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反農薬東京n00701
改定農薬取締法にもどる
改定農薬取締法;反農薬東京グループ作成版、農水省のHPにある全文
n00701#改定農薬取締法関連の政令・省令についてのパブコメ募集の動き (その1)政令では、施行日と水質汚濁性農薬の変更を提案#18-10
【関連記事】記事n00301、記事n00702
記事n00301で報告したように、6月15日に改定農薬取締法が公布されました。その後、参議院の2議員から下記の質問主意書と政府答弁書がでていますが、具体的な内容は不明なままでした。
農水省の農業資材審議会農薬分科会や環境省中央環境審議会農薬小委員会での論議を行いつつ、10月に二つのパブコメ意見募集が実施されています。
この記事では、政令関係の、次ぎの記事00702では、省令関係の提案を紹介します。
★7月の参議院での質問主意書
【川田龍平議員】改正農薬取締法の運用に関する質問主意書(7月17日,本文、答弁書)
川田議員の主な主張と答弁の概要は以下のようでした。⇒は、政府答弁です。
①EUでは、予防原則に基づき、ネオニコチノイド系農薬の全廃(温室内を除く)することにしたが、
日本でも、有害性評価が終わるまで、暫定的に使用を制限できるよう、法の運用のしくみを検討すべき
⇒ 農林水産大臣は、農薬製造者から報告を求めること等により、農薬の安全性に関する科学的知見の収集、
整理及び分析を行った上で、必要と認められる場合には、迅速かつ適切にこれらの措置を講ずること
としている。
②ネオニコチノイド系農薬は、すでにEU以外の多くの国でも使用が規制されているにも関わらず、
日本ではいまだに使用が規制されていない。EU以外のネオコチノイド系農薬の使用を規制した
国々との比較から、日本でリスク評価をこれまで行つてこなかつ[理由を明らかにされたい
⇒ 他の国々について、必ずしも明らかではないため、我が国との比較は困難である。
蜜蜂への影響については、我が国では、農薬の登録において、当該影響に関する試験成績の
提出を求め、審査を行っている。また、国内における農薬が原因と疑われる蜜蜂の被害事例を調査し、
その結果を踏まえて、農薬使用者と養蜂家との間の情報共有及び農薬散布時の蜜蜂の巣箱の
退避等の被害軽減対策を講じている。
③国内におけるネオニコチノイド系農薬についてのリスク評価に資する調査や研究について、
その内容の概要を明らかにされたい
⇒ 調査や研究を網羅的に把握することは困難である。農林水産省の「蜜蜂被害事例調査」によると、
農薬が原因と疑われる蜜蜂の被害の多くは水稲を害するカメムシを防除する時期に発生していた。
④他のネオニコチノイドより使用量が多く、かつ有用生物への影響等が懸念されるジノテフランも
優先的に再評価を行うか
⇒ ジノテフランを優先的に再評価を行うこととしている。
⑤国際的な科学的知見では、農薬に発達神経毒性や、発達免疫毒性、内分泌かく乱作用があること
が指摘されているが、これらの試験成績を提出するよう製造業者に対して求めていくことについて、
現在の検討状況を明らかにされたい
⇒ 今後、関係府省が連携し、検討することとしている。なお、全ての農薬は法の規制の対象であるため
お尋ねの「試験成績からどのように規制対象の農薬を特定するかについて」は、その意味するところが
必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。
⑥通知「住宅地等における農薬使用について」を省令化すべき
⇒ 農薬の安全かつ適正な使用の確保を図るためには、省令及び通知の内容が農薬使用
者に理解されることが重要と考えており、都道府県による研修、農水省等が毎年実施している
農薬危害防止運動等の機会を通じて、周知徹底に努めているところである。
【小川勝也議員】改正農薬取締法の施行並びにその方法に関する質問主意書(7月19日、本文、答弁書)
小川議員の主な主張と答弁の概要は以下のようでした。⇒は、政府答弁です。
①改定法では、現行の製剤による再登録制度に代えて、同一の有効成分を含む農薬について一括して
十五年ごとに安全性等の再評価を行う制度を導入し、かつ登録の有効期間の定めをなくしている。
同法の運用において、農薬の安全性をどのように担保していくのか、具体策を説明されたい
