街の農薬汚染・住宅地通知にもどる        通知「住宅地等における農薬使用について」

n02404#住宅地通知関連事例の続報〜自治体に要望書を出しました#20-03
  記事n02302で、住宅地通知に関して、当グループに投稿あった事例を紹介しましたが、そのうち、2地域から、お住まいの自治体へ申し入れた要望書がおくられてきました。みなさまのお住まいの場所での行政へのアクションの参考にしてください。

★熊本県天草市への要望〜サクラへの石灰硫黄合剤の適用登録はない
 適用登録のない農薬を、防除業者が勝手に散布している事例です。
 *** 公園における病害虫防除のための薬剤散布について ***
  過日、広瀬公園においてサクラへの石灰硫黄合剤散布が実施されました。
 石灰硫黄合剤は、飛散薬剤による自動車塗装変色が知られており、不特定多数の者が
 利用する公園での石灰硫黄合剤散布では、自動車塗装変色回避警告が必須です。また、
 石灰硫黄合剤は強いアルカリ性のためヒトの皮膚に付着したりした場合は炎症を起こ
 すことが知られています。
 各社の石灰硫黄合剤のすべてに、使用上の注意事項として
 「街路、公園等で使用する場合は、散布中及び散布後(少なくとも散布当日)に
 小児や散布に関係ない者が散布区域に立ち入らないように縄囲いや立て札を立てる
 など配慮し、人畜等に被害を及ぼさないよう注意を払う」旨の記載があります。
 散布にあたっては、来園者に対する警告が必要です。しかし、サクラの周辺への駐車回避
 警告や来園者に対する被ばく防止に関する警告板はありませんでした。

 本件薬剤散布契約について情報開示請求をした結果、造園業者に随意契約で「広瀬公園外サクラ等
 樹皮病薬剤散布業務」を委託していることが明らかになりました。
  また、業者から都市計画課へ提出された資料によれば、石灰硫黄合剤を選択したのは、サクラには
 害虫としてアメリカシロヒトリ、モンクロシャチホコ、コスカシバ、カイガラムシ、毛虫類、
 サクラフシアブラムシ、病気としてテング巣病、うどんこ病、コウヤク病、ガンシュ病があり、
 それぞれ専用の防除薬剤はあるものの、越冬害虫と病原菌の両方を防除する登録農薬はないので、
 果樹の防除剤を参考にして、病原菌と害虫両方防除に石灰硫黄合剤が適しているものとみなして、
 石灰硫黄合剤の適用作物にはサクラは登録されていないが、石灰硫黄合剤を散布した、とのことです。
 石灰硫黄合剤は、古くから果樹栽培で使用されている薬剤ですが、無登録作物への使用が多くなり、
 全国農薬協同組合は同組合発行の「「全農薬通信報」(No.265号7頁、平成22年2月20日)に、
 石灰硫黄合剤の適正使用に関するメーカらのお願いとして
  「石灰硫黄合剤は古くから果樹生産の根幹的病害虫防除薬剤として使用されており、使用者に
 有益な農薬です。しかしながら、昨今登録されていない作物へ使用される事例が見受けられております。
 つきましては、ラベルに従い登録作物へ適正に使用するようご指導の程、宜しくお願いいたします。」
 との記事を掲載し、無登録作物への石灰硫黄合剤の使用をしないよう求めています。
 
  さらに、農水省および環境省は、通知「住宅地等における農薬使用について」を発出し、同通知の別紙
 「住宅地等における病害虫防除等に当たって遵守すべき事項」の1「公園、街路樹等における病害虫防除に
 当たっての遵守事項」の(4)において「農薬取締法に基づいて登録された、当該植物に適用のある農薬を、
 ラベルに記載されている使用法(使用回数、使用量、使用濃度等)及び使用上の注意事項を守って
 使用すること」と定めています。
 本件薬剤散布ではサクラには適用のない石灰硫黄合剤が使用されており、本件薬剤散布が
 通知「住宅地等における農薬使用について」違反であることは明らかです。
 上記の通り、本件薬剤散布はメーカの使用説明書にも反し、法令に基づく通知にも違反しています。
 今後、公園緑地・樹木管理維持にあたってこのような事態を起こさないためにどのような対策を
 講じるのか3月18日までにお知らせください。
★沖縄県での要望〜除草剤散布に反対する住民の会
 グリホサートのような除草剤が身の回りで、安易にまかれないようにとの要望です。
 *** 自治体による除草剤の使用禁止の要望書 *** 
  近年、除草剤は手軽なものとなっていますが、その多くに毒性があり公道など一般人の利用する
 場所に自治体が使用するべきではありません。
 その中でも最も有名で安全とされるラウンドアップでさえ、急性症状や発がん性などが強く
 疑われています。主成分のグリホサートは発がん性をはじめ、腸内細菌叢のバランスの異常による
 自己免疫疾患や自閉症、発達障害、癲癇など多くの疾患とのつながりを示す論文が多数提出されています。
  添加剤POEAによる急性症状(血管ニューロパチー、肺炎など)も疑われています。
 そしてこの添加剤との相乗効果により毒性が約100倍高まる(ヒト胎盤由来細胞実験)といわれています。
  フランスやドイツなど世界各国で禁止されるほど危険な薬剤であり、近年では米国の裁判で
  ラウンドアップの発がん性が認められ巨額の支払い命令が下されています。2019年現在、
  同類の裁判が4万件以上起こされています。
 このような除草剤を自治体が使用することには強く反対します。以下 <主な理由> を読まれた上、
 自治体による除草剤等の使用禁止を是非ご検討ください。
 <主な理由>
 1、グリホサート系除草剤は合法とされているだけで、科学的には上記のような危険性が認められています。
  その他、グルホシネート系(グリホサートより強毒性)、パラコート系(毒物指定)、
  2,4-D系(発がん性)なども危険です。
 2、農薬は企業秘密により非公開の薬剤やデータがあり安全性の証明は不可能です。
 3、法改正や規制、企業のM&Aなど、政治・経済的理由によりグリホサートが毒物に指定される
   可能性があり、自治体が容易に安全とみなすにはリスクが高すぎます。
 4、現在、除草剤使用者のほとんど全ては「住宅地等における農薬使用について」(農林水産省)、
   「除草剤安全使用マニュアル」(沖縄県)を違反しており、安全に使用できる人も業者もいません。
 5、もし急性症状や汚損、農薬取締法遵守違反など、トラブルが起きた場合、町の信頼が損なわれます
 (例:2018年浦添運動公園*)。特に化学物質過敏症の患者に被害が及んだ場合は裁判になるかもしれません。 
     * :記事n00803

作成:2020-03-31