松枯れ・空中散布にもどる
n00501#ドローンによる農薬空中散布拡大の問題点〜利活用拡大に向けた検討会設置#18-08
【関連記事】記事n00303
  反農薬東京グループ:無人航空機による農薬空中散布に関する緊急要望と農水省の回答(3/01)
【参考サイト】農水省:無人航空機(無人ヘリコプター等)に関する情報の頁
           農業分野における小型無人航空機の利活用拡大に向けた検討会の頁
           8/07第1回 検討会の開催及び一般傍聴について配布資料
           9/25第2回 検討会の開催及び一般傍聴について配布資料
        農林水産航空協会;Top Page
        国土交通省:無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール資料の一部を省略することが出来る無人航空機

 内閣府が国家戦略特区事業の「規制改革推進に関する第3次答申」(規制改革推進会議 2018年6月)で、農林分野の規制改革の推進の項目に、「小型無人航空機の農業分野における利活用の拡大について」として、自動操縦散布を想定した目視外飛行による農薬散布を画策していることを報告しました((記事t31606記事n00303)。
 これに基づき、農水省は、「農業分野における小型無人航空機の利活用拡大に向けた検討会」を立ち上げ、その第一回の会合を8月7日に開催しました。
 すでに、物品の輸送などでは、小型無人航空機(以下、マルチローター又はドローンという)の自動操縦による目視外運航の実用化への動きがすすんでいますが、農薬空中散布でも @補助者配置義務をなくし、A目視外飛行を行い、B燃料や電池、積載量を増やし、長時間飛行をするため機体に要求される機能・性能基準をドローンにも適用することを念頭に、規制緩和した場合のリスクと効果を比較検討しようというのです。
 しかし、農薬散布は、無人航空機による写真撮影や単なる物品輸送と異なり、飛行経路を超えて飛散する有害物質が投下=散布されるわけですから、飛行基準がより厳しく指導されるのは当然のことです。そのため、現在、農水省は「空中散布等における無人航空機利用技術指導指針」(以下、指導指針という)で、無人ヘリコプターもドローンも区別なく、オペレーター以外に補助員をつけることなどを求めてきました。ところがドローンを普及させたい業者らにとっては、前記@ABの規制は開発・普及の障害になります。そこで、農業のAIとか、スマート農業と称して、自動操縦による農薬散布の規制緩和をめざしているのです。まず、ドローン散布の現状を見てみましょう。

★無人航空機による農薬空中散布の現状〜ドローン散布は防除面積の0.8%
【関連サイト】農林水産航空協会マルチローターの頁にある機種別性能一覧無人ヘリの頁機種別性能一覧
                    無人航空機共通の頁にある農薬情報

 国土交通省は、2015年12月に航空法を改定し、無人航空機(無人ヘリコプター、ドローン)の飛行に際して、国交大臣の許可・承認を得るよう義務づけました。農薬散布は、航空法にある、目視飛行、危険物を輸送しない、物を投下しない、ヒト又は物品との距離30mを保つという、飛行要件に抵触するため、申請して、許可・承認を得ることが必要になりました。
 月別申請数は 2015年12月:951件を皮切りに、2016年は812〜1153件/月、2017年は1139〜1792件/月、2018年に入って、1月1343件から急激に増え、3月は2136件、5月3174件、6月3115件となっており、いままでの合計は約46万件以上となりました。そのうち、農薬空中散布に関連する航空法要件ごとの件数は、危険物輸送が695件、物件投下が941件、30m以内が15557件などでした。また、2017年度の目的別の許可承認数のうち、農林水産関係が6%となっています。

 農水省がまとめた無人航空機による農薬散布状況を表1に示します。無人ヘリコプターの機体数は、2016年は3045機で、その後、統計はでていません。2016年になかったドローンは、その後増加して。2018年7月には1000機を超えています。なお、性能確認されたドローンの機種は、 現在11メーカー16機種です。
 一方、農林水産航空協会が認定した無人ヘリのオペレーター数は、2016年:11448人で以後の統計は未公表。ドローン認定者数は2018年7月:4113人で、増加の勢いが増しています。
 散布面積は、無人ヘリコプターだけで、ここ数年、年間約100万ha台で頭打ちの状況がつづいており、そのうちドローンによるものは、0.8%程度で、まだ、少数派です。これは、次節で示すように、ドローンは小型であるため、一回の飛行面積が少なく、小規模の圃場で利用されるためです。
 表1 無人航空機の農薬散布状況
    * 2016年度 無人航空機による散布等の実施状況(都道府県別)
 無人航空機の種類   無人ヘリ*  ドローン
 機体数        3,045機    227機(2017年3月) 1,108機(18年7月)
 認定オペレーター数  11,418人    878人(2017年3月) 4,113人(18年7月)
 散布面積       1,046,706ha   684 (8300)  ( )は2017年速報
   作物別
  水稲         910,927    586 (7000)
  麦類         65,932     0 ( 700)
  大豆類        59,118    97 ( 500)
  その他        10,729     1 ( 100)
   地域別
  北海道・東北地区  535,646     2 (1900)
    関東地区         113,037       97 ( 400)
  東海地区        36,347     0 ( 400)
  北陸地区       159,134    138 (1900)
  近畿地区       35,233    28 (  50)
  中国・四国地区     50,257    342 (2300)
  九州地区       116,934    77 (1400)
    沖縄           120

