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n03203#柔軟剤香害で、香害をなくす連絡会が5省庁へ要望#20-11

【関連記事】記事n03103
【関連サイト】日本消費者連盟:Top PageFB
       香害をもたらす家庭用品の規制を求める要望書・回答消費者庁への要望
          厚労省への要望(回答)、経産省への要望(回答)、環境省への要望(回答)、
          文科省への要望(回答)
       【消費者リポート】1638号(2020年10月20日発行)(香害問題記事あり)
                  1639号(2020年11月20日発行)(食品添加物特集)

★行政への要望〜7000人の被害者の声をつたえる
 9月に、香害をなくす連絡会(事務局日本消費者連盟)から、「香害をもたらす家庭用品の規制を求める要望書」を関連する5省庁におくりましたが、遅ればせながら、その内容と回答の概要をしめします。
まず、消費者庁への要望文書の前文を紹介します。
 <消費者庁への要望前文>
 私共「香害をなくす連絡会」 は、 柔軟仕上け゛剤など香り付き製品のにおいによる
 健康被害“香害”をなくすために取り組む市民団体で構成される連絡会です。
 近年、 香り付き製品のにおいによる被害者は増加の一途を辿っており、 学校や職場に
 通えず、不登校や退職・ 休職を余儀なくされる人も出てぃます。
 当連絡会は2019年12月から本年3月まで「香りの被害についてのアンケート」を実施し、
 9332名の方から回答を得ました。結果を精査した結果、回答者の内7000名以上の人が
 香り付き製品により健康被害を訴えていることがわかりました(記事n03103参照)。
 香害の被害者は、 行政やメーカーに柔軟仕上げ剤や香り付き合成洗剤の販売中止、
 開発中止を求めると同時に、 柔軟仕上げ剤など家庭用品への香りや消臭成分を含む
 マイクロカプセル類の使用中止を求めています。
  そのような中、本年4月9日に国民生活センターより 「柔軟仕上げ剤のにおいに関する情報
 提供」が公表されました。その内容を精査した結果、5月に日本消費者連盟より要望書を
 提出させていただきましたが、今回は7団体として、改めて要望書を提出させていただきます。
  貴庁・国民生活センターのお考えでは、柔軟仕上げ剤に関して、
  @自分には快適なにおいでも、不快に感じ、体調を崩す人もいることを認識する、
  A使用量の目安を参考に、過度な使用を避ける、
  B「香りの強さの目安」 を参考に商品を選択する、 ことを消費者にアドバイスしています。
 しかし、米国疾病予防管理センター(CDC)では、2009年に施設内での香りつき製品の使用を
  禁止し、1万5000人の職員に香料自粛(フレグランスフリー)を推奨しています。
 この違いはどこからくるのでしょうか。
★各省庁への要望〜厚労省は「香害」の原因究明は困難と
【関連記事】記事n02101(長野での環境問題についてのG20関係閣僚会議)
 つぎに、5省庁ごとに、その所管に応じた要望を示しますが、柔軟剤などが香害原因となることについて、厚労省の『香りに対する反応には個人差もあることなどから 「香害」の原因を究明するための調査研究を行うことは現時点で難しいと考えております。』や経済産業省の『現段階において、 柔軟仕上げ剤等の香料成分が健康被害の原因であるという確たる科学的知見はないものと認識しております。こうした状況下、業界や事業者に対して規制を課すことは適切ではないと考えています』との回答に代表されるように、身の回りの製品での香料の使用規制につなげる気配はみえません。
 いままでの公害問題での対策は、環境やヒトの被害が先行し、その後の環境調査や疫学調査で、当該物質との因果関係が疑われ、さらに、科学的な証明がなされた後に使用規制へと進むという、事後処理的な対策しかなされませんでした。柔軟剤とその香害問題でも、メーカーは環境やヒトへの影響評価をおざなりにして、製品を製造販売しているわけで、まさに、同じ轍を踏んでいるのです。
 1年半前の環境問題についてのG20関係閣僚会議における「持続可能な社会づくりのための協働に関する長野宣言」では、SDGs(持続可能な開発目標)の重要性が指摘され、私たちの消費活動も例外でないことが明示されましたが(記事n02101)、なくても生活に困らないのに、人工合成した柔軟剤を製造販売し、なおかつ香料を添加するメーカーとそれを支える行政の姿勢は、同宣言とは真逆のことのように思えます。  
【消費者庁】柔軟剤など製品販売関連の規制や成分開示に関するものです。
<要望1>国民の健康を守るために、 柔軟仕上げ剤、 消臭除菌スプレーの販売に規制をかけて
 ください。
<要望2>柔軟仕上げ剤、消臭除菌スプレーを家庭用品品質表示法の指定品目にしてください。
 また、 香料成分を含む製品に使用される全成分を開示するよう、 メーカーを指導してください。
<要望3>至急、柔軟仕上げ剤、香り付き・抗菌合成洗剤、消臭除菌スプレーなど家庭用品への
 マイクロカプセル類の使用を規制してください。
 効果を持続させるためにマイクロカプセル類を使用すると、空気中に有害物質(VOC)が
 飛び散る可能性があることに加えて、香料や消臭成分が環境中に存在し続けるために、
 健康被害を拡大させていると思われます。消費者に適切な使用法を求めても、香害被害は
 解決しません。これは、製品の安全性の問題です。メーカーに改善を促してください。 

