************************************** 山形県、三川町への要望(2008年8月25日) ************************************** 三川町での2件の無人ヘリコプター事故について  本年7月15日、農水省からの「無人ヘリコプター利用技術指導指針」改正が通知された 後、7月23日に滋賀県高島市で、7月30日山形県三川町で、無人ヘリコプター墜落事故がつ づきました。このことを踏まえて、8月7日に通知「無人ヘリコプターによる空中散布等の 実施時における安全対策の徹底について」を出されましたが、8月23日、またしても、山 形県三川町で無人ヘリが行方不明になるという事故が発生したとの報道がなされています。  今回の事故の実施団体は、成田新田生産組合とのことですが、委託したのは7月30日の 事故と同じJA庄内たがわ三川支所とのことです。  報道を読めば、操縦不能になった無人ヘリコプターが風に流されて、海中に没したと 思われますが、近くには飛行場もあり、由々しき問題です。  私たちは、7月の事故について、三川町とJA庄内たがわに8月1日付けで、問合わせ を行い、それぞれから、返事を得ましたが、回答内容が十分でないため、12日に、再度 質問をしていました。その回答が来ないうちに、新たな事故が発生したわけで、JA庄内 たがわの『再発防止に向け最善の注意を払い対応します』という回答(8月8日付)や三川町 の『再発防止に向け、「無人ヘリコプター利用技術指導指針」をはじめとする国の通知、 県の指導等について改めてその遵守を徹底し、二度と今回の様な事故が発生しないよう最 善の注意を払い対応すべきことを庄内たがわ農協に申出し、指示したところでありま す。』という回答(8月12日付)は絵空事に思えます。  そこで、今回の無人ヘリコプター事故について、とりあえず、以下の要望・質問をしま すので、9月3日までに回答をくださるようお願いします。 1、JA庄内たがわへは、原因が明確になり、再発防止対策が厳しく実施されるまで、今 後の無人ヘリコプター散布を中止を命じてください。  その際、以下の措置をとってください。  ・同農協管内で使用する無人ヘリコプターの機体の総点検を行なう。  ・実施主体、オペレーター、補助員など無人ヘリコプター散布関係者全員に、   通知「住宅地等における農薬使用について」、技術指導指針、操縦技術、   機体整備等に関する再教育を実施する。  ・今後の散布計画、実施上の注意を見直す。 2、7月30日及び8月23日の事故原因の厳密な調査を実施して、調査結果を公表してくだ さい。 3、7月30日の墜落事故以後、農水省からどのような指示を受けられましたか。  受けておられましたら、時期と内容を教えてください。 4、7月30日の墜落事故以後、当該農協に対して、どのような指導をなさいましたか。  その内容を具体的に教えてください。 5.通知「住宅地等における農薬使用について」や「技術指導指針」等を守らない実施主 体やオペレーターには、ペナルティーを課すべきと思いますが、いかがお考えですか。 6、貴県では、エコ農業推進課や有機農業技術開発研究室を設置し、減農薬や有機農業の 推進に力をいれておられます。一方で、水田での有人及び無人ヘリコプターによる農薬散 布も実施されています。高濃度の散布液を使う農薬空中散布は削減すべきと思いますが、 貴県はどのようにお考えですか。 7、水稲における農薬散布で、一番多いのはカメムシ防除のためのものです。今回の無人 ヘリコプターによる散布もカメムシ防除のためと聞いております。農産物検査によってカ メムシによる斑点米が1000粒に2粒以上になると2等米に格下げされ、米の価格が下げられ るため、大量のカメムシ防除の農薬散布が実施されています。秋田県や岩手県では、議会 が農産物検査制度の見直しを求める意見書をだし、斑点米の多少による等級づけをやめる よう求めています。これは、カメムシ対策の農薬散布の削減につながりますが、貴県は、 いかがお考えですか。