From: 反農薬東京G To: koe@metro.tokyo.jp **************************************** 東京都の緑化計画等についての要望と質問 ****************************************                                2009年4月10日 東京都知事 石原慎太郎 殿  2007年3月に、校庭芝生化や「緑の東京10年プロジェクト」における農薬や殺虫剤等 の使用について、質問した反農薬東京グループです。  その節は、文書回答をいただいた上、5月には担当部署の方々に直接、お話する機会を いただきありがとうございました。  ところで、本年4月に入り、東京オリンピック・パラリンピック招致活動の一環として、 都の緑化事業推進計画がテレビCMで放映されています。  オリンピック・パラリンピックの立候補ファイルにあるテーマ「環境及び気象」に関す る6.9節では、 (1)東京大会のクラスターとして整備される大規模緑地の整備とそれらをつなぐ道路の街  路樹倍増、河川や運河の護岸緑化、公共交通機関の沿線緑化を進め、約700haの緑地を  整備する。 (2)小中学校の校庭芝生化により約300haの緑地を生み出し、2016年までには合わせて約  1,000haの新たな緑地を創出する。 (3)敷地内の緑化はもとより、屋上・壁面緑化、ビオトープの整備を進める。 など緑化の取り組み計画が述べられています。  また、同計画とは別に、マンションなどの建設事業者に対する「緑化基準」を強化し、 管理報告を義務付けるよう改定した「東京における自然の保護と回復に関する条例」(以 下東京都自然保護条例)が10月から施行されようとしています。  いずれも、緑が増えるのはよいことですが、植栽管理のため、農薬使用量が、また、緑 化により衛生害虫等が繁殖し、殺虫剤等の使用量が増えることは、野生生物や人の健康に 影響をあたえる恐れがあり、本末転倒です。そうならないための対策が不可欠と考えます。  オリンピック・パラリンピック招致を契機に、都が環境先進都市として、「緑の東京1 0年プロジェクト」の一層の推進を計られていることに関して、あらためて、質問と要望 を行いますので、4月30日までに、下記へ回答くださるようお願いします。     =================================================       ★★★反農薬東京グループ★★★ 代表:  辻 万千子       〒202-0021東京都西東京市東伏見 2−2−28−B        電話/ファックス:042-463-3027        E-mail:mtsuji@jcom.home.ne.jp URL http://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/      ================================================== ***** 質問と要望 ***** 【1】農薬や殺虫剤等の使用状況について  農薬や殺虫剤等の使用を減らすには、まず、現在、どのような場所でどのような薬剤が どの程度使用されているかを知ることが重要です。そこで、 (1)都が管理する公園、道路、運動場、都営住宅・団地、その他の公共施設等で、街路 樹・花卉・芝生等で使用されている農薬の使用状況を調査し、公表してください。  07及び08年度の実績を使用場所、農薬の種類(成分名、商品名)、散布時期と目的、  使用量(製剤量と希釈量)、使用金額の一覧でお願いします。 (2)都が管理する公共施設、都営住宅・団地等で、ねずみ・衛生害虫駆除のために使用さ れている殺虫剤等の使用状況を各施設ごとに調査し、公表してください。  07及び08年度の実績を使用場所、殺虫剤等の種類(成分名、商品名)、散布時期と目的、  使用量(製剤量と希釈量)、使用金額の一覧でお願いします。 (3)「緑の東京10年プロジェクト」に伴う事業で、08年度の農薬使用量は、07年に比べ、 どの程度増減がありましたか。  農薬使用場所、農薬の種類(成分名、商品名)、散布時期と目的、使用量(製剤量と希釈  量)、使用金額の一覧でお願いします。 【2】マニュアルの作成について (1)都は03年に「化学物質の子どもガイドライン<殺虫剤樹木散布編>」を作成されてい ます。環境省は、08年5月30日、「公園・街路樹等病害虫・雑草管理暫定マニュアル」を 出しました。  これらを参考に一般都民向けの指針又はマニュアルを作成し、広く啓発してください。 (2)都は、05年2月に「東京都ねずみ防除指針」を策定されていますが、これはねずみ対策 だけです。08年1月25日に、厚生労働省健康局長通知「建築物における衛生的環境の維持 管理について」が出され、「建築物環境衛生維持管理要領」を改定、IPMの具体的方法 を示したマニュアルが発表されました。衛生害虫対策についても、IPMで実施するため の、都民向けの指針又はマニュアルを作成し、広く啓発してください。 (3)マニュアルの作成に当たっては、パブリックコメントの募集をお願いします。 【3】屋上緑化、壁面緑化、校庭芝生化のガイドラインについて (1)07年5月のお答えでは、校庭芝生化ガイドラインを検討中で、農薬不使用の項をいれた いとのお話でした。ガイドラインが出来ていれば、そのものをお示しください。  出来ていなければ、作成予定をお知らせください。 (2)屋上緑化や壁面緑化についてもガイドラインを作成し、農薬や殺虫剤等を使用しない ことを明示してください。 (3)ガイドラインの作成に当たっては、パブリックコメントの募集をお願いします。 【4】「農薬等を使用しない市街地緑化を推進する条例」(仮称)等について (1)人の生活圏での農薬や殺虫剤等の使用を減らすため、  ○農薬を使用しない緑化と殺虫剤等を使用しない衛生害虫の発生・繁殖防止の推進  ○グリーン購入法の役務「植栽管理」「害虫駆除」の遵守  ○病害虫に強く、農薬を使わなくてよい栽培植物の研究と開発及びその普及  ○農薬を使用しない植栽管理や殺虫剤等を使用しない衛生害虫管理の研究と開発  ○緑化事業に伴って発生が増加すると思われる衛生害虫等の殺虫剤等を使用しない   発生・繁殖防止対策の研究と開発  ○農薬を使用しない植栽管理と殺虫剤等を使用しない衛生害虫管理のマニュアルの作成  ○剪定枝や落ち葉を利用した堆肥づくりとその利用による循環社会の形成 などを条文にいれ、研究・開発のための予算確保や普及のための補助金制度、民間実施者 には税制優遇措置も取り入れた条例の制定を検討すべきと思いますが、いかがお考えでし ょうか。 (2)都営団地など公営団地、民間マンションや集合住宅における植栽管理では、住民の健 康保持のため、農薬等の使用をやめるよう管理組合等に義務づけてください。 (3)都営団地など公営団地、民間マンションや集合住宅、商業ビル等における害虫駆除に ついては、発生源対策、生息調査、IPM等の実施を、管理組合等に義務づけてください。 (4)都自然保護条例では、野生生物の保護、住民の健康保持のため、開発やその後の植栽 管理に際しては、農水省・環境省二局長連名通知「住宅地等における農薬使用について」 やグリーン購入法の環境物品等調達に関する判断基準を遵守するよう明記してください。 *************** 回答  Date: Thu, 30 Apr 2009 18:13:12 +0900 MIME-Version: 1.0 X-Mailer: HidemaruMail 5.02 (WinNT,501) Message-Id: <38C9C973E2C8C4mtsuji@jcom.home.ne.jp> X-MSK: BYS=0.000004,HRC=0.865467 Content-Type: text/plain; charset=iso-2022-jp Content-Transfer-Encoding: 7bit -------- -----------------------転送元のメール----------------------- From: S0000724@section.metro.tokyo.jp To: mtsuji@jcom.home.ne.jp Subject: 【東京都環境局】都民の声にお寄せいただいたご質問について(回 答) 反農薬グループ 代表 辻 万千子 様 4月10日に都民の声にお寄せいただいたご質問について、 環境局自然環境部緑環境課に係る内容について回答いたします。 ご質問【3】屋上緑化、壁面緑化、校庭芝生化のガイドラインについて  校庭芝生化のガイドラインについては、検討の結果、現在のところ 作成しておりません。また、作成予定についても未定です。  なお、屋上緑化・壁面緑化についても、現在のところ農薬使用に 関するガイドラインを作成する予定はありません。 東京都環境局自然環境部 緑環境課長 加藤 仁 <本件に関するお問い合わせ先> ・校庭芝生化について 東京都環境局自然環境部緑環境課校庭芝生化係 電話03-5388-3567 ・屋上緑化・壁面緑化について 東京都環境局自然環境部緑環境課指導係 電話03-5388-3554 *****  回答 6/04 ***** From: S0000318@section.metro.tokyo.jp Date: Thu, 4 Jun 2009 10:22:54 +0900 X-MIMETrack: Serialize by Router on Tmt002/Tokyo(Release 7.0.3FP1HF306 | September 23, 2008) at 2009/06/04 10:23:01, Serialize complete at 2009/06/04 10:23:01 X-Brightmail-Tracker: AAAAAA== X-MSKTag: [SPAM] X-MSK: BYS=0.000000,HRC=0.980438 Content-Type: text/plain; charset="ISO-2022-JP" -------- 反農薬東京グループ  辻 万千子 様 日ごろより、都政への御理解、御協力をいただき、ありがとうございます。 お問い合わせの件のうち、福祉保健局が所管する事項について、回答いたします。 【1】(2)について    公共施設など多くの人が利用する一定規模以上の特定建築物につきましては、 「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」により、環境衛生を確保するた めの 維持管理基準が定められております。  平成14年の省令改正により、ねずみ・衛生害虫の防除による人や環境への影響 を 最小限にするため、生息調査を実施してから薬剤による駆除などの必要な措置を講 ずる、 いわゆるIPM(総合的有害生物管理)の考え方に基づく防除手法が導入されまし たが、 都においては、省令改正が行われる以前から、IPMの考え方に基づいた指導基準 を定めております。  都はこの指導基準に基づき、定期的な立入調査等の際に、都が管理する公共施設 を含む 特定建築物における適切な害虫防除の実施を指導する中で、生息調査や殺虫剤等の 使用に関する記録を確認しております。  また、特定建築物の所有者に対して、「ビル衛生管理講習会」を開催し、IPM の考え方に基づいた ねずみ・衛生害虫の防除について、具体的な方法を周知しております。  さらに、都庁各局の施設管理担当者に対し、講習会の資料や厚生労働省が定めた 要領等を 送付しており、各局が管理する公共施設では、これらを踏まえて、施設の状況に応 じた防除を実施し、 殺虫剤等の使用状況について管理しております。 なお、都営住宅、団地等につきましては、当該施設の管理者が管理しております。 【2】(2)、(3)について  IPMの考え方に基づくねずみ、衛生害虫対策につきましては、東京都ねずみ防 除指針のほかに、 都民から相談の多いアタマジラミや蚊などの防除についても、パンフレットの作成 、ホームページへの 掲載などにより、都民への情報提供を行っております。  また、居住環境対策といたしまして、「健康・快適居住環境の指針」や「化学物 質の子どもガイドライン (室内空気編)」を策定し、害虫が生息しにくい環境整備や適切な殺虫剤の使用な ど、IPMの考え方に基づく 衛生害虫対策について普及啓発を行っております。  今後とも、都政へのご理解、ご協力をよろしくお願いいたします。 福祉保健局健康安全部環境保健課 福祉保健局健康安全部環境衛生課 東京都健康安全研究センター広域監視部建築物監視指導課