室内汚染・シロアリ駆除剤にもどる
t00902#農薬による室内汚染#92-09
 今日は、室内の農薬汚染ということでお話したいと思います。家庭の中でシロアリ駆除のために、以前は乳剤とか油剤とかを使っていたのですが、最近はMC剤と言って、マイクロ。カプセル化したもの、小さなマイクロカプセルの中に、具体的にはポリウレタンなどですが、そういう樹脂の中に、殺虫剤をしみこませています。それを撒いているので、その周辺の空気なんかをあまり汚さない。そして長持ちするということで盛んに使われるようになっています。ところが、それを使った後、いろいろ問題が起こっています。
 この事例は、隣の家の床下にスミチオンのMC剤を撒かれたわけですが、その結果、こちらの家の方の調子が悪くなったというものです。どこから来るかといいますと、隣の家の床下にファンが付けてあるんですが、そのファンから殺虫剤が飛んできているのではないかということです。ここにファンがあって、ここに塀があるんですね。この塀を飛びこしてこちら)の方にきているらしいということで、実はファンの近くから試料を取って測定したんですね。ファンが動く前は痕跡で、動きだしたら470ng/m3という程度のスミチオンが検出されました。
 マイクロカプセル化されているために、あまり汚さないと言われているのですが、測定するとでてくる。実は、これを撒いたのが91年の6月、測定したのが1年後それでもでてくる。撒いた直後はもっとでていたのではないかという気がします。
 次は、私も聞いてびっくりしたのですが、これはある方の家で5月に畳替えをしたときに、そのすぐ上にダニシートというのを敷いて、その上にナフタリンを撒いて、その上にポチエチレンのシートを被せ、畳を敷いたのです。ところが、吐いたり、頭が痛くなったり、子供が鼻血が出たりなんかして、私のところに相談に来られたわけです。
 ここに写真がありますが、これがダニシートです。この粒がナフタリンです。ものすごい量ですね。大体畳3〜4畳に400g撒くというのが業者の規格だそうです。それで、具合が悪くなって、これはいかんというので畳を剥いでしまったのですね。ここの測定を見ましたら、1600ng/m3のフェンチオンが含まれていました。フェンチオン(MPPは有機リン系の農薬ですが、鳥に対する毒性が強くて、鳥殺しとして特許をとっているような農薬です。そういうのをこういうところで使っているわけです。
 次は、大阪の中之島図書館です。館内で殺虫剤をなぜ撒くのかと反対したのですが、最終的に撒かれてしまったので、私が図書館の方に頼んで空気を取っていただいて、測定したものです。散布した3日後から開館したので、それから測定を始めました。そうしたら最初はだいたい140ngくらいありました。4日目が80ngくらい。実はこの時にはせっせと換気扇を回していたんですね。それでもこのくらい残っている。それから6日目がちょっと上がっています。この日は11月28日で暖房を入れたんですね。温度があがったので農薬も余計出てきた。それから、ここは70日めです。それでも最初の10分の1くらいまでしか減ってない。非常に長期にわたって残っているということですね。
 次の例は、高槻市の公園で撒かれた例です。ここでノズルで桜の木に撒いています。ここは桜並木になっているんですが、大体、桜をこのようなところに植えるのが間違いです。川があってその対岸にもずいぶん農薬が飛んできました。撒いた後、市は何もしません。何もなかったように人はここへ遊びにくるんです。そこで大気中の農薬濃度を測定しましたら、このような非常に高いものが出てきたわけです。この散布前に、市は「芥川堤及び清福寺公園は4月23日午後1時から害虫駆除を行います」とだけ書いてあって、だからどうしろとは何も書いてないんです。こんな無責任な告知板はないと、薬剤散布をやめるよう市に申入れをしました。そうしましたら、二転三転したのですが、ここで撒いているのは防疫用殺虫剤を使っておりまして、これは法的に問題があると指摘しましたら、その後、必要な時期に、特に人に危害を及ぼすような害虫が出たら散布しますというように態度が変わりました。
で、もう一度、この資料を見ていただきたいのですが、ここに子供たちが遊んでいます。散布した直後に遊んだんですここで測定しました。結構汚れています。この遊具の表面をアルコールをしみこませた脱脂綿で拭きとってスミチオンがついていないかどうか調べたら、全部汚れていました。この土手ですが、散布中でも何の規制もありません。また、この日は中学生なんかも4、5人来ていましたが、子供たちがいても平気で散布しているわけです。公園でこれだけ吸い、図書館へ行くとまたそれだけ吸うわけですね。場合によったら、学校へ行っても吸いこむ。喘息だとか、アトピー性皮膚炎だとかの原因の一つに、日常的にこういう薬剤を吸いこんでいるということも考えないといけないと思うんです。
 私、いつもいうのですが、大豆が悪い、牛乳が悪い、卵が悪いということばかりいっていたのではいけないのではないか。本当は牛乳とか卵とかで一遍にアトピーが出てくるような体にしている、もう少し先のものに注意を向けてほしいと思います。
 アトピーとか、喘息というのは感受性の高い子供たちから、化学物質に漬かっているわれわれに対する警告だと受けとめて欲しい。そういう視点から家庭内での農薬を考えていただきたいと思います。(植村振作)
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作成:1998-04-01