空中散布・松枯れにもどる
t11302#林野庁が松枯れ空散で有機ほ場に配慮するよう通知#01-04
前号でお知らせしましたが、農水省は農薬空中散布に関して、有機ほ場へ農薬が飛散しないよう防止するのは、実施団体の責任とする生産局長通知(平成13年度農林水産航空事業推進方針)を出しました。この通知を受けて、松枯れ空散を実施している林野庁にも同様の通知を出すよう要望しました。
林野庁は事務連絡という形で文書を出すとしていましたが、その内容に「有機農産物の生産を希望する農家に対しても、特別防除の必要性及び安全性、使用薬剤、散布方法について周知徹底を図り、理解と協力を得るよう」などという文章があり、これでは、生産局長の通知と趣旨が違うと申し入れました。
林野庁は「誤解を受けるといけないので」と、その文章を削除して4月18日付で森林保護対策室長名の事務連絡を都道府県に出しました。
内容は、JAS法が改正された経緯を説明したあとで、「特別防除実施にあたっては、これまでも毎年度の推進方針、農帽実施基準等に基づき農業、漁業その他の事業に対して被害を及ぼさないよう適切な実施をお願いしてきたところですが、本年4月1日からの有機農産物に関する名称の表示の規制が開始されるにあたり、有機農産物のほ場に対しても薬剤が飛散しないよう十分な間隔をとる等留意いただくよう重ねてお願いいたします。なお、このことについて、関係する市町村への周知もよろしくお願いいたします。」となっています。
この通知の他に参考として、平成9年に出された事務連絡「特別防除の医療関係機関等への周知の徹底について」と付録の「特別防除に使用する農薬の中毒の症状と治療法」、「平成13年度農林水産航空事業推進方針」がつけられています。特に、平成9年の事務連絡は周辺住民へ万一の場合の影響について農薬中毒の症状を記述し周知徹底を図ることが書かれています。
これは、松枯れ空散の実施にあたっては地域住民にチラシ等で倦怠感、違和感、頭痛、めまい、胸部圧迫感、不安感および軽度の運動失調などの非特異的症状、吐き気、嘔吐、唾液分泌過多、多量の発汗、下痢、腹痛などの症状が出た場合は、実施主体が指定する病院で診察を受けるよう周知するということです。今年の空散のチラシをチェックしましょう。
★実施主体の自治体は厳格に守れ
松枯れ対策と称される農薬空中散布は、すべてが補助金で行われており、実施団体は国、都道府県、市町村です。当然、厳格に守ってもらわなければなりません。有機ほ場が近くにあれば、空散はできないものとすべきです。もちろん、以前から問題になっている学校、保育園、病院、水源などの周辺での空中散布も直ちにやめてもらわなければなりません。
今年の松枯れ空散の計画をお知らせします。これは国の補助金で行う分だけで、これ以外に県単独、市町村単独の事業があります。また、この面積は実面積で水田空散のように延べ面積ではありません。いずれにしても、まだまだ相当の面積で松枯れ空散が行われているわけです。
都道府県 空散計画面積(単位千ha) 都道府県 空散計画面積(単位千ha)
北海道 − 三重県 −
青森県 − 滋賀県 −
岩手県 0.1 京都府 −
宮城県 0.4 大阪府 −
秋田県 0.1 兵庫県 3.8
山形県 − 奈良県 0.1
福島県 2.1 和歌山県 0.2
茨城県 0.7 鳥取県 3.8
栃木県 0.2 岡山県 5.0
群馬県 0.1 広島県 3.0
埼玉県 − 山口県 1.9
千葉県 0.3 徳島県 0.0
東京都 − 香川県 0.9
神奈川県 − 愛媛県 0.4
新潟県 0.4 高知県 −
富山県 − 福岡県 0.0
石川県 1.6 佐賀県 0.0
福井県 0.6 長崎県 0.6
山梨県 − 熊本県 0.3
長野県 0.6 大分県 0.1
岐阜県 − 宮崎県 0.7
静岡県 0.8 鹿児島県 2.2
愛知県 0.2 沖縄県 −
計 34.4
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作成:2001-04-28