街の農薬汚染・住宅地通知にもどる

n00803#沖縄県浦添市で、運動公園に周知なしで除草剤散布〜住宅地通知はどこふく風#18-11
 記事n00802で、農薬危害防止運動が形骸化していることに言及しましたが、今年の実施要綱では、特に、農水省・環境省通知「住宅地等における農薬使用について」(以下、住宅地通知)の遵守が強調されていました(記事n00101参照)。
同要綱では、農業生産場面だけでなく、公園、街路樹等一般場面においても、住宅地通知を守ることが求められ、『学校、保育所、病院、公園、保健所等の公共施設内の植物、街路樹及び住宅地に近接する森林等 、人が居住し、滞在し、又は頻繁に訪れる土地又は施設の植栽 における病害虫防除等に当たっては、「公園・街路樹等病害 虫・雑草管理マニュアル」も参考としつつ、病害虫の発生や被害の有無にかかわら ず定期的に農薬を散布することをやめる』ことなどが明記されています。  ところが、沖縄県浦添市(ウラソエ市)では、地元紙琉球新報などの報道により、これらの指導がないがしろにされていたことがわかりました。

★うその報告をしたのか?指定管理業者とそれを鵜呑みにした浦添市
、10月22日、市は、「浦添(浦添運動公園)遊具広場周辺の除草作業における散布薬品について」というお知らせをだしました。
 『去る9月17〜18日に行った公園内の定期除草作業において、植物成長調整剤を使用したことにより、芝生が茶色に変色する現象が生じました。変色が継続している要因といたしましては、念入りに散布した結果散布量が多くなったことに加え、台風24号・25号の度重なる塩害が相まって起きたと考えられます。
 今回散布した薬品につきましては、以下詳細のとおり人体及び環境への悪影響はございません。
 10月18日に現地調査を行い、所々ではありますが新芽が芽吹いていることを確認しております。以前の状態になるまであとしばらく期間を要しますが、少しずつ回復しておりますので今しばらくお待ちいただけたらと思います。』とし、
 散布農薬が 商品名:植物成長調整剤 グリーンフィールド水和剤(農林水産省登録 第17317号、製造会社ニチノー緑化)であり、希釈濃度:1平米あたり300ml散布(300mlに対し、グリーンフィールド0.8g投入)、また、使用実績:オリオン嵐山ゴルフクラブ・国道329号石川バイパスをあげ、ご丁寧にも、製品のチラシリンクもつけました。
 誰がみても、植物成長調整剤で、芝が枯れるのかと疑問に思ったことでしょう。はたして・・・。

★植物成長調整剤でなく、グリホサート系除草剤だったと訂正
 10月31日、市HPのお知らせ「公園遊具広場周辺の除草剤散布について」では、『当初指定管理者より報告を受けておりました散布薬剤が、植物成長調整剤ではなく、除草剤(ラウンドアップマックスロード)を使用したことが確認され、事実とは異なる報告となりましたことについても重ねて深くお詫び申し上げます。
 浦添市としましては、散布前における十分な事前周知、散布後の立入禁止表示などの注意事項が守られていなかった点について深く反省するとともに、まずは本薬剤の散布より健康被害を受けた方がいないか、確認・明確にすることを優先に努めております。
 つきましては、9月17日(月)と9月18日(火)の薬剤散布以降、周辺住民及び当該公園を利用された方で健康被害や何らかの症状があらわれた方については下記担当課(文化スポーツ振興課)までお問合せください。
 また、当該土壌の安全性につきましては、近日中に土壌及び当該公園内にある水路の水を採取し、複数の専門機関に分析を依頼することとし、安全性が確認されるまでの間は、木杭を立ててロープを立入禁止などの措置を講じております。検査結果については、徹底的に分析をするため1か月程度時間を要す見込みです。
 今後浦添市として公共施設全般にわたり、除草作業における薬剤を使用する場合は、その取り扱いについて研修を実施し、全庁的に周知徹底するとともに再発防止に向けて取り組んでまいります。』と、ありました。

 そもそも、市の環境基本計画には『公園や緑地等の維持管理のための農薬等の薬剤の使用をできるかぎり削減し、より安全な代替手法の導入を検討する。』『環境保全型農業に取り組み、肥料・農薬による周囲への影響に配慮し、適切に使用するよう努める。』があがっています。
 また、今年の4月から5年間の契約で指定管理者となった「てだこサンサン共同企業体の 代表団体トラステック社(社名の由来は、トラスト=信頼、テック=技術)は、『県内の体育施設、運動公園で指定管理実績のある株式会社トラステック及び構成団体に全国の公共施設で指定管理実績が豊富にある美津濃株式会社、地元で多才なイベント企画実績のある株式会社ケイ・ライナーの3社で管理運営を行っております。』とし、『公正・公平な立場で透明性を持った管理運営』『安心・安全の追求に努め、地域の発展や環境保全に意欲的に取り組』を挙げています。

 「農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令」や住宅地通知を、しっかり認識しており、これらを守っていれば、本件のように、公園管理に農薬を使うこともなく、散布履歴帳簿で確認もせずに、広報するといったお粗末もおこらなかったわけです。これから散布周知や散布後の立入規制をしますと言う前に、農薬を使用しない植栽管理を実践してもらいたいものです。

★指導文書 発出しても、フォローなければ、ただの紙
 浦添市は、11月16日、環境保全課が市管理施設における農薬の使用状況調査について(4月以降)を公表しました(一覧表)。これによると、市では、農薬等(衛生害虫用殺虫剤などを含む)が延べ124件使用されていました。
 除草剤はグリホサート系グリホエースが一番多く84件、ラウンドアップマックスロード5件で、殺虫剤はスミチオン(フェニトロチオン系)が13件でした。
 グリホエースは、登録農薬ではなく、いわゆる植物栽培に使用してはいけない製品です。市は、ハート社が2017年4月26日に登録した「グリホエースPRO」と同じだとしてますが、散布者が、それ以前の古い除草剤を,ほんとうに植物栽培に関係ない個所に使用していたかどうか不明です。また、「グリホタッチ」という無登録除草剤も1件で使われていました。なお、グリホエースの使用については、美らまち推進課がお知らせで広報されています。

 農薬取締法の改定で、遵守省令が変更され、第六条(住宅地等における農薬の使用)で、『農薬使用者は、【住宅の用に供する土地及びこれ】⇒住宅<、 学校、保育所、病院、公園その他の第六条農薬使用者は、住宅の用に供する土地及びこれに近接する人が居住し、滞在し、又は頻繁に訪れる施設の敷地及びこれらに近接する土地において農薬を使用するときは、農薬が飛散することを防止するために必要な措を講じるよう努めなければならない。』となり、赤字部分が追加されました。  行政の施設管理者⇒指定管理者⇒下請散布業者という構図下で、口先だけの環境保全を唱えているだけで、指導についての現場フォローがなければ、今回と同じことがこれからも起こります。
 反農薬東京グループでは、11月15日から19日にかけて、浦添市及び指定管理者、その後、同類の除草剤散布のあった豊見城市(トミグスクン市)、及び沖縄県に、事実関係を明らかにし、住宅地通知の遵守を求める質問・要望文書をだしました。
   問い合わせと回答:浦添市沖縄県豊見城市指定管理団体代表ドラステック社([回答]なし)

   追加情報;浦添市は、運動公園の師弟管理者との契約を11月末で打ち切ったとの報道がありました(琉球新報12月15日)
    浦添市:浦添運動公園内における表層土壌分析及び水質検査結果について(12月4日公表)、結果コメント


作成:2018-11-30、更新:2018-12-16