★もともとドローンは小規模散布向け
 無人ヘリコプター空中散布は高濃度(地上散布濃度の10から100倍以上)で高い位置(散布対象より3〜4m上空)から、短時間で、広い範囲に、一斉散布するものですが、ドローンの仕様や運航基準と比較すると、表2のようになります。
 表2 無人航空機の種類別仕様及び運航基準

  種類        ドローン     無人ヘリ
  機体重量      25kg程度     100kg程度
    農薬積載量         3-7kg            24kg
  ローター数     複数個      1個
  全長(含ローター)  1.2-1.7m     3.6-4m
  燃料          リチウム系電池  ガソリン系5L
           (可燃性電解質含有)
  飛行速度      15km/時=4.2m/秒 10〜20km/時=2.8〜5.6m/秒
  飛行航続時間      10数分            60分以上
   散布幅          3〜4m        5m 又は 7.5m
  散布高度      2m        3〜4m
    散布液濃度     地上散布と同じ 又は 地上散布の10〜100倍以上
    風速規制      地上から1.5m高さで風速3m/秒以下
   価格        80-100万円     1000-1500万円
                    自動操縦400-500万円
 上記の仕様や運航基準を見てわかるとおり、ドローンは、無人ヘリより全体の重量も農薬積載量も小さく、飛行時間も短い上、散布高度が低くく、散布幅も狭いため、広域の一斉散布ではなく、小回りが効き、小規模圃場向きというのが特徴です。そのため、当初は、価格も100万円以下に設定し、個人保有も可能としたのですが、無人ヘリ並に、積載量を増やし、長い時間の飛行を可能にした自動操縦機体の価格が500万円もするようでは、一般農家への普及は出来ない相談です。
 そこで、近頃では、ドローンによる圃場撮影との併用で、生育がおくれたり、病害虫の影響をうけている個所をあらかじめみつけ、スポット散布すれば、農薬使用量も50から90%も減らすことができるといううたい文句で、ドローン専門業者の宣伝がはじまりました。スポットというものの、病気の個所から菌が周囲に飛散したり、虫が移動した場合を考えれば、どのくらいの範囲かはっきりしません。
 そもそも、空中散布時の散布液の農薬濃度は、農薬容器に記載のある地上散布用希釈濃度でも、無人航空機に適用される高濃度(通常、地上散布の10〜100倍以上)でもいいわけで、地上散布なみの希釈倍率でドローン散布すれば、農薬使用量を減らし、ドリフト成分量を減らし、残留農薬量を減らせることは請け合いです。

★無人航空機空散だけでなく、農薬危害に対する罰則はなきに等しい
 無人航空機による農薬散布飛行は、通常の飛行要件に加え、農薬取締法で、適用作物の農薬登録があれば、使用方法に無人航空機の記載がなくとも、地上散布の使用方法(希釈倍率、使用量、使用時期、使用回数など)が同じなら、無人ヘリコプターでもドローンでも散布できます。いずれの場合も、
農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令 (以下、遵守省令という)、住宅地等における農薬使用について(以下、住宅地通知という)、空中散布における無人航空機利用技術指導指針(以下、指導指針という)を守ることが求められています。しかし、本来、遵守義務であるべき内容の殆どが、努力規定となっており、違反をしても罰則を適用される例はごくわずかです。  農薬使用履歴を記帳しなくても、散布地周辺に周知をしなくても、事故を報告しなくても罰則がないため、使用者に遵守を強要できないというのが現状で、これを改善することが先決問題です。
【無人航空機事故について】
 無人航空機の農薬散布に全国で約3000の機体が飛行しており、年間事故数は2016年62件、2017年65件ですか、この統計は農水省のものです。国土交通省が公表している件数は2016年3件、2017年3件にすぎません。農水省に比べ、あまりに少ないのは、農薬の空中散布について、国土交通省は、農水省にすべておまかせという姿勢だからです。同省は、農薬散布に関する許可・承認の手続きを、すべて、農水省のいうがままに緩和し、さらに、農水省は、機体やオペレーターの認定を所管する業界団体農林水産航空協会に、まる投げしており、法律による規制はなきに等しい状況にあることは、次節で、ドローン業界が指摘しているとおりです(記事t31606記事t31802記事n00302参照)。