【国民生活センター】
<要望>当連絡会の構成団体である化学物質過敏症支援センターには、 年間2000もの相談が
 寄せられています。その中の多くが柔軟仕上げ剤に関する相談です。
 民間の善意に頼るだけでなく、専門の医師も入れた相談窓口を設置してください。

【消費者庁及び国民生活センター】
<要望>香料による健康被害が生じていることを、 より一層周知・啓発するために、消費者庁、
 国民生活センター自らが、 香料自粛の啓発ポスターを作成してください。
  [理由]]当連絡会調べでは、8月29日現在、香料自粛のポスターを作成している自治体は52、
   ホームページで香料自粛を呼びかけている自治体は113もあります。

 消費者庁への要望は、進展がなく、文書は回答ありませんでした。


【厚労省】化学物質過敏症やVOC問題を所管しており、香害実態調査や原因究明を含め、
 下記5件を要望しました。第4級アンモニウムについても取り上げました。
<要望1>近年激増中の「香害」被害について、貴省で把握されている内容をお示しください。
 そして「香害」の原因を究明するための調査・研究をしてください。
  また、2009年に病名登録された化学物質過敏症(CS)についても、併せて原因究明の調査・
 研究をしてください。
 ・香り被害についてのアンケートの結果、 7000人以上の人が香りつき製品で健康被害を
 訴えています。その原因を究明し、対策を講じて下さい。
 ・CSについても、当初シックハウス、農薬などが原因で発症した人が多かったのですが、
  2013年以降、柔軟仕上げ剤など、家庭用品の香料により発症する人が多くなりました。
  今後、患者の増加に繋がらないためにも文部科学省と連携して医療機関と医療従事者に、
  香料成分や有害化学物質で体調不良になる化学物質過敏症の病態を周知徹底し、 早急に
  診断できる病院数を増やし、医師を養成してください。
 ・身体的には香害の行き着くところは化学物質過敏症故に医療関係には病名が登録されている
  疾患であることを周知徹底するよう、 繰り返し通達を出してください。 
[回答]厚生労働省では、香りにより体調不良になったことに関するご相談を受けることの他、
 柔軟仕上げ剤等を扱う業界団体とも協力して実態把握に努めているところでございますが、
 香りに対する反応には個人差もあることなどから 「香害」の原因を究明するための調査・
 研究を行うことは現時点で難しいと考えております。 
  そのため、まずは、いわゆる「化学物質過敏症」、線維筋痛症、慢性疲労症候群等、種々の
 刺激によって多様な症状をきたす疾患に共通していると考えられる中枢神経感作と呼ばれる
 病態の関与について、研究(※)を進めているところでございます。
 (※)厚生労働科学研究 難治性疾患等政策研究事業
   「種々の症状を呈する難治性疾患における中枢神経感作の役割の解明と患者ケアの向上を
   目指した「複数疾患領域統合多施設共同疫学研究」(2020年4月1日-2023/03/31年の3年間)
     研究代表者(小橋 元 獨協医科大学 医学部公衆衛生学講座 教授)
<要望2>第4級アンモニウム塩を含む製品のリスクを評価し、 規制を検討してください。
 ・第4級アンモニウム塩はそれ自体でも毒性がありますが、同成分が柔軟仕上げ剤などの製品に
  含まれる他の成分と反応し、有害物質が発生している可能性を調べてください。 
 [理由]私共が実施したアンケート調査で、香害被害の一番の原因は柔軟仕上げ剤でした。
  現在、市販されている柔軟仕上げ剤の主成分は、 合成界面活性剤の中でも一番毒性の強い
   成分の第4級アンモニウム塩です。また、家庭内での「ファブリーズ」などの消臭除菌剤にも、
   同成分が多用されています。 東京都健康安全研究センターや海外の専門誌でも、 
   第4級アンモニウム塩による実験動物の健康被害が報告されています。
[回答]健康被害と第4級アンモニウム塩との因果関係を調べるなどの調査は現時点で難しいところでは
 ございますが、業界団体に伺うなどし、第4級アンモニウム塩が合まれる製品の種類、製品の使用実態、
