空中散布・松枯れにもどる
t06503#松枯れ農薬空中散布用NAC(セビモール)製造中止に!#97-06
松枯れ用空中散布農薬は、スミパイン乳剤(スミチオン80%)とセビモール水和剤(NAC40%〜50%)の2種類を使用してきました。セビモールの場合は、スミチオンがヒノキなどに薬害が出るため、ヒノキなどが混在しているところで使用するとなっていましたが、実際には惰性で使用していたところも多かったようです。
そのNACが突如、製造中止になりました。私たちが知ったのは5月になってからですが、林野庁や都道府県は4月上旬にわかっていたとのことです。何故、突然、製造中止になったのか、農水省植物防疫課に聞きました。それによると、WHO/FAOの残留農薬合同専門家会議(JMPR)がNACの原体メーカーであるローヌプーランに発ガン性に関するデータを提出するよう求めたが、ローヌプーランはそのデータが出せなかったため、何故か、日本の空散用NACに限って製造を中止したと、わけのわからない回答でした。
空散用セビモール水和剤の製造メーカーは熊本県に本社がある井筒屋化学ですが、井筒屋化学が自主的に製造をやめたというよりは、ローヌプーランから原体が入らなくなったため、やむをえず製造中止になったようです。農水省の言うことははっきりしないので、もっと詳しい資料を送るようにと要求しましたら、最近、NACに関するJMPRのモノグラフを送ってきました。これに関しては次号で詳しくお知らせいたします。いずれにしても、NACは安全だと20年間も空散し続けてきた林野庁の責任は重いと言わざるを得ません。現在、低毒性だ、安全だと盛んに宣伝しているスミチオンも、そのうちに新たな毒性がわかって製造中止になる可能性だってあります。(辻)

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作成:1998-04-01