************************************************* スターマイトフロアブルの回収について(2009/04/24) ************************************************* ■日産化学へ https://secure.nissanchem.co.jp/contact/index2.php?id=k より投稿 日産化学株式会社社長 木下小次郎 様         農業化学品事業部 御中  反農薬東京グループです。2005年に、貴社王子工場跡地の北区豊島五丁目  団地におけるダイオキシン土壌汚染問題で、お尋ねした折りには、お世話  になりました。  ところで、農薬販売店の情報によりますと、貴社が、今年2月中旬上市された  殺虫剤スターマイトフロアブル(登録番号:第22305号)がリコールされるとの  ことです。  新発売された農薬がすぐに回収された理由が明確でありません。そこで、下記の  お尋ねをしますので、5月13日までに、以下に回答ください。     =================================================       ★★★反農薬東京グループ★★★ 代表:  辻 万千子       〒202-0021東京都西東京市東伏見 2−2−28−B        電話/ファックス:042-463-3027        E-mail:mtsuji@jcom.home.ne.jp URL http://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/      ================================================== ***** お尋ねします ***** 1、スターマイトフロアブルを回収するに至った経過を教えてください。 2、回収される理由は何ですか。 3、製品回収については、どこに、どのようにして周知され、回収はどのような方法で   実施されていますか。貴社HPには、社告はでていませんが、その理由は何ですか。 4、回収対象品は、どの工場で、いつ頃製造されたもので、数量はどの程度ですか。 5、登録申請時の製剤の製造方法や含有成分(補助成分を含む)と回収製品に違いはありま せんでしたか。 6、活性成分のシエノピラフェンは、食品安全委員会の評価によると、 『各種毒性試験結果から、シエノピラフェン投与による影響は、主に肝臓、腎臓、 子宮及び網膜に認められた。催奇形性及び遺伝毒性は認められなかった。 発がん性試験において、ラットで子宮腺癌の発生頻度が増加したが、発 生機序は遺伝毒性メカニズムとは考え難く、評価にあたり閾値を設定する ことは可能であると考えられた。』となっていますが、今回の回収は製剤の毒性と 関係はありますか。 7、登録申請に際して実施される薬効・薬害、残留性試験等で、回収理由となったような 事例の発生が予測できませんでしたか。出来なかったとすれば、その理由は何ですか。 8、今回の回収について、農水省に、いつ、どのように報告され、どのような指導を受け られましたか。 9、今回のような発売直後の回収を防止する対策をお示しください。 ■農水省へ https://www.contact.maff.go.jp/voice/sogo.html より投稿 農林水産大臣 石破 茂 様 農薬対策室  寺田博幹 様      反農薬東京グループです。いつもお世話になっています。  農薬販売店の情報によりますと、日産化学社が、今年2月中旬上市した殺虫剤  スターマイトフロアブル(登録番号:第22305号)がリコールされているとのこ  とです。  同社は、新発売された農薬がすぐに回収された理由を明確にしていません。  そこで、下記のお尋ねをしますので、5月13日までに、以下に回答ください。 【質問と回答】 ---------------------------------------------- 1、スターマイトフロアブルの回収については、日産化学から、貴省にいつ、どのような 報告がありましたか。  本年4月2日に、日産化学工業株式会社が、当方(農林水産省消費・安全局農産安全管理 課農薬対策室)に来所し、スターマイトフロアブルの製品の一部返品についての説明を受 けました。 2、同社が回収するに至った経過を教えてください。また、回収された理由は何であった かも教えてください。     日産化学工業株式会社の説明によると、平成21年2月に日産化学工業小野田工場で生産 されたスターマイトフロアブルの一部のロットで、長期保存した場合に、製剤の品質規格 の社内基準を逸脱する可能性があることが 判明したとのことです。   3、回収対象品は、どこで、いつ製造されたもので、その数量はどの程度ですか。  平成21年2月末から3月初めに、日産化学工業株式会社小野田工場で生産された製品のう ち、6ロット、約12KLとのことです。 4、貴省は、当該農薬の製造場に立ち入り検査されましたか。されたとすれば、その結果 を教えてください。また、同社に、どのような指導をされたかも教えてください。  回収理由は製品の社内基準の逸脱の可能性があるためということであり、商品に対する 会社の方針として回収を行うとのことです。社内基準の逸脱の可能性とは、農薬としての 性質に問題がない範囲で製剤中の原体の粒子 径が変わる可能性があるということであり、農薬取締法に抵触するものではないことから、 今回は立入検査は行っていません。  なお、同社から回収を実施する旨説明があった際には、本件は社内基準に基づくもので あり、返品の要請は認めるが、現場が混乱しないように対応するとともに、結果について も報告するよう指導しました。     5、登録申請時の製剤の製造方法や含有成分(補助成分を含む)と回収製品に違いはありま せんでしたか。  違いはないと判断しています。  6、活性成分のシエノピラフェンは、食品安全委員会の評価によると、『各種毒性試験結 果から、シエノピラフェン投与による影響は、主に肝臓、腎臓、子宮及び網膜に認められ た。催奇形性及び遺伝毒性は認められなかっ た。 発がん性試験において、ラットで子宮腺癌の発生頻度が増加したが、発生機序は遺伝毒性 メカニズムとは考え難く、評価にあたり閾値を設定することは可能であると考えられ た。』となっていますが、今回の回収は製剤の毒性と関係はありますか。  先に述べたとおり、今回の回収理由は製剤の毒性とは関係ありません。 7、登録申請に際して提出された薬効・薬害、残留性試験等で、回収理由となったような 事例の発生が予測できませんでしたか。  今回の回収は、あくまでも製品の社内基準の逸脱の可能性があるという理由により、農 薬製造会社独自の判断により行うものであり、農薬の登録申請に際しての検査項目に該当 するものではありません。 8、今回のような発売直後の回収を防止するには、登録申請書類の厳正な評価、製造工程 や製品の厳格な管理が必要と考えます。 貴省は、日産化学の回収を契機に、農薬メーカーに対して、何か指導されましたか、さ れていたならば、いつ、どのような指導をされたか教えてください。  農薬の製造にあたっては、安全性等の問題がないよう製造工程や製品の管理の徹底を図 るよう日頃より指導しております。したがって、今回の件を受け、各農薬製造会社に対し て、特別な指導は行っておりませんが、今後ともこのような指導の徹底を図ってまいりた いと考えています。