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t07101#遺伝子組換え食品の表示を求める運動広がる−モンサント社の資料改ざん、食品衛生調査会のいいかげんさ#97-12
 遺伝子組換え食品は、次々と認可され、現在までに、殺虫成分を生成する遺伝子や、除草剤をかけても枯れない遺伝子を組みこんだ大豆、ナタネ、トウモロコシ、ジャガイモなどの作物、その加工品、キモシン、アミラーゼなどの食品添加物が市場に出回っています。また、12月3日に認可されたのがトマト、ナタネ、綿など5作物と食品添加物のリボフラビンで、これによって計6作物20品種、3食品添加物が認可されたことになります。
 遺伝子組換え食品は、法律によって規制されるのではなく、厚生省が定めた「組換DNA技術応用食品・食品添加物の安全性評価指針」に適合しているかどうかで判断されます。厚生大臣が食品衛生調査会に諮問しますが、実質的な評価は食品衛生調査会の中にある「バイオテクノロジー特別部会」で行われます。この指針は、慢性毒性試験などは省かれた非常に簡単なもので、申請さえすれば基本的に認可されています。
 市民団体が集まって結成した「遺伝子組換え食品いらない!キャンペーン」は、様々な運動を繰り広げていますが、特に、遺伝子組換え食品の表示を義務付けるよう精力的に取り組んでいます。現在までに表示を求める署名はキャンペーンが集約したものだけで100万人を超え、地方自治体などの決議や意見書も639(97年10月末)を数えています。
 こうした中で、96年10月に申請され、既に認可されているモンサント社の殺虫剤BT菌の毒素を生成する遺伝子を導入したイールドガード・トウモロコシに関する資料の改竄が問題になっています。
 健康情報研究センター(代表:里見宏氏)が食品衛生調査会の資料を克明に調査してわかったものです。モンサント社が提出した資料で、英文では、アミノ酸の組成に「有意差がある」と書いてあるのに、日本語要旨には「有意差はない」となっていたり、自社の未公開の内部資料組換え前のトウモロコシと組み換えてできたトウモロコシが「実質的に同等」だとしていました。「遺伝子組換え食品いらない!キャンペーン」は、食品衛生調査会と厚生省に質問状をだしています。
 遺伝子組換え食品に関しては、専門家が十分安全性を確認しているので、大丈夫だと厚生省や申請企業は言っていましたが、実は、その審査がいいかげんなものであったことが暴露されたわけです。
 また、モンサント社は、アメリカで生産者と直接契約を結び、その生産面積、生産量、栽培方法など詳細につかんでいるのに、日本では「モンサントは種を売るだけなので生産量などはわからない」としてきました。この点に関しても、キャンペーンはモンサント社に質問状を出しています。
★食品衛生調査会常任委員会を傍聴して−以下略−
新たな遺伝子組換え作物の承認、モンサント社の資料改竄問題−略−
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作成:1998-04-01