ」です(下記ホームページ参照)。  農薬や殺虫剤等に関連する中毒や事故については、再発防止のため、下記のURL  で、情報を提供しています。   http://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/indpes1.htm  貴課HPの「化学物質による災害発生事例について」の頁に報告のある事例に  ついても、記事中で紹介させていただいています。  http://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/kiji/t20504.htm  ところで、貴課がこの頁で、 H20年の その他の化学物質による中毒等として、   http://www.mhlw.go.jp/za/0731/c58/c58-04.pdf  に、挙げておられます7月と12月の下記2件の事例について、お尋ねしますので、 12月9日までに、下記に回答ください。     =================================================       ★★★反農薬東京グループ★★★ 代表:  辻 万千子       〒202-0021東京都西東京市東伏見 2−2−28−B        電話/ファックス:042-463-3027        E-mail:mtsuji@jcom.home.ne.jp URL http://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/      ==================================================  追伸:なお、表中の原因物質名については、化学名だけでなく、一般名や商品名を併 記した方が判りやすいと思います。  たとえば、ナトリウム=メチルジチオカルバメート(別名カーバムナトリウム塩、商品 名キルパー)       O, O -ジエチル- O -(2-イソプロピル-4-メチル-6-メチルピリミジル)ホス ホ(別名ダイアジノン)  また、農薬や殺虫剤成分による家庭内での事故や農業現場での事故調査、人口動態統 計による死因調査、自他殺による原因物質調査については、他の省庁や部署がそれぞれ まとめています。このような縦割り行政を改め、業務上の事故だけでなく、原因化学物 質に視点を置いた統一的な中毒や健康被害等のデータベースにまとめることが出来れば と思います。今後、検討ください。     **** お尋ねします **** 【質問1】7月 ゴルフ場の事業(9606) 中毒1名 その他 農薬   ゴルフ場において、除草剤散布作業を行っていたところ、散布車の運転手が農薬中   毒となった。危険有害性の認識不足 安全衛生教育不十分  とありますが、  この事故が発生した月日、場所(県名市町村名、ゴルフ場名)、中毒原因となった農薬 名(成分、製品名)、事故発生状況、被害程度について教えてください。 【質問2】12月 医療保健業(9424) 中毒19名 その他   O, O -ジエチル- O -(2-イソプロピル-4-メチル-6-メチルピリミジル)ホスホ   病院の救急蘇生診療室において、農薬(殺虫剤:ダイアジノン含有)を飲んだ患者   の診療に当たっていたところ、診療に当たっていた医師、看護師等が患者の嘔吐物   から発生したダイアジノン蒸気を吸入し、有機リン中毒となった。   危険有害性の認識不足 換気不十分  とありますが、  1)事故が発生した月日、場所(県名市町村名、病院名)、中毒原因となったダイアジノ ン含有殺虫剤の製品名(これは農薬ですか、衛生害虫駆除剤ですか、単剤ですか、複合剤 ですか、後者ならばその成分)、事故発生状況、被害程度について、教えてください。  2)ダイアジノン蒸気により19人と多人数の中毒者がでた原因はどこにあったのでしょ うか。ダイアジノンについての貴省の室内空気指針値は0.29μg/m3以下、環境省の大気 中濃度評価値は1μg/m3以下となっていますが、事故時のダイアジノンの気中濃度はど の程度と推定されますか。  3)08年5月の項にあるクロピク事例については、5月21日、熊本赤十字病院救命救急セ ンターで起こっていますが、この事例を契機に、熊本県は、医療機関や医師会等に有害 物質を被曝した患者の治療の際に、注意を喚起する通知を送っています。  ダイアジノンの事例では、貴課やその他の行政機関から関連通知が発出されましたか。 されていたら、その文書をお示しください。 **** 厚労省の回答 12/04 ご質問いただいた件につきまして、ご回答いたします。 「化学物質による災害発生事例について」ホームページにつきましては、事業場におけ る災害予防の参考としていただくため、化学物質による中毒等の事例を掲載しているも のです。 これらの情報は、労働基準監督署が実施した災害に関する調査の情報をもとにしており ますが、労働基準監督署が実施する災害調査は、災害発生原因の究明、再発防止対策の 樹立、災害発生事業場に対する指導、法的責任の追及等を目的として実施されるもので あり、個別事例の事業場名や内容の詳細について公表した場合、調査に対する協力が得 られなくなるなど、今後の災害調査に支障が生じるおそれがあることから、個別事例の 詳細につきましてはお答えいたしかねますのでご了承ください。 なお、それぞれの事例の発生年月日及び場所は以下のとおりです。 【質問1】の事例:平成20年7月5日 北海道虻田郡 【質問2】の事例:平成20年12月12日 長野県松本市 また、【質問2】の事例につきまして、厚生労働省化学物質対策課からは通知を発出し ておりません。 それぞれの事例の災害調査に関する「災害調査復命書」について開示を希望される場合 は、「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」(情報公開法)に基づく開示請求 の手続が必要となります。この場合、開示請求先は【質問1】の事例は北海道労働局、 【質問2】の事例は長野労働局となります。なお、開示・不開示ならびに開示する場合 の開示範囲については、情報公開法に基づき判断されることとなり、一般的に限定され た範囲となりますのでご承知おきください。 (厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課) *** tuyosi_sakaguti@nm.maff.go.jp 農薬対策室回答 12/15 反農薬東京グループ  代表 辻 万千子 様  平素より大変お世話になっております。  農薬中毒と激辛ネットについて、以下のとおりご回答致します。  ○農薬事故  1.ゴルフ場事案について    厚生労働省のHPに記載されているゴルフ場における中毒事故情報は、当方で 行っている調査    の対象外のため、昨年度の農薬事故調査に含まれておりません。    しかしながら、今回ご指摘のあったゴルフ場の事案のような、当方で把握で きない事案について、    今後は農薬事故の幅広な情報を収集する観点から、担当部局に対し情報収集 に努めることとし    たいと考えています。  2.医療関係者のダイアジノンによる中毒事案について    自殺は農薬事故の調査対象外であり、積極的な情報収集はしておりません。 また、ご指摘の事案に    ついては当方で把握していないものです。    しかしながら、当該事案のような自殺案件については、可能な範囲で都道府 県からの情報収集    に努めたいと考えております。   *** 農水省農薬対策室へ 回答御礼とお願い 12/16 農林水産省 農薬対策室 坂口様  農薬事故と害獣忌避ネットについての回答ありがとうございました。  事故情報の一元化は、8月に実施されました「農林水産省の業務への意見、提案」 のパブコメでも、以下のような提案をしておりますので、ぜひ、実現してください。 ■件名 農薬に関する業務提案18:農薬による人の健康被害や環境等の被害について 【意見1】  年度ごとに、農薬による人の健康被害調査を統合一元化して実施し、その結果をデー タベースにして、インターネットで公表すべきである。  説明:人については、農水省、厚労省(毒劇法、人口動態統計、家庭用品等に係る吸 入事故等に関する報告など)、警察関連の自他殺・変死事例(科学警察研究所資料)など があるが、それぞれの数値はバラバラである。  ところで、北海道のゴルフ場事故については、報告部署が違って、貴省に情報が挙が らなかったようですが、明らかに農薬散布中の事故として、貴課で把握しておくべきも のです。  今回、この事実を知ったわけですから、あらためて、散布中の事故としてカウントし、 貴省の事故統計を訂正してください。  なお、事故発生場所、原因農薬、発生状況、被害状況、被害原因などの情報が入りま したら、当方へお知らせくだされば、幸いです。