環境ホルモンにもどる
t13208#農水省のこんな姿勢が問題だ−環境ホルモン農薬に関する通知#02-09
環境省の環境ホルモン戦略計画SPEED'98のリストには、疑いのある化学物質として、多くの農薬が記載されています。このリストにある農薬を県の防除基準・指針から除いてほしいという環境保護団体からの要望は、当初、拒否されましたが、2001年になって、一部の地域で実現しつつあります。
一方、農薬業界は、農薬については、十分な毒性評価の上で、登録されているものであり、、環境省に、環境ホルモンリストからはずすよう求めており、防除基準から除くのは、もってのほかで、農薬登録制度の根幹にかかわるものだというわけで、農水省に善処するよう申し入れました(参考:日本農薬工業会の見解)。
このような業界の意向をくんだ農水省は、2001年12月28日「農薬と内分泌かく乱作用の関連について」という以下のような主旨の通知を各地の農政局宛てにだしています。
・環境ホルモンリストにある化学物質はかならずしも科学的根拠のあるもの
でない。
・農薬については、登録に際して、内分泌かく乱作用の典型的な結果とされ
る生殖や次世代に及ぼす影響等毒性や残留性にかかる試験成績の提出を求
め、これを厳正に検査し、安全性が確認されたものに限って登録している。
・現行の登録農薬の内分泌かく乱作用の影響に関しては、これまでの科学的
な評価の結果、問題ない。
・SPEED'98リストアップ農薬が、あたかも内分泌かく乱作用を有する農薬とし
て扱われるのは誤解である。
・一部都道府県防除基準から削除される等の対応があるが、これは、上記誤解
からくる『混乱』ある。
・今後、そのような『混乱』がないよう、都道府県に徹底指導されたい。
というものです。
免疫系・神経系・生殖系などへの影響が複雑にからみあった内分泌かく乱作用が、科学的に解明されるのは、なるほど、これからでしょう。しかし、リストアップされた農薬の中には、生殖毒性等を示すものもありますし、別の代替農薬もあります。疑いのある農薬を使いつづけなくとも農業現場はやっていけるとよと防除基準で示しているものを、上のような通知で阻止しようとする、農水省の対応はまるで逆で、安全性をもとめる消費者に眼をむけない、あいもかわらぬ姿勢が如実に示されています。
参考:農水省の内分泌かく乱物質対策関連ページ
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作成:2003-03-22