空中散布・松枯れにもどる
t02901#松枯れ農薬スミチオン空中散布でスミオキソンを検出#94-09
広島県三原市の「公害をなくす三原市民連絡会」(沖三保子代表)は、94年6月22日の松枯れ対策として行われたスミパイン乳剤の空中散布後に、大気中からスミチオンの数千倍から1万倍の毒性(アセチルコリンエステラーゼ活性阻害)があると指摘されているスミオキソンが検出されたことを発表し、直ちに空中散布をやめるよう三原市に申し入れをしました。
スミパイン乳剤は、松枯れ空散用に開発された殺虫剤で、スミチオン(フェニトロチオン)が80%含まれています。液剤散布の場合、15−200倍に薄めて10アール当たり3−6リットル撒くようになっています(農薬ハンドブックによる)。これを一番高濃度の希釈率にすると、10アール当たり0.5リットルのスミチオンが撒かれることになり、非常に高濃度です。
スミチオンは以前から、浄水場で投入する塩素によってもっと毒性の強いスミオキソンに変化するのではないかと言われてきました。今回のスミオキソンは大阪大学理学部の植村振作さんが分析したのですが、スミオキソンを大気中から検出したのは、昨年の奈良県法隆寺での検出に続いて2回目です。植村さんはスミオキソンを自分で合成して分析可能になったものです。日本では他にスミオキソンの分析例はありません。
ともあれ、スミチオンが大気中で簡単にスミオキソンに変化することが明らかになったことは重大なことです。スミパイン乳剤などを空中散布するなどとんでもないことになります。
以下に植村さんの分析結果を掲載します。−略−
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作成:1998-04-01