***** 建築物環境衛生維持管理要領の改正案に係わる意見 *****                       2007年8月提出 「第六 ねずみ等の防除」に関して意見を述べます。 意見1  雑居ビルや地下街などは特定建築物なのかはっきりしていない。雑居ビルに入居してい る事務所や、飲食店などでは独自にねずみ等の防除を行っており、健康被害などの事故を 起こしている。地下街でも多数の店舗があり、それぞれ勝手に殺虫剤散布などをしている。 この場合も、通行人などが健康被害を受けている。  こうした区域は、建築物衛生法の適用をうけ、ねずみ等の防除はIPMで行うべきであ る。   意見2 ねずみ・害虫等の防除業者には登録を義務付け、作業者にも、講習を義務づけた免許制 度を導入すべきである。 【理由】マニュアルを作成しただけでは、実効性がない。 意見3 「1 総合的有害生物管理に基づく防除」の項の文章が日本語としてなっていない。  『ねずみ等の防除を行うに当たっては、特定建築物におけるねずみ・害虫等の対策のた めの総合的有害生物管理とは、建築物において考えられる有効・適切な技術を組み合わせ て利用しながら、人の健康に対するリスクと環境への負荷を最小限にとどめるような方法 で、有害生物を制御し、その水準を維持する有害生物の管理対策である総合的有害生物管 理の考え方を取り入れた防除体系に基づき実施すること。』を主語と述語をきちんとさせ、 重複を避けて、読んでわかりやすく書くべきである。  例:『ねずみ等の防除を行うに当たっては、建築物において考えられる有効・適切な技 術を組み合わせて利用しながら、人の健康に対するリスクと環境への負荷を最小限にとど めるような方法で、有害生物を制御し、その水準を維持する総合的有害生物管理の考え方 を取り入れた防除体系に基づき実施すること。』 意見4  「2 (3)防除法について」のイの「発生源対策」を最初にもってくる。  【理由】   発生源対策が基本であるから、最初にもってくるべきである。 意見5  「2 (3)ウの有効かつ適切な防除法を組み合わせて実施すること」を発生源対策の 次に示すこと。また、トラップと薬剤を同列に並べず、薬剤は削除する。  【理由】  順番として、こちらの方がわかりやすい。総合的有害生物管理の観点からみても、薬剤 は最後の手段としておくべきで、トラップと同列に並べるのは問題である。 意見6  「2 総合的有害生物管理の実施にあたっての留意点」の中の「(3)防除法について のア」の「人や環境に対する影響を可能な限り少なくするように配慮すること」の次に、 まず、物理的防除や毒餌の使用等を優先すべきことを明記すること。  【理由】  総合的有害生物管理の考え方に基づく防除方法を述べている項目であるから、その基本 となる「人の健康に対するリスクと環境への負荷を最小限にとどめる」内容をまず示すべ きで、最初に薬剤散布の注意があるのは問題。まず、物理的方法で実施することを明記す べきである。 意見7  薬剤による防除は、食毒剤の利用等散布以外の方法を優先検討し、薬剤散布はやむを得 ない場合のみに実施することを明記すべきである。  【理由】  ネズミ・こん虫駆除は、建築物衛生法改定までは6ヶ月ごとに1回薬剤散布をすること が標準になっていた。法改定後も習慣的にネズミ・こん虫防除に薬剤散布がなされている ところが多い。維持管理要領で、薬剤散布は最後の手段であることを明記して、安易な薬 剤散布をなくす必要がある。 意見8  現行の「第五 ねずみ、こん虫の防除」の防除を行うに当たっての留意点が利用者への 周知を除き、改定案ですべて削除されていることは問題である。削除されている項目のう ち、薬剤散布の際の什器等の汚染防止、薬剤散布後の入室禁止の措置、食毒剤の誤食防止 などの記載は削除すべきではない。  【理由】  危害防止の上で重要な事項である。 意見9  「3 防除について」の項目を増やし、「薬剤散布にあたっての留意点」を新設し、意 見6の内容に加えて、防除作業終了後の強制換気や、残留薬剤の除去、施設利用者への注 意喚起を明記する。  【理由】  要領にいれるべき項目である。 意見10  利用者への周知内容を具体的に明記する。日時、作業方法の他に、実施場所、使用薬剤 名、健康影響の例と注意事項を書き加える。  【理由】  人の健康に対するリスクを減らすために、最低必要な事項である。 以上