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t13106r#無登録農薬に関する要望・質問書#02-09
農水省8/17 農水省9/02 農薬工業会への質問 ナフサクメーカーへの質問 PCNBに関する農水省ほかへの要望 武部農水大臣への農薬取締法改定に関する要望
農薬対策室への質問 2002/08/17
 @先月末、山形県で、無登録農薬を販売していた業者が摘発されましたが、この件に   つきまして、以下の点をお尋ねしますので、お答えください。   (a)問題となったダイホルタンとシヘキサチン(水酸化トリシクロヘキシルスズ)     はそれぞれ、H1/12/25とS62/12/3に登録失効していますが、     その理由は何ですか。   (b)ダイホルタンとシヘキサチンについて、いままで、その毒性に関する注意を通     知されたことがありますか。あれば、通知文書をお示しください。   (c)ダイホルタンとシヘキサチンについて、登録失効後、回収等の指示はだされま     したか。通知文書があればお示しください。   (d)今回の事件に関して、貴省で、その経緯をまとめて公表してください。   (e)今回の事件に関連して、貴省がとられた指導や通知がありましたら、その内容     を時系列で、お示しください。通知文書があれば、それもお示しください。   (f)ダイホルタンとシヘキサチンの無登録農薬のそれぞれの販売ルートと販売量は     どの程度でしたか。わかれば、年度別地域別で教えてください。  A登録失効農薬と新規登録農薬について    2000年9月1日から2002年8月10日までの間に、新たに登録された   活性成分及び登録失効した活性成分について、下記のような項目で作成した一覧表   でお示しください。       種類 / 農薬成分名 / 初登録年月日 / 失効年月日  B本年4月に、PCPおよびPCNBの回収を指示されましたが、その後の回収状況   を都道府県別製剤別の数量でお示しください。

無登録農薬等に関する質問と要望 2002/09/02  農林水産大臣/農林水産省動植物検疫・農薬問題等食品安全性対策本部宛て   私達は、危険な農薬の濫用に反対して活動している市民団体です。以下の質問と   要望をいたしますのでご回答下さるようお願いいたします。    @去る8月17日、今回の無登録農薬事件に関連して、農薬対策室に質問状をだ   していますが、いまだ、回答がありません。早急に回答のほどお願いします。   さらに、以下の質問と要望をいたしますので、よろしくお願いいたします。  A貴省は、食品安全性対策本部を開き、全国すべての農薬販売業者を対象に無登録   農薬の販売状況について総点検なさるとのことですが、   (a)誰が、どのような点検方法・内容で点検するかを具体的にお示しください。   (b)山形事件では、県の関連部署に、無登録農薬販売の最初の一報があったのは    1991年であり、その後何度も検査したにも拘わらず、違法販売の確証がつかめ    ず、11年間も見逃されてきており、ようやく、今年6月に、山形県警らによる強    制捜査が入った後、1ヶ月余りで、業者が逮捕されるという経緯があったと聞い    ています。     これは、農薬取締法違反を取り締まるべき県による調査がいかに甘かったかを    物語っています。一斉総点検にあたっては、販売業者の帳簿点検、保管倉庫の点    検、業者仲間の噂などの聞き取りなどを、きめ細かく行ない、事実を見逃すとい    った落ち度のないよう厳正な調査をお願いします。   (c)山形事件で問題となったダイホルタンとシヘキサチンだけでなく、茨城県では、    ナフサクとPCNB、徳島県ではマンコゼブダイセン、の無登録農薬も発見さ    れたとのことです。     特に、ダイオキシン類を含有するPCNBについては、4月から、貴省の指示    で、業界団体は回収センターを設置して、回収体制がとられていますが、一方で    無登録農薬が販売されていたことは、おおいに問題があると存じます。     他の農薬についても、十分な調査をお願いします。特に、PCNBやこの4月    末でメーカーが自主的な製造中止・回収を実施しているマレイン酸ヒドラジド系    植調剤についても、農家の需要があり、無登録農薬がはいりこむ余地があると思    いますので、十分な調査をお願いします。   (d)登録失効した無登録農薬だけでなく、いわゆる非農耕地用農薬の販売についても     実態を調査してください。   (e)今回の事件では、販売業としての届出のない農業資材業者も販売にかかわって    いたようなので、無届出業者による販売状況についても調査してください。   (f)無届け販売業者の中には、ネット販売業者、通信販売業者、斡旋販売業者もいる     ようです。     販売業者について、届出の有無や帳簿を確認し、農薬取締法違反での取締を強    化してください。私どもが県の担当者に販売業者の確認をした際、届けがないこ    とがわかった業者に対して、その業者がいつから営業しているか確認もせず、す    ぐに届けをださすよう指導しますとの答えがかえってきました。