 製品によると考えられるご指摘の「健康被害」 に関する報告などの情報の収集にまずは努めたいと
 考えます。 
要望3,柔軟仕上げ剤、除菌・消臭剤など香り付き製品に含まれる合成樹脂製マイクロカプセルや
 シクロデキストリンポリマーなどの香料や消臭成分を包む材料の安全性を検証してください。
   また、マイクロカプセル類の微粒子が空気中を漂い、それを吸い込むことによる健康リスクの調査・
  研究をしてください。 
[回答]関係省庁とも連携し、香料や消臭成分を包むマイクロカプセルやシクロデキストリンポリマーなどの
 材料に関する知見の収集にまずは努めたいと考えております。
要望4,柔軟仕上げ剤等による健康被害の原因物質(陽イオン界面活性剤や香料成分、添加剤など)、
 また、それら物質の複合影響について調査・研究し、貴省が管轄の「有害物質を含有する
 家庭用品の規制に関する法律」 によって、 適切な規制を行つてくださぃ。
  ー中略ー貴省で事業者や自治体などに対してこの法令を遵守する旨の指導を行つてください。 
[回答] 香りや化学物質に対する反応には個人差もあることなどから、原因物質を特定・
 究明するための調査・研究を行うことは現時点で難しいと考えておりますが、柔軟仕上げ剤等を
 扱う業界団体にも引き続き、安全性の担保されている香料等を使用するように、伝えてまいります。
 「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」により、もし販売禁止や回収命令等を
 行うのであれば、強制力のある行政処分に見合うだけの確固たる理由が必要になります。
 香料として用いられる化学物質と健康被害との因果関係が必ずしも明らかになっていない現状では、
 対応が難しいところでございます。 
要望5,各自治体の保育園、病院、公共施設、福祉関連施設など所管の部署に対して、
 香害被害者の存在を周知するとともに、香料自粛を求めるポスターの作成やホームページでの
 周知を求めてください。現在すでに多くの自治体で周知が行われています。
[回答] どのような周知啓発が効果的かつ適切か関係省庁とも相談させていただきます。
 なお、業界団体においては、 消費者による柔軟仕上げ剤の過剰使用を防止する対策として
 CMなどによる香りマナーの啓発、 香り成分の情報開示の推進などについて取り組んでいる
 ところと承知しており、今後もそのような取組を推進していくことを業界団体に引き続き
 お願いしたい、 と思います。

【経済産業省】柔軟剤の規制や家庭用品へのマイクロカプセルの使用規制・禁止など、3件の
 要望です。
<要望1>業界に対し、柔軟仕上げ剤など香害をもたらす製品の製造・販売に規制を掛けてください。 
<要望2> 柔軟仕上げ剤、 消臭除菌剤などの家庭用品へのマイクロカプセル類の使用を禁止させ
 てください。
<要望3> 消費者庁と協力して、 柔軟仕上げ剤、 消臭除菌剤を家庭用品品質表示法の指定品目に
 してください。
[総括的回答]
 ○現段階において、 柔軟仕上げ剤等の香料成分が健康被害の原因であるという確たる
  科学的知見はないものと認識しております。
 ○こうした状況下、業界や事業者に対して規制を課すことは適切ではないと考えています。
 ○他方で、香りに不快感を感じたり、使用する製品に関する詳しい情報を求める消費者からの
  声があることを踏まえ、 業界としても様々な取り組みを行っていると承知しています。
 ○具体的には、 業界団体である日本石鹸洗剤工業会では、
  @2018年7月に 「衣料用柔軟仕上げ剤の品質表示自主基準」 を改定し、事業者として
   周囲への配慮や適正使用量を守るよう啓発活動を行ってきており、
  A2020年3月に 「会員社の香料成分の自主的な開示の際の指針について」を策定し、
   消費者への情報提供を促してきました。
  この指針に基づき、 一部の事業者では成分の情報開示が進んでいます。
 ○経済産業省としては、引き続き、業界と連携しながら御懸念の払拭に取り組んでまいります。 

