hishoka@city.uji.kyoto.jp Subject: トビケラ対策について Content-Type: text/plain; charset=iso-2022-jp --------                          2009年5月29日 宇治市市長 久保田 勇 様  私たちは、農薬をはじめとする化学物質による環境汚染・健康被害を出来るだけ減ら  そうと運動している市民団体「反農薬東京グループ」です(下記ホームページ参照)。  ところで、貴市では、宇治川近辺で発生するトビケラ対策として、電撃殺虫器の 設置や薬剤散布を実施されているとのことで、5月27日には、第一回目の散布が なされたとの報道がありました。  そこで、以下のお尋ねをしますので、6月10日まで、下記に回答くださるようお願い します。     =================================================       ★★★反農薬東京グループ★★★ 代表:  辻 万千子       〒202-0021東京都西東京市東伏見 2−2−28−B        電話/ファックス:042-463-3027        E-mail:mtsuji@jcom.home.ne.jp URL http://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/      ================================================== ***** お尋ねします ***** 1、トビケラの種類はどのようなもので、年間の月別発生状況や被害状況を教えてくださ い。04年〜09年5月の状況をお願いします。 2、殺虫剤を散布されていますが、薬剤の成分、製剤名及びその使用方法(散布方法、希 釈率、単位面積あたりの散布液量)を教えてください。 3、当該薬剤はトビケラへの適用がありますか。 4、散布地域を地図でお示しください。 5、トビケラ対策の薬剤散布は、何年から実施されていますか。また、  04年〜09年のトビケラ対策の薬剤散布実施状況(09年の場合計画)を教えてください。  散布年月日/散布場所/使用薬剤名/希釈倍率/使用量(製剤と散布液)/散布経費  の一覧でお願いします。 6、散布実施者は、誰ですか。業者に委託する場合は、一般競争入札を実施されています か。入札に際しての、トビケラ対策事業仕様書があればお示しください。 7、トビケラを駆除する目的、及び駆除を行う法的根拠はなにですか。 8、トビケラの生息調査を実施した後、散布を実施しておられますか。   実施されているとすれば、どの程度生息が確認された時に薬剤散布をなさいますか。 9、薬剤散布の効果はどのようなものですか。また、薬剤散布が毎年なされているとす れば、毎年発生する理由をどうお考えですか。 10、当該薬剤が樹木・花卉、他の昆虫や野鳥、水生生物へどのような影響を及ぼすかを 調査されたことはありますか。あれば、調査結果をお示しください。 11、散布中や散布後の周辺大気中の当該薬剤の濃度の測定結果があれば、お示しくださ い。 12、当該薬剤の、周辺農作物や人の生活圏への飛散防止のため、どのような対策をおと りですか。 13、農薬散布の場合は、農水省・環境省二局長連名通知「住宅地等における農薬使用に ついて」があり、出来るだけ農薬の使用を減らし、IPMをとること、万一、農薬を使用 する場合は、周辺住民や通学・通行者が薬剤被曝しないためのさまざま遵守事項があげら れています。  貴市では、 (1)トビケラ駆除目的の薬剤散布の場合、上記住宅地通知に準じた措置をおとりですか。 (2)散布以外に、トビケラの生態に合わせて、どのような対策をおとりですか。 (3)散布する場合の事前周知はどのようにされていますか。 (4)散布中及び散布後の立ち入り禁止措置はどのようになさっていますか。 *** 回答 6/29 To: From: " 環境企画課" Subject: トビケラ駆除薬剤散布について(回答)  宇治市では現在、トビケラや毛虫に対する対策として、電撃殺虫機の設置及び薬剤散布を行っております。  トビケラは宇治川周辺で5月から8月にかけて発生が多く見られ、宇治川周辺にお住まいの市民の家では、 洗濯物に大量に付着したり、台所等にまで侵入してきて大変不快であり、何とかしてほしいという声が毎年 多く寄せられています。観光客の皆様からも、体にまとわりつき気持ち悪いという声も寄せられています。 また、水路内に営巣し「発電害虫」と呼ばれ、発電所の能力を低下させることも危惧されています。  上記のような状況の中で、快適な市民生活の確保、観光の街・宇治としてもマイナスイメージにつながり かねないことから、宇治市では以下の二つの対策を行っております。 @ 電撃殺虫機の設置(昭和48年〜) 5月から8月ごろにかけて、宇治川周辺の7箇所に設置しております。 A 樹木への薬剤散布(昭和57年〜) 毛虫・トビケラの駆除を目的に年二回実施しております。  なお散布薬剤は、    SV乳剤 100倍液      ディプレックス 2000倍液    展着剤 4000倍液   の混合液体を使用しております。  周知活動につきましては、散布の1週間〜10日前に町内会を通して予告ビラを回覧していただいくとともに、 予告看板を計5ヵ所に設置しております。また散布当日にも公用車のスピーカーにより周知活動を行っております。  今後とも宇治市の環境行政に、ご理解とご協力をよろしくお願い致します。 ★別添地図あり 注 SV乳剤は フェニトロチオン…5%(w/w)、ジクロルボス…2%(w/w)で、農薬   ではない。 **** 再質問 9月2日 Subject: トビケラ殺虫剤散布についての再質問                                 2009年9月2日 宇治市環境企画課 御中  本年5月トビケラの殺虫剤散布の件で、お尋ねした反農薬東京グループです。  その節は、お返事ありがとうございました。  このほど、私たちの機関誌「てんとう虫情報」で添付の記事のようにとりあげましたの で、ご一読ください。  ところで、殺虫剤散布で特に問題と思ったのは、 1、有機リン剤の混用散布をしている  −トビケラ対策用殺虫剤SV剤(MEP、DDVP混合剤)と樹木用のDEPはともに有機リン剤−  農薬同士の現地混用については、農水省・環境省二局長連名通知「住宅地等における農 薬使用について」の第二項の(2)に『特に有機リン系農薬同士の混用は、混用による相 加的な作用を示唆する知見もあることから、これを厳に控えること。』とあります。  殺虫剤+農薬の混用もこれに準じて考えるべきです。 2、トビケラの生息調査がなされずに、毎年散布されている。 3、周辺住民への通知に、散布農薬名や健康被害症状、健康被害が生じた場合の相談機関 等がかかれていない。 4、観光客用に、鉄道等の交通機関にも、散布が周知されているか疑問である。 5、地域住民や観光客の散布個所への立入り規制についてその方法や期間が明確でない。 6、殺虫剤散布による環境調査や、人や水生生物への影響調査なされていない。 7、この記事に関する当グループへの反響の中で、『自然の河川や湖沼で、岸に飛んでき た成虫に農薬を散布しても実際的に虫を減らす効果はなく、環境汚染を拡げるだけであり、 どう対処すべきかを、水生昆虫の専門家に意見を聞いたらと思います。』との意見があり ました。  また、1959年頃の大津保健所の報告に、瀬田川の水辺の昆虫で、ブラックライト蛍光灯  が有効だとの研究があるそうです。  さらに、長野県では、トビケラ(ザザムシ)の幼虫が佃煮にされています。   天竜川総合学習館かわらんべのHPにあるザザムシの佃煮をごらんください。  http://www.cbr.mlit.go.jp/tenjyo/kawaranbe/h20-2/ky081218.html  上に指摘した点について、いかがお考えか、9月10日までに、下記にお返事ください。