営業後2週間以    上たっている無届け販売業者には、罰則を科することも辞さないとの姿勢が必要    かと思います。   (g)農業現場では、今回の無登録農薬の使用だけでなく、登録農薬の安全使用基準     違反や適用外使用、非農耕地用農薬の転用が問題になっていますし、行政監察     で、防除基準や防除暦、栽培暦にも不適合があると指摘されています。     これら、農薬使用上の問題点についても、今後の課題としてください。  C山形事件で問題となったダイホルタン、シヘキサチンは発癌性や催奇形性に問題が   あったということですが、これらを長年使用していた農家や散布地周辺に住む人達   の健康への影響が懸念されます。使用地域での健康調査や疫学調査の実施を検討し   てください。  D山形事件で逮捕された業者のひとつ、西日本物産の社長は、グリホサート系の除草   剤を販売している赤城物産の社長も兼ねているとのことです。   赤城物産は 農薬登録番号18813 グリホエキス液剤         農薬登録番号 19743 グリホエキス液剤0.4   を販売していますが、これらの農薬の農薬登録及びその後の登録変更について   お尋ねします。   (a)両農薬の登録及び登録変更年月日は何時で、その適用病害虫の範囲及び使用方法     はどうなっていますか。   (b)両農薬の毒性・残留性試験成績の内容はどのようなものでしたか。     申請時に提出されたものの内容について、     試験項目/実施機関/報告年月日/試験内容の概要をお示しください。   (c)赤城物産は、別にパラエキス6という除草剤を販売していますが、この成分は     何で、どのようなものに適用されることになっていますか。  E貴省は、違法無登録農薬や非農耕地農薬の販売使用及び安全性に問題ありとされた   農薬の回収について、行政担当部署、農薬製造業者、輸入業者、販売業者、農協な   どの農薬使用者団体に対して、どのような指導をなされてきましたか。    それぞれに対する通知がありましたら、1980年以後のものを時を追って、お示し ください。  F貴省は、今回の事件を踏まえ、農薬の製造販売規制の強化や違法農薬の使用者に対   する罰則規定を設けるべく、農薬取締法を改定する方針を打ち出したとの報道がな   されていますが、どういう内容の改定を検討しているか教えてください。

農薬工業会への要望 2002/09/02   今夏、山形県で発覚した、すでに登録失効しているダイホルタン、シヘキサチン  の無登録農薬の違法販売・使用事件は、全国的に拡大しており、農薬を製造・販売  する貴工業会にとっても、単に、一部の業者のことだとして看過できない問題と認  識されていることと思います。   私たちは、無登録農薬問題はこのような農薬取締法違反事例のほかに、現行法で  は、規制されない非農耕地用薬剤の農薬転用問題もあると考えており、微力ながら、  防止のための活動をつづけてきました。   無登録農薬をなくすという点では、貴工業会と共通する点もあると思い、お考え  を伺いたく、以下の質問をいたしますので、ご回答いただければ幸いです。  @今回の事件で逮捕された業者のひとつ、西日本物産の社長は、グリホサート系の   登録農薬を販売している赤城物産の社長も兼ねているとのことですが、赤城物産   は、貴工業会の会員だったことはありますか。  A貴工業会は、今回の事件の背景として、どのようなものがあったとお考えですか。   また、同様の事件の再発を防ぐには、どのようなことが必要だと思われますか。   お考えをお示しください。  Bわたしたちは、今回の事件のような無登録農薬はもちろんですが、法規制されない   非農耕地用の薬剤(特に除草剤)が農耕地に転用されていることも問題視し、以下   のようにホームページでも取り上げており、入手した情報は、農薬対策室にも通知   し、対策を求めているところです。       http://home.catv.ne.jp/kk/chemiweb/ladybugs/kiji/t10505.htm     この点について、貴工業会が2000年から、大々的な無登録農薬追放キャンペーンに、   取り組んでおられことも存じていますが、その成果のほどはいかがでしたか。    また、無登録農薬の販売実態については、貴工業会でも調査されていることと   存じますが、把握されている事例などの情報をできるだけ、具体的に教えてくだ   さい。      例えば、品目/商品名/販売地域/販売形態/販売数量など。  C私たちは、今回のような事件の再発防止や非農耕地用農薬の転用をなくすためには、   現行農薬取締法では、不十分と考えます。農水省も農薬使用者に対する何らかの規   制が必要だとして、法改定の方針を打ち出したと報道されています。    貴工業会は、無登録農薬取締りについての法改定をどのようにお考えですか。    具体的に法に折りこむべき内容、条文案などありましたらお示しください。

