街の農薬汚染にもどる
t07403#ハエ・カ駆除の指導に関する要望への東京都の回答#98-03
−前略−
区市町村が行うハエ・カ駆除の指導についての要望について(回答)
−前略−
<要望1>早急に、区市町村による衛生昆虫駆除の実態と健康被害を把握するための調査をしてください。
<文書回答>これまでの調査によると、区市町村の害虫駆除事業は、環境衛生の維持・向上のためのものと伝染病予防法のためのものがあります。
駆除、駆除事業による事故や被害については定期的に報告を求めていますが、平成6年度に誤飲による事故の報告がありました。最近では、この件以外は、事故発生についての報告はありません。
<補足説明>実態は伝染病予防法に基づいてやっているのではない。伝染病予防法だと財政的にも都や国が金を出す。都は、ハエ・カ駆除に金は出していない。樹木への散布など伝染病予防とは関係ない。MXテレビのビデオを見たがあのような撒きかたは直ちにやめるべきだ。都もいろいろな場面で指導してゆきたい。近いうちに衛生関係の課長会があるので、そこで強く指導するつもりだ。健康被害調査に関しては、区が責任をもってハエ・カの駆除をしているので、都が独自に調査することはできない。区から協力要請があれば話は別だ。区民の健康に関しては、保健所長の責任である。
基本的に、あのような撒きかたはやめることが大事。やめれば健康被害の調査もする必要はない。
<要望2>次年度に、住民に薬剤配布する区市町村があった場合、次の内容を記載したチラシを散布地区に事前配布させてください。−中略−
<文書回答>都では薬剤を配布する場合の取り扱い上の注意事項について、従前より区市町村を指導してきましたが、今後とも主管課長会等を通じて、ご要望の趣旨も含め、さらに指導の徹底を図っていきます。
<補足説明>趣旨はわかるし、もっともだと思う。豊島区のチラシにはそのようなことが書いてあった。しかし,チラシにそう書いてあったからといって、きちんとした撒き方をしているとは限らない。ただ、都が指定する医療機関というのがない。
<要望3>薬剤に頼らない物理的駆除方法を研究し、普及させてください。
<文書回答>今後とも、適正な薬剤配布及び薬剤の使用上の注意の徹底を図るとともに、薬剤によらない駆除方法についても情報収集に努めていきます。
<補足説明>クスリの撒きすぎの風潮は根強くある。駆除から環境対策を含めた防除に変えていくべきだ。ゴキブリがこないような環境を作り、どうしてもだめな場合に初めてクスリを使うべきだ。住民の意識改革が必要 で、保健所の指導はこの観点からなされるべきである。
<要望4>万一、住民への薬剤配布・薬剤散布で事故が起こった場合、誰がどのような責任をとるのか明らかにしてください。
<文書回答>事故が発生した場合には、その状況に応じて関係法令により判断すべきものと思われます。
<補足説明>もし、区が自治会などに委託していれ ば、自治会の責任になるだろう。しかし、その場合、毒性や撒き方などのきちんとした情報を与えていなければ、区の責任になる。同じように、都が区に対して情報を与えていない場合には、都の責任になる。
以上のような回答でした。都がMXテレビのビデオを見て仰天したことは理解できました。しかし、このような撒き方を直ちにやめさせるために、都がどのような指導をするのかという点に関しては、回答は十分ではないと思います。実際に、どう指導するのですかと質問したとき、「近々、課長会があるのでそこで強く言いたい」とのことでしたが、これで4月からの散布がやめになるとは考えられません。
都の指導がどこまで受け入れられるか、今後の監視が必要になります。東京都の読者の皆さまのご協力をお願いします。取り敢えず、4月からのハエ・カの駆除の予定を聞いてご連絡ください。
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作成:1998-05-01