街の農薬汚染にもどる
t04501#再び電鉄9社に中止申し入れー有害無益な「車内農薬消毒」#96-01
反農薬東京グループは、昨年6月、電鉄10社に車内消毒のアンケート調査を行いました。その結果、9社が安全対策や虫の生息状況の確認もなしに安易に農薬を散布している実態が明らかになりました。この結果をもとに、7月に無益な車内消毒をやめるように申し入れました(てんとう虫情報第36号、第40号)。しかし、各社とも期日をすぎても回答しないため、再度、中止の申し入れと回答を要求して以下のような文書を出しました。
また、使用されている薬剤は薬事法によって規制されるものもあるため、厚生省などにも働きかけ、指導を要求しました。例えば、ネオミケゾール、ネオデシゾール、フジゾールといったオルソジクロロベンゼンを成分とした薬剤は、蚊やハエの幼虫をを対象にしています。電車の中にウジやボウフラがいるのでしょうか。
ネオミケゾールの場合、使用場所として便所、下水、水溜め、糞集積所、塵芥溜め、不潔な場所となっています。電車や地下鉄で撒いてはいけないものです。いかに車内消毒が安易に惰性でなされているかを示しています。
これに対して厚生省は「薬事法で登録された薬剤は承認された用法用量で使用すべきだと思うが、薬事法は製造者を対象にしているので、使用者まで規制できない」としてきました。個人が少量自宅で使用するというものではなく、電車や地下鉄という公共の場での使用であることを考えると、納得できないものです。
「では、電鉄会社に用法用量を守るよう注意しろと、薬剤メーカーに指導することくらいはできるでしょう」との問いに、担当官は「時間を下さい」というだけでした。そして、「厚生省がこう言っていたと、そちらのグループで電鉄会社に知らせてあげたらどうですか。」などと仕事を押し付ける始末。いいかげんにしろ、厚生省と言いたくなります。
問題は、薬事法に違反しない形で殺虫剤を使えばいいということではありません。私たちはすべての車内消毒をやめるよう主張しています。
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再び「車内消毒」中止の申し入れ
新年おめでとうございます。昨年は、私どもの「電車、バス内の薬剤散布状況アンケート調査」にご協力いただきましてありがとうございました。
ところで、昨年7月31日付けで「アンケート結果報告」とともに、「車内消毒」を早急に中止するよう申し入れをおこなっていますが、まだ、お返事をいただいておりません。
先の報告にある通り、車内消毒に使用されている薬剤は、次の3種に大別され、それぞれ下に示すような問題点があります。
@有機リン系薬剤(MEP等)
北里大学での動物実験によると極めて微量で、花粉症のようなアレルギー症状を悪
化させる。
Aオルソジクロロベンゼン・クレゾール系
薬剤メーカーの話では、車内消毒は、製品の用途にははいっていない(とすれば、
薬事法に違反する疑いもあります)。
Bペルメトリン
アメリカの環境保護庁(EPA)が発癌性ありとしている薬剤である。
また、唯一車内消毒を実施していない都営地下鉄の担当者は、東京MXテレビの取材に対して、消毒をしなくとも、なんら乗客から苦情はないと答えています。
貴社におかれましては、以上のような事実に鑑み、百害あって一利なしと思われる電車内の車内消毒を中止するよう再度、お願いいたします。
御検討いただいた結果を2月10日までに、文書でお知らせくださるようお願いいたします。FAXでも結構です。
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作成:1998-04-01