★無人ヘリ業界に食い込みたい〜ドローン業界の本音
【参考サイト】DJI JAPAN検討会の説明資料
       ナイルワークス検討会の説明資料1説明資料2
       ヤマハ発動機産業用無人ヘリコプター検討会の説明資料
       オプティム検討会の説明資料

 第一回検討会では、ドローンメーカー3社−DJI JAPAN、ナイルワークス社、オプティム社と無人ヘリコプターが主力のヤマハ発動機が報告を行いました。
 いずれのメーカーも自動操縦による農薬散布をめざせていますが、その内容には違いがあります。新規参入のナイルワークス社は、 作業者1人で、低空(水稲では稲体+30cm)、大規模圃場散布を、オプティム社は、長時間飛行で市町村単位の病害虫発生情報を得た後のピンポイント(スポット)散布を提案しています(利活用事例)。
 以下に、ナイルワークス社の主張を紹介します。同社は、下記のような点を指摘します、
 ・農業者の利益を損ない、革新的事業者の登場を阻んでいるのは、農林水産省消費安全局長通達 
  「空中散布における無人航空機技術指導指針」という文書がもたらしている法的根拠の無い隠れた規制である。

 ・「技術指導指針」の認定行為を、共同防除と教習認定ビジネスを収益源としている既得権益団体に委託している。
  −中略− 農林水産省は、対立関係にあるの側を「認定」する強い立場におき、一方の側を「認定」を
  受ける弱い立場におくことで、既得権益者を守り続けている。

 ・「指針」では、防除を実施する農家に対して、事前計画書と事後報告書の提出を義務づけている。
  しかも、その取りまとめを共同防除と教習と認定証発行ビジネスを収益源としている既得権益団体に委託している。

 ・「指針」で30年間守り続けているのは、強い農業の対局にある、既得権益団体の収益源を確保するための古い防除技術である。
  @広域一斉防除では、適期防除が不可能である。大量の農薬を防除効果が得られない時期に散布しているのが実態である。
  A環境省の調査では、無人ヘリによる農薬散布のドリフト率は、慣行のブームスプレーヤのドリフト率の
      1000倍である。食の安全と環境への配慮が求められる世界の潮流の中で国際基準(GAP)に逆行している。
  B 無人ヘリは過去3名の死亡事故を発生させている。死亡事故を発生させた後も、具体的な
   安全対策は行われず、事故件数は増え続けている。
 既得権益団体というのは、もちろん、農林水産航空協会で、既存の事業者たる無人ヘリコプター業者が牛耳っていることは、自明です。ちなみに、農水省の指導指針は、7月24日の最新版でも、ドローン業者がなくせといっている補助員の配置が、危被害防止のための必須の要件になっています。
 上記指摘は、わたしたちと一致するところが多いですが、そのいきつくところは正反対です。わたしたちは、指針の内容を国の管理下の法条文にして、罰則をつけるよう主張していますが、ドローンメーカーは、法的根拠のない指針をなくせといっているのです。
 さらに、『使用者への指導、注意喚起、訓練等は、本質安全と機能安全と安全方策多重化により、リスクが許容できるレベルになった上での、あくまで補助的な手段に留めること』、ともいっていますから、自動車のように、使用者に法律による免許を与えるようなことは、まっぴらだといわけです。