ナフサクについての質問書 2002/09/04  アグロカネショウ/協和醗酵/武田製薬/三共宛て   私たちは、農薬をはじめとする化学物質による人の健康や生態系への影響をで  きるだけ少なくしようと運動している市民団体ですが、この度、発覚した無登録  農薬事件を看過することはできません。   現在、農水省の指示で、全国の都道府県で実施されている農業現場への立ち入  り検査で、既に登録失効して久しいα−ナフタリン酢酸を成分とする植物成長調  整剤(登録時の商品名:ナフサク、テッカス、ヒオモン、トルペス、ほか)の違  法販売が明らかになっています。この薬剤は、メロン栽培農家を中心に相当浸透  しているように見受けられます。   ところで、このナフサクの毒性がどのようなものであるか、農水省がインター  ネット開示している資料をみても、記述がありません。  ナフサクが登録失効した1976年当時の新聞記事化学工業日報(1976年8月18日)に  よると、慢性毒性試験結果と消費量の少ないことから、メーカー各社が再登録しな  かったとの記述がみられます。   貴社におかれましては、登録に必要な毒性試験を実施しておられ、当時のデー  タを保持しておられると思います。   そこで、以下の点をご教示くださるよう、よろしくお願いします。  @貴社が登録されていましたα-ナフタリン酢酸系の農薬の登録期間はいつからい   つまでですか。登録製剤毎にお示しください。  Aα−ナフタリン酢酸を登録されている際、メロンは適用作物になっていましたか。  B貴社が、α−ナフタリン酢酸の登録申請時および、その後、実施した毒性試験に   ついて、その内容を明らかにしてください。また、どのような毒性試験結果が、   再登録をしなかった理由になったのですか。   実験内容/実施機関/実施時期/試験内容と結果 のような一覧のかたちで結構です。  Cα−ナフタリン酢酸系農薬製剤を製造販売されていた時、原体は、自社で生産さ   れていましたか。他社から購入されていましたか。購入の場合は、どこからです   か。  Dα-ナフタリン酢酸系製剤の活性成分であるα−ナフタレン酢酸以外に、製剤には   どのような補助成分が含まれていましたか。また、α−ナフタリン酢酸の合成過程   や製剤工程、分解過程などで生成して、製剤中に混入してくる不純物には、どのよ   うなものがありましたか、明らかにしてください。   協和醗酵よりの回答 2002/09/13    @4種のトルベス(1969/11/20〜1976)    Aメロンの適用なし。    B提出を義務付けられた長期毒性の試験について、着手すべく検討したが、採算性等     の問題から登録維持を断念した。    C他社から購入。    D当時の記録なく、他社から原体購入のため、答えられない。    ※他の三メーカーからも類似した内容の回答がきています。

PCNBに関する要望書 2002/09/07 農水省、群馬県、茨城県、石川県、長野県宛て   無登録農薬の販売使用調査の実施の中で、殺菌剤PCNBの違法販売の実態が判明  しつつあります。群馬県の報告では、一昨年までに、嬬恋村キャベツの栽培に8.8  トン使用されていたということです。   PCNBについては、メーカーが国内向け生産を中止していた、1999年3月、  当グループに寄せられた、赤城物産が 輸入販売しているとの噂があるとの情報を農  薬対策室にも伝えたことがあります。   2000年3月にPCNBは、登録失効し、今年の4月、農水省は、ダイオキシン  を含むとして、業界に回収を指示したところです。   私たちは、PCNB無登録農薬の使用について、以下の問題点があると考えます。     ・PCNBそのものに発癌性がある     ・PCNBは不純物としてHCB、ダイオキシン類などPOPs系物質を含む     ・PCNBもHCBも残留基準がないため、いくら残留していても食品衛生法      違反にならない     ・PCNBとその代謝物、HCB、ダイオキシンは、土壌への残留性が大であ      り、作物への移行や一般環境汚染も懸念される     ・無登録農薬は、不純物として含有されているHCBやダイオキシン類の含有      量が不明である。   PCNBの無登録農薬販売と使用が確認されたことに鑑み、以下の要望をします   ので、回答のほどよろしく。     @農薬販売業者への立入り検査で、PCNBについて、調査漏れがないよう、      検査を強化する。     A回収した無登録農薬PCNB中のHCB、ダイオキシン類の分析を実施し、      結果を公表する。     B無登録農薬PCNBが使用された畑の土壌、周辺の一般環境のPCNBとそ      の代謝物、HCB、ダイオキシン類の汚染調査を実施し、結果を公表する。     Cいままで、無登録農薬PCNBが使用された畑で栽培された農作物に残留す      るPCNB、HCB、ダイオキシン類の調査を実施し、結果を公表する。     D以上の調査結果がでるまで、無登録農薬PCNBを使用した畑で収穫された      農作物の出荷を停止する。     E回収したPCNBはダイオキシンやHCBを含む恐れもあり、厳重に保管の      上、その処理については、新たな環境汚染をおこさないよう万全を期する。   