現 状 | 水素ドローンによる期待・効果 |
・10kg程度の農薬を搭載 ・1日3〜4時間程度のフライト ・数十本のバッテリーを携行 ・農地上空を高度10-15mで飛行 |
・大容量・長時間の農薬散布が可能に ・予備バッテリーの携行や交換が不要 となり利便性向上が期待 |
*** パブコメ意見と回答 *** 【意見1】災害対応や過疎地での物流に活用されるなら、反対はしないが、長時間の 農薬散布のために水素ドローンを使うためのガイドラインであるなら、やめていただきたい。 国民の健康にリスクのある農薬は原則なくすべきで、仮に経過措置的に使うにしても 長時間対応のドローンを使う必要はない。 [経済産業省の回答] 本ガイドラインは、水素燃料電池ドローンの活用にあたり、高圧ガスの安全を確保 するために必要な措置を示すものであり、高圧ガス保安の観点で、農薬散布により直 ちにリスクが生じるものではないため、現案のとおりとさせていただきます。 なお、ドローンによる農薬散布については、農林水産省が安全ガイドラインを策定 したほか、物件の投下等に該当する場合国土交通省へ許可・承認の申請を行うことと されており、引き続き関係省庁とともに安全確保を図って参ります。 【意見2】水素燃料電池の導入により、ドローン農薬散布が『大容量・長時間』の散布 を可能にすることが、メリットとされているが、ドローン空中散布による農薬の散布 域外への飛散防止を第一に考えると、『大容量・長時間』は避けるべきである。 [理由] 1、地上散布より、高い飛行高度から、高濃度で、短時間で、広い範囲に散布する のが空中散布の特徴であり、地散より域外への農薬飛散が増大する危険がある。 そのため、農薬の人への影響、生活環境、自然環境・生態系・生物多様性への 影響指定外の農作物汚染やミツバチ被害防止等を配慮すべきであり、大容量 ・長時間散布はマイナス要因となる。 2、無人航空機のうち無人ヘリコプター空中散布は、都道府県農薬指導部局に 実施計画や実績報告を提出せねばならないが、現行のドローン散布では、 届出提出は不要である。『大容量・長時間』散布は無人ヘリコプターに近いもの であり、都道府県への届出が必要である。 3、ドローン散布は、小回りが効くということで、住宅近郊での散布がなされる ことが多い。また、同一地域で、複数のドローンによる散布も行われる。広範囲 の散布などを、実施団体まかせにして、散布区域を拡大しやすくすべきでない。 4、水田や圃場には、架線や障害物が多く、農薬空中散布中の事故も多い、大容量 になると、事故被害も大きくなる。 5、ドローンでの農薬散布で、高度や風速変化を人がコントロールすることは 困難である。旋回や方向転換、風速の変化時に、散布を停止するなどの自動操縦 ができないと、水素燃料電池搭載ドローンのメリットがない。森林など高地や 斜面での散布も目視散布はできない。 6、ドローンでは、操縦不能で、墜落する危険があり、緩衝区域を設置する必要が あるが、広範囲に散布では、適切な場所がとれない。 [経済産業省の回答] 【意見1】の回答と同じ。 【意見3】農薬散布では、粒剤粉剤からの微粒粉塵や、農薬に含まれる化学物質 (有効成分、溶剤、界面活性剤、添加物など)の影響で水素燃料電池や関連装置 の劣化・腐食が懸念される。農薬を高温多湿の夏期に、高所から環境中に散布 することを配慮した燃料電池の性能試験が必要である。 [理由]一般的な輸送飛行や撮影のための飛行と、農薬散布を同等と考えてはならない。 [経済産業省の回答] 農薬による影響については、本ガイドラインでは高圧ガス保安の安全の観点から、 ドローン落下のトリガー事象とみなし、落下した場合の安全性について議論を行い、 その安全性を担保しました。