【環境省】マイクロプラスチックの水系汚染防止にからみ、家庭用品に使用される
 マイクロカプセルの規制を求めました。
 <要望>柔軟仕上げ剤などの家庭用品へのマイクロカプセルの使用を禁止してください。
  [理由]柔軟仕上げ剤などには、 香りや消臭成分を閉じ込めるプラスチック(合成樹脂)製の
   マイクロカプセルや香料や消臭成分などを包接するシクロデキストリン等の環状の
   デンプン様化合物が含まれています。 それらはマイクロサイズやナノサイズの微粒子として、
   洗濯後の衣類等に付着し、 刺激によってカプセルが破壊されて中身が放出される
   仕組みです。
    @河川や海のマイクロプラスチック汚染を深刻化させます。
     衣類に付着しなかった大半のカプセルは下水に流れ、 河川や海に流入します。
    A大気中に有害物質が飛散する恐れがあります。マイクロカプセルの壁材としては
     メラミン樹脂、ウレタン樹脂などが多用されており、カプセルが破れる際に、
     カプセル壁剤から有害物質が環境中に飛び散る恐れがあります。
    B欧州はマイクロカプセル禁止を予定。2019年1月欧州化学物質庁(ECHA)は、
     欧州域内における「意図的に製品に入れられたマイクロプラスチックの規制に関する提案」を
     欧州委員会に提出し、その中にはマイクロカプセルが含まれており、洗剤などに含まれる
     香りマイクロカプセルについても、5年の猶予は与えているものの、禁止すべきという
     姿勢を打ち出しています。
    C、D −略−
[回答]海岸漂着物処理推進法の基本方針において、 マイクロプラスチックについては、「微細な
 プラスチック類のことで、 一般に5mm以下のものを言う」 との定義を用いており、ご指摘の
 マイクロカプセルについても含まれうると考えております。マイクロカプセルを合むマイクロ
 プラスチックについてはその環境影響など未解明の部分が多いことから、最新の科学的知見や
 国際的な動向等に関する情報収集に努めてまいります。

