*** 住民監査請求書 2020年3月30日 ***
天草市監査委員 殿
請求人
住所 : 熊本県天草市
職業 : なし
氏名 : *********
記
請求の要旨
天草市は、随意契約により村川緑宝園に「広瀬公園外桜等樹皮病薬剤散布業務」を委託し、
村川緑宝園は2020年2月19日に桜等樹皮病防除目的で広瀬公園及び城山公園において、桜及び
ウメに石灰硫黄合剤「細井石灰硫黄合剤」(農林水産省登録番号15850号)を散布した(事実証明-1)。
天草市は、当該業務に対して2020年3月12日に196,570円を村川緑宝園に支払った(事実証明-2)。
(筆者注:本件で樹皮病とは、市当局の説明により、がんしゅ病、てんぐ巣病、こうやく病、
胴枯病などを指すものとする)。
今回散布された「細井石灰硫黄合剤」(登録番号15850号)は、全ての登録硫黄合剤がそうであるが、
適用作物を桜とした登録はない。また、ウメでは、縮葉病が唯一適用病であり、樹皮病は
登録されていない(事実証明-3、4)。
登録農薬の適用病害虫等名は、農林水産省の農薬登録検査を受け(事実証明-5)、
薬効・安全性等が確認されたものについて、農薬取締法第16条に基づいて表示されたものである。
適用病害虫名が表示されていない病害虫名に対する薬効は確認されていないか、薬効のない
薬剤である。
「細井石灰硫黄合剤」(登録番号15850号)の適用病害虫の範囲及び使用方法欄に桜および
ウメの樹皮病が表示はされていないことは、桜及びウメの樹皮病に対する同剤の防除効果が
確認されていないか、防除効果のないことを意味する。
ところで、「登録に係る適用病害虫の範囲及び使用方法」欄に表示されていない作物に
当該農薬を使用すること即ち適用外使用は農薬取締法第25条第3項により禁じられている。
登録農薬であっても適用外使用は禁じられているのである。今回の村川緑宝園による桜及び
ウメへの「細井石灰硫黄合剤」散布は適用外使用であり、農薬取締法第25条第3項に反する
違法な散布である。
効果が期待されない農薬を違法に散布した村川緑宝園への196,570円の支払いは、地方財政法
第4条第1項「地方公共団体の経費は、その目的を達成するための必要且つ最少の限度をこえて、
これを支出してはならない。」に違反する、違法かつ不当な支出である。
よって、監査委員は、市長に対して、市長は村川緑宝園へ支払った196,570円を天草市に
返還すること、と勧告するよう求める。
上記の通り、地方自治法第242条1項の規定により、別紙事実証明書を添付の上、必要な措置を
請求する。(添付事実証明:掲載省略)