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n02304#本の紹介:食べものが劣化する日本(発行:食べもの通信)−著者:安田節子(食生活センタービジョン21)#20-02
【関連記事】記事t23402消費者が問うTPP=食の安全があぶない!」緊急シンポ(2011/02/16)
      記事t28002斑点米農薬防除をやめて安全な米とミツバチを守ろう市民集会(2014/11/05)
   ダウンロードフリーのパンフレット:文・構成:辻 万千子 安田節子、イラスト 小澤明子 / 編集 山田美智子
      ”知っていますか?” 斑点米と農薬とミツバチ大量死

【参考サイト】安田さんのHP:Top Page食政策センタービジョン21

 記事n02101で、農薬被曝や摂取の防止を地方自治体の条例・要綱・要領・指針等に組み込むよう提案しましたが、これに関連して、安田さんの近著を紹介します。

 安田さんは、上記の記事のほか、てんとう虫情報 第312号(2017年8月)でも。囲み記事にある「すべての農産物に使用農薬の表示を!」の投稿をしておられます。

ブラックボックス化する食の実態
 医療が進歩しているにもかかわらず、病気の人が揩ヲ続けています。農薬、遺伝子組み換え、ゲノム編集食品、抗菌剤、ホルモン剤など薬剤多用の食。知らないうちに食べものが変質している・・・・ブラックボックス化する食の実態を警告。
 マスコミではなかなか報道されない、種子と農薬の関係。「種子法」が昨年廃止になり、背後にある米国アグリビジネスの要求をあぶりだします。彼らの利益のために私たちの健康や農業、そして食科安全保障を差し出してよいものかと問います。
 日本で使用量が多い有機リン系やネオニコチノイド系農薬は、神経毒性がある農薬です。微量を慢性的に摂取する有害性が明らかされつつあります。アレルギーや神経系の疾患の揄チが特にこどもたちに現れています。
本気でいま脱農薬社会へ転換しなければ、取り返しのつかない瀬戸際にきています。まっさきに子どもたちを安心な食べ物で守る必要があります。
 最終章「食料主権の確立が私たちの生命と環境を守る」では、有機の学校給食が有機農業への転換を切りひらくと、事例紹介とともに期待を寄せます。
 全国商工新聞のコラム「いのちを紡ぐ食−種子と食べ物を守る(18年4月〜19年3月)として連載した原稿に加筆したものです。

 出版案内 & もくじ 



食べものが劣化する日本
       〜命をつむぐ種子と安心な食を次世代へ

 安田節子 A5版/192頁/本体価格:1400円(税別) 発行:2019-09
   食べもの通信(月刊の通信バックナンバーはこちら) 

 *** 目次 ***
   第1章 遺伝子組み換え作物は安全か
   第2章 ゲノム編集食品が登場する
   第3章 種子法廃止は米国アグリビジネスの要求
   第4章 除草剤ラウンドアップは発がん性農薬
   第5章 ネオニコ系農薬が子どもの発達に影響
   第6章 農薬・化学肥料の大量使用で食品の質が劣化
   第7章 畜産業で投与される抗生物質・ホルモン剤
   第8章 1兆円を超えた食品添加物市場
   第9章 健康被害のリスクを高める輸入食品
   第10章 食料主権の確立が私たちの生命と環境を守る



てんとう虫情報312号(2017年8月)より
<投稿> すべての農産物に使用農薬の表示を! 安田節子
 3月に佐久で開催された全国有機農業大会で、毎年全国大会に顔を見せる農水省の農
業環境対策課で有機農業推進を担当している人と立ち話をする機会がありました。

「日本の農薬行政はネオニコの規制緩和もそうですけど、国際的にひどく立ち遅れてい
ますね。もっとまともな農薬規制はできないものでしょうか。」とぶつけ、「私は農薬
使用を減らすには、食品添加物同様、使用農薬を表示したらよいと思うんです。使用し
た農薬を表示することになれば、消費者はいままで知らないで買っていた作物に沢山の
農薬が使用されている事実にぎょっとして表示農薬の少ないものを選ぶ流れができます。
農家には農薬使用を減らす積極的な動機づけになり、農薬使用を止めて有機に転換する
人も増えるんじゃないかと。使用農薬の表示、できませんか?」と聞きました。

 返ってきた返事は、「できません」。なぜ? と理由を問うと、「使用した物質すべて
が、検査で検出されない限り、使用表示はできないことになっています」。つまり、使
用した農薬のうち、一部が雨風で落ちたりして検出限界以下になっていたら、表示は正
しくないことになるという理屈。そうなのかあと一旦引きさがった私でしたが、待てよ、
残留表示ではなく、使用表示であり、何を使用したかという情報は検出の問題ではなく、
使用の実態、事実を明らかにすることなんだ、それは守られるべき消費者の選択の権利、
知る権利じゃないかと思いました。

 特別栽培農産物と言う制度があります。その農産物が生産された地域の慣行レベルに
比べて、節減対象農薬の使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分量が50%以下、で栽
培された農産物と定義され、「特別栽培農産物」表示とともに、殺虫剤○回、殺菌剤○
回、除草剤○回、土壌消毒剤○回、種子消毒○回といった具合に表示されます。

 私は以前、「特別栽培農産物」表示の生姜を手にしたとき、半分に減らした農薬の使
用回数が殺菌剤で十数回と記載されていて、だとすると普通の生姜はこの倍使用されて
いるのか!と愕然としたのでした。
 国産、輸入どちらも使用した農薬はすべて表示されるべきだ! と、みなさま、思い
ませんか?

2020-02-29