★農薬空散危被害防止に抜けていること
 ナイルワークス社は、検討会に「農業用自動運転ドローンに関する安全性確保ガイドライン 」を提出し、その中で、安全性確保の原則として、本質安全方策(危険源そのものを減らす方策)と機能安全方策(リスクが許容可能範囲に低減できない場合は、危険源の人への暴露の確率を減らす方策)の二段階案を挙げ、危被害をおこさないドローンについて、以下のような前提で、技術開発をするとしています。
 ・ 自動運転ドローンは、圃場内で使用することを前提とする。
 ・ 圃場は、家屋、病院、学校、他作物圃場、道路、鉄道、等が隣接していることを前提とする。
 ・ 離着陸地点に関しては圃場に隣接しているが圃場外にあることを前提とする。
 ・ 使用者は、体力、集中力、注意力、判断力、技能及び習熟度に大きな差があることを前提とする。
 ・ 使用環境は、日本国内で発生する可能性のある自然条件(突風、高温、濃霧、降雨、等)のもとで
  使用されることを前提とする。 
 とはいうものの、同社は 危険事象を『人や物が危険源にさらされ危害に至る出来事をいう』、 危害を『危険事象を回避できず、身体的傷害、健康障害、又は物損が発生した状態をいう』とし、ヒトの被害では外傷の事例を、物については、物理的破壊をあげるのみで、ヒトの健康被害を広くとらえておらず、環境・生態系への影響回避に触れることなく、有機農産物や対象外作物にかかることにも、眼をつぶっています。

 農薬そのものが,、生き物に有害であるからこそ、使用を減らすべきであるとしているわたしたちは、本質安全方策がもっと重要視されるべきだと思います。
 ナイルワークス社は、圃場内外での農薬の大量投下や過剰投下防止、農薬の域外へのドリフト防止のため、ドローンに賦与すべき機能として、圃場外吐出遮断機能、高度上昇時吐出遮断機能、強風時吐出遮断機能、農薬散布時ドリフト抑制機能 などをあげていますが、風速や高度に応じた吐出制御やヒトや物から30m以内での吐出遮断をどうするかは不明です。
 無人ヘリコプター散布で実績のあるヤマハ発動機は、『農薬散布では、周辺の人(通学路など)や車両への直接的な影響のみならず、ドリフトによる薬剤被害等が発生する可能性があるので、気象条件(特に風の強さと向き)や農地周辺環境、さらにはポジティブリストへの対応に配慮した飛行経路の設定や運用管理を行うこと』が安全担保に必要としているものの、現在でも 空中散布地域と非散布地域の境界への標識や注意看板をつけるよう指導があっても、また、散布が終われば、少なくとも当日は、立ち入り注意なのに、なにもなされなされません。化学物質過敏症を理由に、散布をやめるよう求めても、該当者が住んでいる個所が散布除外されることは、殆どありません。

★農薬飛散被害防止に、緩衝地帯の設置を
 農薬ドリフトによるヒトや環境・生態系への被害の防止は、空中散布に限らず、農薬散布のすべてにかかわる課題です。地上散布の場合は、人が直接散布するので、散布高度や散布速度が制御しやすいですが、空中散布は地上散布より高所から高濃度、広範囲に、早い速度で、短時間で散布することになるため、気象条件にも左右され、対象外作物や生活環境・一般環境へのドリフトを防ぎ、圃場単位面積あたりの農薬活性成分量を地上散布と同程度に制御するのは、容易ではありません。そのための対策のひとつとして、わたしたちは、無人航空機の農薬散布に際して、航空法によるヒトや物への危害防止のため30m規制ではなく、飛行経路の外にある住宅地やヒトの活動地域、公共施設等の周辺には、散布を禁止する緩衝地帯の設置を強く求めます。

 AI農業やスマート農業を云々するなら、「指導指針」だけでなく、「遵守省令」や「住宅地通知」にある、農薬使用履歴の記載、周辺の周知の努力規定を義務化することも実現してもらいたいと思います。農薬容器にQRコートをつけ、携帯でよみとると、使用上の注意・使用方法のチェックや使用履歴の自動記載ができたり、その内容を出荷作物に表示して、消費者にどんな農薬が使用されたかを知らせることも、さらには、いつ、どんな農薬をどこに散布するかの地図表示など、簡単にできると思います。
 業界には、圃場に農薬をかければいいとしか考えず、消費者や住民の被曝・摂取のことを軽視する姿勢を改めてもらわなくてはなりません。

★ドローン業界に物申す
 検討会は、今後、9月、10月に開催され、結論がだされることになっていますが、ドローン散布は、障害物と機体との接触防止はもちろん、危険物輸送と投下の観点に加え、農薬のドリフト被害(ヒトの被曝や環境・生態系への影響、非対象作物への飛散など)を防止するには、最低、ヒトや物の30m内で飛行してはならないという航空法の原則が遵守されねばなりません。