長野県よりの回答 2002/09/17     @立入検査につきましては、長野県のホームページで検査結果等を公表しておりま      すが、県内の2業者が無登録のPCNBを 260袋、5,200kgを購入し、そのうち      236袋を農家等に販売していたことを確認しました。      また、現在所在不明の1袋、販売先27袋については引き続き調査します。     A本剤については、全国的に流通している無登録の農薬であることから国等へそ      の成分の確認について要望しております。     B及びC無登録農薬PCNB剤を使用したほ場及び栽培された農産物の安全性・      信頼性の確保は大変重要な課題であります。      本事件は、全国的な問題でありますので、関連情報を収集し、国等と連携をと      りながら、必要に応じて対応してまいりたいと考えております。     D現行法では無登録農薬PCNBを使用したほ場で生産された農作物を出荷停止に      することはできませんが、生産者に対して出荷の自粛をお願いしております。     E販売業者や農家で使用されず在庫となっているPCNBにつきましては、国の指      示のもと、再販や使用、投棄することがないよう安全に保管・管理されています。      今後につきましては、適正な処理を指導します。     今回の事件につきましては、全国的な問題であり、国等と連携をとりながら、全容     の解明と再発防止に向けて鋭意、努力したいと考えておりますので、御理解の上、     御協力をお願いします。     ※群馬県からも上と類似した内容の回答がきています。   石川県よりの回答 2002/10/03     @立入検査を行う農薬取締職員を4名から19名に増員し、検査を強化します。     A本県で販売された無登録農薬のPCNB剤は、すべて販売業者が回収し、仕入れ      元の業者(東京都)返品したため、分析はできません。     B当面、調査を行う考えはありません。     CJAがPCNBについて、農作物の残留農薬分析を検査機関に依頼し、その結果      を公表しています。     D無登録農薬PCNB剤を使用した農作物は、全て廃棄処分されています。     EJAが、廃棄物として共同回収し、産業廃棄物処理業者に処理を依頼することに      なっています。

農薬取締法改定に関する要望 2002/09/10  反農薬東京グループは、段本幸男参議院議員  の紹介の下、 武部農林水産大臣に面会し、  現在、検討され、臨時国会に上程されようと  している農薬取締法改定案について、下記の  事項を要望しました。           *   *   *   *   *   武部農林水産大臣 様   日本農業発展のための連日の激務に感謝いたします。   私たちは、20年近く農薬による健康・環境への悪影響をなくすために活動を続けてきた  市民団体です。   今回、無登録農薬の全国的な使用が明らかになったことを契機に、大臣が農薬取締法の改  正を指示されましたことは、大変喜ばしいことと思います。 私たちも、長年、寄せられた  健康被害の訴えを解決するためには農薬取締法の改定が必要であること痛感してきました。   今回の改定に際して、是非とも、住宅地など生活環境での農薬使用も規制に盛り込んでい  ただきますよう、お願いいたします。   既に、身近な場所での農薬使用による健康被害の訴えは担当課にも数多く寄せられ、「平  成14年度農薬危害防止運動の実施について」でも「居住区域と近接した地域における農薬  の散布作業に従事する者に対し、周辺住民の健康及び生活環境の保全に留意し、農薬の適正  な使用方法を厳守するよう指導する」と書かれています。   しかし、行政指導では不十分です。   以下、私たちの要望をあげますので、ご検討いただきますようお願いいたします。   ■農薬取締法改定に関する要望■    農薬は製造→販売→使用→廃棄の順に規制がゆるくなっているため、販売、使用、廃棄    の規制を厳しくしていただきたく思います。      1,販売・防除業は有資格者の許可制にすべき。      (現状は、誰でも業を始めて2週間以内に届け出れば可)    2,農家、一般の使用者も免許・資格制度にする。      (現状は何の規制もない)      3,違反者の罰則強化。      (現状は輸入販売業者・使用者の罰則なし)    4,非農耕地用農薬の農薬取締法適用(除草剤)      (無登録農薬が堂々と売られており、農地に転用されているケースもある)    5,生活環境での農薬散布規制。      (散布地周辺で健康被害者が急増しているのに何の規制もない)    6,残農薬などの廃棄の適正化。回収の義務づけ      (農薬の空容器が廃掃法で規制されているだけである)      (参考資料)    1,カナダの新しい「病害虫防除製品法」上程    2,イギリスの使用者の資格制度    3,アメリカの使用者の資格制度    4,農薬毒性の事典改訂版

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作成:2002-09-09、更新:2002-10-22