****************************** 消費者庁の工程表についての意見 ******************************            2009/11/05提出 【「T 事故情報の一元的収集、分析・原因究明、発信 について」に関する意見】 1 農薬による中毒や死亡事故については、同じ化学物質による被害にも係わらず、農 水省の農薬中毒統計、厚労省の人口動態統計や労災の統計と家庭用品に係わる健康被害 病院モニター報告、警察庁科学警察研究所の報告など、それぞれの省庁がバラバラに実 施している。これらの現状調査を行い、一元化した農薬・殺虫剤等による健康被害の データベースをつくって、公表することを工程表に組み入れてしてほしい。 【「W 制度の見直し・整備等について」に関する意見】 1、すきま事案(商品)に関しては消費者庁が対応することになっているが、工程表に 載っていない。農薬は農薬取締法で、衛生害虫用殺虫剤は薬事法での規制があるが、同 種の活性成分を含むシロアリ防除剤、木材防腐・殺虫剤、衣料用防虫剤、不快害虫用殺 虫剤、非農耕地用除草剤などに関しては、取締る法律や担当省庁がないため、早急に、 消費者庁で対応していただきたい。  また、制度的には、現行の用途別の縦割り行政を改め、すき間をなくすよう、化学物 質を横断的に規制する法律の制定も視野に入れられたい。 【事例】 ガーデニング用培 養土は中国などからの輸入が多く、殺虫剤や殺菌剤を使用している可能性がある。その 土による健康被害を訴えた人がいたので、消費者庁の消費者情報ダイアルに相談したが、 土の分析も、調査も一切行われず、そのままになっている。消費者庁には分析機関はな いとしても、他の関連機関と連携して分析できるはずなのに、そのように取り計らいも しなかった。 消費者は解決を求めて消費者庁に連絡している。ただ、聞き置くだけで は、不十分である。 2、化学物質による健康被害の訴えは年々増えており、化学物質過 敏症という新しい病気も増加している。農薬や殺虫剤(上記すきま商品を含む)や化学 物質による健康被害の調査の実施、診断方法の確立、治療方法の確立を工程表にいれて してほしい。 3、殺虫剤や殺菌剤などの成分が含有されている製品であっても、表示の ないものや安全性を強調するものがある。あらゆる商品に含有される化学物質の表示を させるべきだと考える。そのための作業を工程表に入れてほしい。たとえば、合板接着 剤、防虫畳などに添加されている殺虫剤成分について表示がないため、消費者には含有 の有無が不明である。また、このような製品のラベル表示や宣伝においては、「環境に やさしい」「食塩よりも安全」「天然物を使用」などと消費者を惑わせる表現がみられ るが、これらはチェックして規制すべきである。さらに、製品に含有される化学物質の 全開示については、企業秘密であるとして、メーカーが情報開示を拒んでいる。公開を 義務ける制度の確立が必要である。 4、現行の「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」は、有害化学物質を含 有する家庭用品は多数あるにもかかわらず、その規制内容が極めて不十分である。この 法律を見直す工程表が必要である。 5、消費者は、農薬・殺虫剤等の防除業者に薬剤散布を委託することが多い。しかし、 農薬については、防除業者は農業者や一般使用者と同列におかれているし、衛生害虫の 防除業者は、建築物衛生法による登録制度があるが、届出がなくとも営業はできる。ま た、シロアリ防除業者や不快害虫駆除業者については、何の法規制もない。これら、防 除業を規制する制度を作ることは消費者保護につながるから、工程表にいれるべきであ る。 6、通信販売やインターネットによる商品の販売やオークションが増大しているが、消 費者保護の立場から、オークションの主催者やポータルサイトの運営者には、販売者や 出品者に法令違反が無いかの調査を義務づけるべきである。 農薬取締法で義務づけら れている販売者届けを出さずに農薬をネット販売したり、対面販売が義務づけられてい る毒劇物をオークションに出品したものがいた。主催者に通報しても迅速な対応が望め ず、結果の通知もない。