 わたしたちは、すでに、記事n00102記事n00303で、農薬散布は目視外飛行・補助員無しにしてはならないと主張するとともに、農水省や国土交通省の無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領の内容を条文化して、いままでの指導ではなく、罰則を含む法規制の強化を求めています。
 ところか、国土交通省はすべて、農水省まかせ、農水省は業界団体のいうままで、国民の意見を聞こうとしないわけで、農薬散布をしやすくする方向で、ドローンを農業AIの目玉のひとつと位置づけ、規制緩和をめざしているのです。
 業界のいうようにピンポイント散布はできるのでしょうか。病害菌は風や水で移動します。虫は飛んだり、這ったりして移動します。ピンポイントで、成長の遅い個所や枯れそうになっている個所をみつけて、そこの作物だけに農薬を散布しても、被害はひろがっていくでしょう。被害をふせぐため、成長遅れの個所をみつけては、毎日のようにドローンを飛ばし、散布するのでしょうか。農薬は減らせても、ドローン運航にお金がかかることにもなります。
 メーカーの描く最終目標の完全自動化の図式は、以下のようになっています。
 『 運転タスク(離着陸、ホバリング、加減速、吐出量調整、速度維持、高度維持、旋回、経路維持)飛行計画、緊急退避、緊急退避判断の全てをシステムが自動で実施する。 なお、監視は不要・補助者は不要・オペレーター教習は不要・事故発生時の責任所在についてはメーカーとする。』
 監視不要のため、補助者だけでなく、オペレータの教習も認定もいらない、すべての責任はメーカーということになりますが、これは、いうなれば、公道での車の自動運転で、道路交通法もいらなくなるという未来につながるでしょうが、でも、目標を大きくする前にやってもらうことがあります。

 まず、メーカーには、農薬使用を減らすことを第一に考えてもらいたいものです。有人ヘリ空散がすたれた一因は、予防目的で無駄な農薬を散布していたからです。地上散布よりも10-100倍も濃度の高い農薬を散布する必要のない、ヒトや環境に優しい農業が実現されれば、有害な農薬の使用量が減り、改定農薬取締法で、強化が謳われた使用者の被曝削減と散布地周辺の生活者、環境・生態系への影響も減り、生物多様性の保持にもつながります。このことを踏まえ、以下の要望をします。
【ドローン業界へ】
 ・事故の多い現状の改善をめざし、せめて、年間の事故数を一桁にすることを目標にすべきと思います。
  どのようにすればよいとお考えですか。

 ・散布により危被害を発生させたり、事故を起こした関係者へのペナルティー、罰則の適用等を検討ください。

 ・ドローンでは、散布高度が2m以下であり、地上散布と大きくかわりません。
  農水省は地上散布並みの濃度で、散布すればいいとしていますがから、高濃度の散布はやめてください。

 ・風速、散布高度、希釈倍率、散布装置などをファクターとして、距離別農薬飛散濃度のフィールド調査や
  散布地域外へのドリフトをシュミレーションした結果を公表してください。

 ・一回の散布面積が広いと域外へのドリフトの危険性がたかまるので、現行の風速規制(1.5m高で3m/秒)
   を強化し、面積規制を検討するとともに、風上からの散布を止めてください。

 ・ドローン散布で、農薬使用を減らし、残留農薬量をへらせると主張の根拠となるデータの蓄積が必要です。
   通常地上散布使用条件でドローン散布した場合、無人航空機散布条件でドローン散布した場合、
   ドローンでスポット散布した場合の農作物被害や残留農薬量について 比較データを示してください。

 ・現行の指導指針では、オペレーターとともに、補助員であるナビゲーターは、ドリフト危害防止の責任を
  負いますが、散布地と非散布地が隣接している場合、境界に補助員の姿をみかけることは少ないです。
  とくに、補助員なしでの自動操縦では、飛行経路の外に農薬がいかないよう、緩衝地帯の設置を
  義務づけてください。
  また、果樹や樹木の場合など、散布高度が2mを超えるところでは、緩衝幅をよりひろくしてください。

 ・下記のような場所が、散布地域近くにある場合は、農薬空中散布を除外してください。
   道路や住宅、学校、公共施設などヒトが活動する場所
   化学物質に対する感受性の高いヒトや影響を受けやすい幼少児がが居住する場所
   養蜂者の飼育場所、
   その他水産動植物や生活環境動植物等に影響をあたえる場所

 ・無人航空機事故防止や、農薬散布に関する「遵守省令」「住宅地通知」「指導導指針」の記載内容に
    違反しないよう、AIの活用お願いします。
  とくに、散布の事前周知を徹底し、散布個所を示す標識や看板など以外に、注意を喚する
  システムをつくってください。


作成:2018-08-29、