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t05302#遺伝子組換作物がいよいよ食卓へ−消費者団体、厚生省へ反対の申し入れ#96-08
 食品衛生調査会バイオロジー部会が、7月23日、7種の遺伝子組替作物について、「組替えDNA技術応用食品・食品添加物の安全性評価指針」に適合している旨の報告を行ない、いよいよ遺伝子組替作物が食卓にのぼる準備が整いました。
 当グループは、遺伝子組替作物が自然環境や人の健康にどのような影響を与えるかが、よくわかっていないだけに、このような作物が世に出回ることに、まえまえから、危惧の念を覚えていました。また、遺伝子組替作物は農薬メーカーの利益のために研究されたものであり、より農薬使用が増えるものと思われます。そこで、日本消費者連盟ほかの消費者団体とともに下記の申し入れを厚生省に対しておこないました。
 なお、今回安全宣言がだされた農作物は以下のものです。
対象品種    性質    申請者       開発者
ダイズ    耐除草剤性 日本モンサント   モンサント(アメリカ)
ナタネ    耐除草剤性 日本モンサント   モンサント(アメリカ)
バレイショ  耐害虫性  日本モンサント   モンサント(アメリカ)
トウモロコシ 耐害虫性  日本モンサント   ノースラップ・キング(アメリカ)
ナタネ    耐除草剤性 ヘキスト・シェーリング・アグレボ アグレボ・カナダ(カナダ)
ナタネ    耐除草剤性 ヘキスト・シェーリング・アグレボ プラント・ジェネチック(ベルギー)
トウモロコシ 耐害虫性  日本チバガイギー  チバガイギー(アメリカ)
(注)日本モンサントの申請した耐除草剤性のダイズとナタネは、モンサント社が開発した除草剤グリホサート(商品名:ラウンドアップ)に耐性のあるもので、土壌微生物由来の遺伝子が組込まれており、グリホサートを散布しても枯死せず栽培できるとされている。また、ヘキスト・シェーリング申請の2種の耐除草剤ナタネは、同社が開発した除草剤グリホシネート(商品名:バスタ)に耐性のあるもので、放線菌や大腸菌由来の遺伝子が組込まれている。
 耐除草剤性作物は、農薬メーカーが自社の除草剤の販路を拡大する目的で開発したもので、消費者にとって何のメリットもない。除草剤の使用が促されることにより、環境汚染がひろがることも忘れてはならない。
 一方、耐害虫性のバレイショ及びトウモロコシに組込まれている遺伝子はBT菌のものである。この菌は、虫の消化器系を侵す毒素を産出することにより殺虫効果があるとされ、81年に農薬登録されている。しかし、生菌殺虫剤が人に対して食中毒の原因になるのではないかと疑われ、88年からメーカーが販売を自粛していた。92年11月に下痢毒素はないとの結論が出されているが、詳細は不明である。
申し入れ書−略−
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作成:1998-04-01