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@EUでは、予防原則に基づき、ネオニコチノイド系農薬の全廃(温室内を除く)することにしたが、 日本でも、有害性評価が終わるまで、暫定的に使用を制限できるよう、法の運用のしくみを検討すべき ⇒ 農林水産大臣は、農薬製造者から報告を求めること等により、農薬の安全性に関する科学的知見の収集、 整理及び分析を行った上で、必要と認められる場合には、迅速かつ適切にこれらの措置を講ずること としている。 Aネオニコチノイド系農薬は、すでにEU以外の多くの国でも使用が規制されているにも関わらず、 日本ではいまだに使用が規制されていない。EU以外のネオコチノイド系農薬の使用を規制した 国々との比較から、日本でリスク評価をこれまで行つてこなかつ[理由を明らかにされたい ⇒ 他の国々について、必ずしも明らかではないため、我が国との比較は困難である。 蜜蜂への影響については、我が国では、農薬の登録において、当該影響に関する試験成績の 提出を求め、審査を行っている。また、国内における農薬が原因と疑われる蜜蜂の被害事例を調査し、 その結果を踏まえて、農薬使用者と養蜂家との間の情報共有及び農薬散布時の蜜蜂の巣箱の 退避等の被害軽減対策を講じている。 B国内におけるネオニコチノイド系農薬についてのリスク評価に資する調査や研究について、 その内容の概要を明らかにされたい ⇒ 調査や研究を網羅的に把握することは困難である。農林水産省の「蜜蜂被害事例調査」によると、 農薬が原因と疑われる蜜蜂の被害の多くは水稲を害するカメムシを防除する時期に発生していた。 C他のネオニコチノイドより使用量が多く、かつ有用生物への影響等が懸念されるジノテフランも 優先的に再評価を行うか ⇒ ジノテフランを優先的に再評価を行うこととしている。 D国際的な科学的知見では、農薬に発達神経毒性や、発達免疫毒性、内分泌かく乱作用があること が指摘されているが、これらの試験成績を提出するよう製造業者に対して求めていくことについて、 現在の検討状況を明らかにされたい ⇒ 今後、関係府省が連携し、検討することとしている。なお、全ての農薬は法の規制の対象であるため お尋ねの「試験成績からどのように規制対象の農薬を特定するかについて」は、その意味するところが 必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。 E通知「住宅地等における農薬使用について」を省令化すべき ⇒ 農薬の安全かつ適正な使用の確保を図るためには、省令及び通知の内容が農薬使用 者に理解されることが重要と考えており、都道府県による研修、農水省等が毎年実施している 農薬危害防止運動等の機会を通じて、周知徹底に努めているところである。【小川勝也議員】改正農薬取締法の施行並びにその方法に関する質問主意書(7月19日、本文、答弁書)
@改定法では、現行の製剤による再登録制度に代えて、同一の有効成分を含む農薬について一括して 十五年ごとに安全性等の再評価を行う制度を導入し、かつ登録の有効期間の定めをなくしている。 同法の運用において、農薬の安全性をどのように担保していくのか、具体策を説明されたい ⇒ 定期的に、最新の科学的知見に基づく再評価を行うことに加えて、農薬製造者から報告を求めること 等により、農薬の安全性に関する科学的知見の収集、整理及び分析を行い、農作物、人畜又は動植物等に 害を及ぼすおそれがあると認める場合には、迅速かつ適切に、登録の内容の変更又は取消しを行う。 A複数の農薬製剤の混用、複合製剤としての安全性並びに補助剤との複合影響及び有効成分との 複合影響を考慮することについて、省令に規定することも含め、 どのように運用していく考えか 説明されたい。 ⇒ 登録の審査においては、有効成分のみでなく、その他の成分も含む農薬製剤としての安全性について 審査を行っている。 複数の農薬を混合して使用する場合の複合的な影響については、農薬の組合せが無数に存在するため、 人畜及び動植物に与える影響を網羅的に考慮することは困難である。 食品に残留して複数の農薬が同時に摂取される場合の人の健康への影響についても、 考慮している。 B改定法で、どのような生活環境動植物の影響を考慮する考えか。 ⇒ 中央環境審議会及び農業資材審議会の意見を聴いて定めることとされている。 CEUでは、農薬指令に基づき、農薬の空中散布が禁止されているが、日本では有人・無人ヘリコプター 又はドローンを利用した農薬の空中散布が頻繁に行われている。農薬の空中散布は、農薬が広く大気中に 拡散し、農作物がある田畑だけではなく、周辺の土壌や表層水にも及び、近隣の生態系全体が汚染され、 広範囲に悪影響が及ぶことが懸念される。近年では、積載能力の小さいドローンでの散布のために 希釈濃度を用法よりも高めた農薬の散布が 行われる場合もある。我が国は農地面積が小さく、 農地が住宅地や学校、保育施設に隣接する場合もあることから、改正農薬取締法の目的に照らせば、 空中散布は原則禁止とするべきではないか。 ⇒ 農水省が、「農林水産航空事業実施ガイドライン」や「空中散布における無人航空機利用技術指導指針」 を発出し、風向及び風速を考慮し、適切な飛行高度を維持して農薬を散布すること等について、 農薬使用者に対する指導を行うことにより、農薬の安全かつ適正な使用の確保を図っているところである。 D環境省が行っている、化学物質の人へのばく露量モニタリング調査で 全てのネオニコチノイド原体に加え、 適切な代謝物を分析対象として追加するべきであるが、今後の方針について説明されたい。 ⇒ 調査については、毎年度、専門家の意見を聴取した上で、分析対象物質を選定することとしている。上記のように、いずれも、農林水産委員会での政府等の回答の閾をでない、通り一片のものでした。