⇒ 定期的に、最新の科学的知見に基づく再評価を行うことに加えて、農薬製造者から報告を求めること
等により、農薬の安全性に関する科学的知見の収集、整理及び分析を行い、農作物、人畜又は動植物等に
害を及ぼすおそれがあると認める場合には、迅速かつ適切に、登録の内容の変更又は取消しを行う。
②複数の農薬製剤の混用、複合製剤としての安全性並びに補助剤との複合影響及び有効成分との
複合影響を考慮することについて、省令に規定することも含め、 どのように運用していく考えか
説明されたい。
⇒ 登録の審査においては、有効成分のみでなく、その他の成分も含む農薬製剤としての安全性について
審査を行っている。
複数の農薬を混合して使用する場合の複合的な影響については、農薬の組合せが無数に存在するため、
人畜及び動植物に与える影響を網羅的に考慮することは困難である。
食品に残留して複数の農薬が同時に摂取される場合の人の健康への影響についても、
考慮している。
③改定法で、どのような生活環境動植物の影響を考慮する考えか。
⇒ 中央環境審議会及び農業資材審議会の意見を聴いて定めることとされている。
④EUでは、農薬指令に基づき、農薬の空中散布が禁止されているが、日本では有人・無人ヘリコプター
又はドローンを利用した農薬の空中散布が頻繁に行われている。農薬の空中散布は、農薬が広く大気中に
拡散し、農作物がある田畑だけではなく、周辺の土壌や表層水にも及び、近隣の生態系全体が汚染され、
広範囲に悪影響が及ぶことが懸念される。近年では、積載能力の小さいドローンでの散布のために
希釈濃度を用法よりも高めた農薬の散布が 行われる場合もある。我が国は農地面積が小さく、
農地が住宅地や学校、保育施設に隣接する場合もあることから、改正農薬取締法の目的に照らせば、
空中散布は原則禁止とするべきではないか。
⇒ 農水省が、「農林水産航空事業実施ガイドライン」や「空中散布における無人航空機利用技術指導指針」
を発出し、風向及び風速を考慮し、適切な飛行高度を維持して農薬を散布すること等について、
農薬使用者に対する指導を行うことにより、農薬の安全かつ適正な使用の確保を図っているところである。
⑤環境省が行っている、化学物質の人へのばく露量モニタリング調査で 全てのネオニコチノイド原体に加え、
適切な代謝物を分析対象として追加するべきであるが、今後の方針について説明されたい。
⇒ 調査については、毎年度、専門家の意見を聴取した上で、分析対象物質を選定することとしている。
上記のように、いずれも、農林水産委員会での政府等の回答の閾をでない、通り一片のものでした。
★農水省の農薬取締法改定の施行に伴う政令パブコメ意見募集
【参考サイト】関係政令の整備等に関する政令案に関する意見・情報の募集について(11月2日締切、概要)
反農薬東京グループ:パブコメ意見
パブコメ結果:概要(2名6件)と意見に対する回答。新旧対応表
農水省は、まず、新農薬取締法の施行令の改定を提案、その内容は以下のようで、11月2日まで、意見募集が行われます。
【政令案の改定】2003年法の施行令
農取法施行令の関しては、新改定法の条文変更の整備に加え、第一条(手数料)については、改定法での再評価制度に係る手数料が新設されました。
また、第二条(水質汚濁性農薬の指定)では、すでに登録失効したり、販売禁止指定されているテロドリン、エンドリン、ベンゾエピン、PCP,ロテノンの指定がはずされ、水質汚濁性農薬はシマジンのみになりました。
改定農取法では、2003年法の水産動植物だけでなく、生活環境動植物への影響防止もめざされており、記事n00702の囲み記事に示した第18回 農水省農業資材審議会農薬分科会(9/14)の水質汚濁性農薬の指定の見直し(水質汚濁性農薬の指定の変更及び使用の規制をすることができる地域の変更について)にあるように、指定要件を『その汚濁による生活環境動植物の被害が発生し、かつ、その被害が著しいものとなるおそれがある公共用水域とする』との検討がなされています。
水質汚濁性農薬指定の基準や使用できる地域範囲が具体的にどうなるかは、今後の検討結果次第で、改定法の施行日を2018年12月1日(生活環境動植物に関する改正に係る部分については、2020年4月1日)とする旨の提案となっていますが、もっと早く実施すべきです。
作成:2018-10-29、更新:2018-11-30