【文部科学省】前文では、特に、学校の児童・生徒を念頭におき、以下のような文面をつけ加えました。
 ・香害で、 一番懸念されるのは、 大人より化学物質の影響が大きいとされる子どもたちの健康です。
  教室という狭い空間に、 大人数の児童生徒が長時間過ごします。家庭で使用した香り付き製品が、
  子どもたちの衣服に付着して学校に持ち込まれたり、 高学年では制汗剤を教室で使用したりする
  ことで、教室内の空気が、香料・消臭成分、揮発性有機化学物質、マイクロプラスチックなどで
  汚染されている可能性があります。
 ・現在、 新型コロナウイルス対策がなされていますが、 ウイルス同様、 目には見えないマイクロ
  カプセル類の微粒子が空気中を舞うことで、 ウイルスがそれに付着し、吸い込む危険性さえ示唆
  されているのです。
 ・誰しもが等しく教育を受けられるはずの学校で、 香り付き製品の化学物質に曝露して、健康を
  害され、 望んだ教育が受けられなくなってしまう現状。
  学校での香り付き製品の使用自粛は喫緊の課題です。
<要望1>教室の空気質の現状を知るために、臨時の抽出検査にて、生徒が教室内にいる状態での、
 室内の総揮発性有機化合物(TVOC)濃度を測定し、その値が室内空気質の暫定目標値
 400g/立方メートルを超えていないかを確認してください。
 同様の状態で、浮遊粉じんの測定、ならびに、ホルムアルデヒド値の測定もして下さい。ー中略ー
  (注)国民生活センターの「柔軟仕上け剤のにおいに関する情報提供」には、「専門家からの
    コメント」として、香りをマイクロカプセル化することで、一定レベルの香りが長い時間、
    環境中に存在し続けることを問題視している。また、放散されるVOCの中には、
    においのある成分のほか、においのない成分があることを指摘している。
     また、「消費者へのアドバイス」によると、恐らくは「におぃのないVOCの成分に
    強く反応してしまう人がいる」ことへの言及がある(成分名不明)。
     「学校環境衛生基準」によると、ホルムアルデヒドの発生源となる可能性があるものとして、
    「メラミン系の接着剤」 の記載があり、マクロカプセルには接着作用のある
    メラミン樹脂も使用されている。
[回答]1,総揮発性有機化合物(VOC)については、個別の揮発性有機化合物のリスク評価や
    混合毒性の評価が明確でなく、 測定法の改良を待たないと指針値としては定められない
    ことから、 厚生労働省が目標値としているものであり、文部科学省としても
    学校環境衛生基準の検査項目には含めておりません。
   2, ホルムアルデヒドについては、児童生徒が教室内にいる状況においては、学校環境衛生基準に
    基づき適切に換気を行うために窓や扉の開閉が行われ、 室内濃度が低くなることが
    予想されることから、測定前に教室等を5時間以上密閉して壁や備品などからの放出の
    影響を確認することとしております。
   3, 浮遊粉じんについては、通常、児童生徒がいる状況下で測定されているものと認識しております。
   4,なお、いわゆる「香害」を含む「化学物質過敏症」については、学校環境衛生基準に
    定める基準値以下の極微量の化学物質に対しても反応し、健康被害を訴える児童生徒等も
    いるため、 当該測定結果を以て健康影響を判断することは難しいと考えます。 
<要望2>研修会等の機会を通じて、 学校教職員に対して、香害についての情報を周知してください。
 具体的には、 香害の被害に遭っている児童生徒のために、全国の先進的な取り組み事例を収集し、
 事例集を作成したうえで、貴省主催の「健康教育食育行政担当者連絡協議会」、
 「学校環境衛生・薬事衛生研究協議会」、「健康教育指導者養成研修」 ならびに全国の自治体から
 要請された研修会などで周知してください。 
[回答]1, 香料等に含まれる化学物質による健康影響について、疾病概念が確立していない状況に
  おいて、 被害やそれに対する取組等の事例を収集することは困難と考えます。
 2, しかしながら、化学物質に極微量でも反応する過敏症の児童生徒もおり、その原因となる
  物質や量、当該児童生徒の症状などが多種多様であることから、 各学校において、
  個々の児童生徒の実情に応じ、養護教諭を含む教職員、学校医等が連携しつつ、個別の
  配慮を行うよう指導しているところです。
 3, 今後も教育委員会等の担当者や養護教諭等を対象とした研修会等において、香料等に
  起因するものも含めたいわゆる「化学物質過敏症」により困っている児童生徒に対して
  個別の配慮を行うよう周知を図ってまいります。 
★今後に向けて〜ブックレット<ストップ!香害〜余計な香りはもういらない>
 身の回りの香料に不快を感じたり、健康被害を受けるとの声が、より顕在化したのは、香料いり柔軟剤がきっかけです(記事n03003の香害問題経緯参照)。柔軟剤が製造販売され、香料が使用されなければ、香害という言葉も登場することはなかったことでしょう。
 私たちの要望ー香害原因となる香料入り柔軟剤は必要ないーを受けて、5省庁は連絡会議をつくり、対応をはじめています。香害をなくす連絡会では、12月に、省庁との意見交換の場を設定するとともに、反対運動を拡大するため、ブックレットを発行しました。ポスター付き500円で、9000人アンケートの資料を中心に、これまでの消費者リポートから各地の様子を抜粋した内容です。ぜひお知り合いに、案内を拡散してください。もくじは、以下のようです。
 ブックレット:<ストップ!香害〜余計な香りはもういらない>
   はじめに すこやかないのちを未来へ
   第1章 香害アンケートより9000人の声
      原因の1位は柔軟剤 2割の人が「職場や学校に行けない」
   第2章 香害の原因を探る
      香害はなぜ起きるの? 水野玲子
   第3章 自治体が動く
      地方議会での陳情、意見書採択
      学校での周知、自粛啓発広がる
   第4章 草の根の運動
      1人から始める みんなと一緒に動く
      啓発チラシ中学生版を全校に    田中美津子
      陳情提出を機に区がHPを作成   中溝ゆき
      知らずに苦しむ実態を把握     泉京子
      市長に直談判、啓発に繁げる    大田紘子
      時間をかけ区のリーフとHPを実現 大河原扶美子
   第5章 香害をなくす連絡会の活動
      草の根から国やメーカーへ働きかけ 杉浦陽子
   ●付録 ポスター「あなたのその香り香害かも?」
   チラシと申込書はこちらです。


作成:2020-11-25、更新:2020-12-03