室内汚染・シロアリ駆除剤にもどる
t07507#国民生活センターが実施「健康住宅に関する調査」から#98-04
先日、国民生活センターから、室内汚染をテーマにした二つの調査、「健康住宅に関する調査」と「急増する“シックハウス症候群”−消費者被害注意情報(危害情報システムから)No.20」が発表されました。前者は、ハウスメーカー(公的住宅を含む)291社に対するアンケート調査、後者は、消費者センターに寄せられた苦情・被害を分析、とりまとめたものです。今号では、まず、「健康住宅に関する調査」を取りあげ、次号で、「急増する“シックハウス症候群”」を紹介します。
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調査報告書は、
1.「健康住宅」のイメージ/2.室内を汚染する化学物質/3.ホルムアルデヒドの指針値について/4.室内汚染被害について/5.健康住宅研究会について/6.「健康住宅」への取り組みからなっていますが、ここでは、誌面の都合で3.、4.を取りあげます。
★ホルムアルデヒドの指針値について(以下図はすべて省略)
・「知っている」は65%・「守らなければいけない値」は半数昨年6月、厚生省が、ホルムアルデヒドの室内濃度指針値(30分平均値で、0.1mg/m3(0.08ppm)以下)を提案したことを「知っている」のは、189社(64.9%)と約3分の2。残り約3分の1は「知らない」102社(35.1%)と答えている(図1参照)。さらにこの指針値についてどのように考えているかを聞くと、「住宅の建設に当たって守らなければいけない値と考えている」のは半数の147社(50.5%)。以下、「指針値に過ぎないので参考程度に考えている」64社(22.0%)、「わからない」57社(19.6%)となっている(図2参照)。
本報告書では、「この結論から言えば、室内濃度指針値を実効あるものにするには、ハウスメーカーへの周知をはかるとともに、何らかの規制力を持たせることも検討の必要がある」と指摘している。「苦情を受けたことがある」13.1%苦情原因の半数はホルムアルデヒド「シックハウス症候群」という言葉には、定まった定義はない。ここでは、新築・リフォーム時において、「刺激臭がする、目がチカチカする、頭痛がする、吐き気がする」などの症状、被害を「シックハウス症候群」と定義づけ、聞いてみた。その結果、最近1年間にシックハウス症候群の「苦情を受けたことがある」という回答が38社(13.1%)あった(図3参照)。
この38社の苦情件数(総数169件)の内訳を見ると、「1〜2件」が一番多く24社(63.2%)、以下、「3〜5件」が4社(10.5%)、「6〜10件」2社(5.3%)、「11件以上」2社(5.3%)となっている(図4参照)。この回答の中で一番苦情が多かったものは「75件」。この数字は、ある大手メーカーのものだが、販売規模も大きければ、これだけの苦情(被害)が起こり得ることを示しており、「シックハウス症候群」の被害が決して一部敏感な人たちだけのものではないことがわかる。なお、苦情のあった38社のうち約4分の3の29社が、苦情原因を調査している、それによれば、一番多いのは「ホルムアルデヒドによるもの」で26件(苦情原因の総数52件)で、ちょうど半分を占める。以下、「キシレン、トルエンなどの有機溶剤によるもの」が8件、「シロアリ駆除剤によるもの」3件となっている(図5参照)。
国民生活センターホームページ参照。
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作成:1998-06-01