改正農薬取締法関係にもどる
★★混乱必至の改正農取法は凍結せよ−拙速な罰則強化と自然・生活環境汚染を軽視★★

 改正農薬取締法に伴なう「特定農薬」と「農薬使用基準」に関する答申は、1月30日にだされましたが、すぐに実施されると思われていた省令についてのパブリックコメントは募集期間が、環境省2月10日〜24日、農水省12日〜25日となりました。3月10日の法施行までの実質8日間で、公募意見の内容を検討して、省令を練り直すということなど不可能です。

 共省令でありながら、省にによってパブコメ実施が異なるという変則的なやり方は極めて異例で、その裏には、あまりに拙速な法改正のため、省間の意志疎通が十分でないことや施行にあたっての条文作成に手間取っていることが窺われます。

 その上、パブコメの資料をみても、「特定農薬」については、指定が保留されたものが大部分で、今後どのようになるか不明ですし、「農薬使用基準」については、その「考え方」が提示されているだけで、省令の条文とその運用や施行規則の具体的内容がどのようなものになるか見えてきません。このことは、改正法によって罰則を科せられる農薬使用者にとって大問題ですし、農薬使用を指導する立場にある人にとっても戸惑いを与えるものです。このまま3月10日に改正法を強行することは、農業現場に大きな混乱を招くに違いありません。

 さらに「農薬使用基準の考え方」では、自然及び生活環境の汚染防止が軽視されています。防除業者届出制を廃止した/農薬容器に表示されている具体的な使用上の注意が遵守義務になっていない/非食用作物には適用遵守義務がない/適用病害虫については遵守義務がない/マイナー作物について適用外使用を認める等々は、従来以上に安易な農薬使用の拡大につながる恐れがあり、生活環境での農薬汚染に苦しむ人たちに、一層の苦痛を与えることになります。

 制度的な改革を伴わない拙速な罰則強化の矛盾が、施行を前に一気に吹き出した感じがします。改正法の3月10日施行を凍結し、今通常国会で、抜本的な農薬取締法を実施するよう提案します。2月25日締切の農水省パブコメ(特定農薬農薬使用基準)で、このことを要請するとともに、農業団体、地方自治体、国会への働きかけを強めていきましょう。
購読希望の方は、〒番号/住所/氏名/電話番号/○月発行○号からと購読希望とかいて、 注文メールをください。
年間購読会費3000円は、最初のてんとう虫情報に同封された振替用紙でお支払いください。

作成:2003-02-14