室内汚染・シロアリ駆除剤にもどる
t06601#クロルピリホス(シロアリ駆除剤)の使用中止を求めて関係団体に要望書を提出#97-07
 シロアリ防除剤として一番多く用いられている有機リン系殺虫剤のクロルピリホスは、反農薬東京グループに寄せられている健康被害の原因物質としても一番多くなっています。また、97年に発表された国民生活センターの「シロアリ防除剤の安全性」という報告の中でも、クロルピリホスによる事故が一番多かったと報告されています。
 アメリカでは、96年11月にニューヨークで開かれた公衆衛生学会で、クロルピリホスとヒトの先天異常の関係が報告され、規制を求める動きが強まっていました。当初、メーカーのダウエランコは根拠のない主張であると反論していましたが、97年になって塗料、ペット用製品、家庭用ノミ取り剤などの使用を自主規制していました。
 その後、EPA(アメリカ環境保護庁)とクロルピリホス登録業者の間で、人の居住地区での使用禁止、ペット用品への使用中止などが合意され、アメリカでは家庭内でのクロルピリホス使用が規制されることになりました。
 日本では、相変わらず、シロアリ防除剤として多用され、しかも、「人にも環境にも安全な薬剤」と宣伝されています。とんでもないことなので、反農薬東京グループは、原体メーカーのダウエランコ、三共(株)などの製剤メーカー、建設大臣、厚生大臣、日本シロアリ対策協会、健康住宅研究会あてに、クロルピリホスの製造・使用の中止を求める要望書を提出しました。
 要望書と主な要望項目は以下の通りです。
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前文−略−
1.アメリカでのクロルピリホスによる人体被害、健康への影響についての苦情報告を知らせてください。
2.アメリカでは、クロルピリホスのシロアリ駆除剤や合板接着剤としての使用状況はどうなっているか。その実態と今後の規制への動きを教えてください。
3.日本でのクロルピリホスによる人体被害、健康への影響についての苦情報告を知らせてください。
4.大阪大学医学部の研究者によると、有機リン剤の解毒作用の人種差について、日本人の場合、解毒作用の弱い酵素を有する人の比率が欧米人に比べて高いとのことであるが、クロルピリホスの人種による影響の違いについては、どうお考えかお聞かせください(添付資料2参照)。
5.クロルピリホスをシロアリ駆除剤や殺虫剤として、住宅や合板接着剤に使用することは、人の居住空間に有害な有機リン剤をまきちらし、健康に重大な影響を与えるので、早急にクロルピリホス含有薬剤の製造・販売・使用を中止してください。
6.日本におけるクロルピリホスの輸入・販売を中止してください。

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作成:1998-04-01