環境ホルモンにもどる
t11507#スミチオンの環境ホルモン作用が判明#01-06
 環境省の環境ホルモン戦略計画SPEED’98には、有機リン系の環境ホルモン農薬として、マラチオンがリストアップされていますが、私たちは、いままでの毒性試験結果から、同系のジメトエート、ダイアジノン、フェニトロチオン、DDVP、DEP、MPPなども要注意だとして、身の回りでの使用をやめるよう運動してきています(反農薬シリーズ13『農薬と環境ホルモン』p−60/p−137参照)。

 このほど、名城大学の田村さんを含むアメリカ・EPAの研究者の論文で、日本ではスミチオンとしてお馴染みのフェニトロチオンに抗アンドロジェン作用(偽の男性ホルモンとして働き、アンドロジェン受容体に本物の男性ホルモンが結合するのを妨げる)があることがわかりました。

 ヒトの培養細胞を用いた実験では、フェニトロチオンの男性ホルモン受容体の拮抗物質としての強さは、前立腺癌の治療などに用いられている抗男性ホルモン薬であるフルタミドに匹敵し、環境ホルモン系農薬である除草剤リニュロン(商品名ロロックス)やDDTの代謝・分解産物であるp,p’−DDEより、強かったということです。
 また、去勢ラットを用いた実験でも、フェニトロチオンは生殖器に関連する組織の有意な重量減少を起こし、抗アンドロジェン作用を示すことが判明しました。

 詳しくは、浜松医科大学の渡部さんのホームページをご覧ください。
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作成:2001-07-23