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t14001#住宅地等生活環境での農薬散布規制の要望に回答−早急に通知を出すと農水省は言うが・・

 4月23日、参議院議員会館で、住宅地等生活環境での農薬散布の規制を求める農水省・環境省との話し合いをもちました。要望書の賛同団体(4月22日現在30団体)から18名、岡崎トミ子参議院議員と農水省・坂野審議官、澤田農薬対策室長、環境省・早川農薬環境管理室長が出席しました。

 【要望1】生活環境での農薬使用、原則禁止について
  【回答】
    まず、農薬を使用しないということだが、金沢とか、埼玉県の取組等があるの
   でその結果、どういう状況かと聞いてみた。なかなか人手がかかって大変だとか
   いう話とか、住民の理解を得ることが必要だとかの話があった。いろんな方の協
   力がないとできないことだと思ったが、そういう方向でできるんであればやれる
   ということで、ご意見を踏まえながら指導文書を作っていきたいと思っている。
   その辺はお知恵をいただきながらやれるかなと思っている。
  【質問】指導通知とは何か。
  【回答】生産局長の名前で出す。防除業者の届け出制がなくなったという話があっ
   たが、防除業者は自分の意志で撒いてはいない。防除業者に頼んでいる人たちが
   いる。それは自治体であり、学校とか、主に公共機関、公共施設が防除業者に頼
   んでいる。そこの機関は農林省を超えて、国土交通省、文部科学省、厚生労働省
   等だ。私どもからそこに文書を出そうと思っている。こういう趣旨で考えている
   ので、防除については注意して、農薬に過度に頼らないような方法を考えながら
   防除してくれということをお願いしようと考えている。

 【要望2】病害虫の発生状況の調査と、やむを得ず、使用する場合の散布方法について
  【回答】
    過度に農薬に頼らない方法を考えていきたい。「容器表示の使用上の注意を遵
   守」するということは当然のことだ。「人の健康及び安全な方法で、最小限の農
   薬を使用し、スポット的に行うこと」で、これもただ農薬を使えばいいというこ
   とではないということだ。「また、複数農薬の自家混合散布を禁止し」という点
   だが、自家混用については、効果とか薬害とか作業者の安全性が把握されていな
   いということがあり、使う場合は混合剤、製剤化して売っているものを使うよう
   指導してます。混合については決して進めているわけではない。
    「夜間や降雨が予測される時の散布を禁止する」だが、夜間は人がいない時に
   撒くといことだと思うが、逆によくないということか。

 【要望3】やむを得ず、農薬散布する場合、周辺住民等への通知について
  【回答】
   当然やっていかなければならないことだと思う。

 【要望4】化学物質過敏症患者は避難費用の負担について
  【回答】
    これは3番の要望のいつ撒くとか、どこに撒くとか知らせて、必要な場合に撒
   くというふうに知らせて、その場合には避難する。費用負担までどうのこうのと
   いうのはなかなか難しい話だと思う。

 【要望5】健康被害を生じた場合、散布者の対応と行政窓口について
  【回答】
    被害が生じたことが明らかであれば、当然被害者と散布者、場合によっては第
   三者を含めて話し合いを行う。必要な相談は皆さん関係する行政機関とか、相談
   されていると思う。農薬散布のトラブル専門の窓口を作れという話はなかなかで
   きない。

 【要望6】市民農園や家庭での農薬使用者の教育と小売店について
  【回答】
    買いにくる人に情報をちゃんと与えなさいというだが、農薬取締法が改正され
   て、私どもどうやってすべての国民の方に知らせていくかということで、いろい
   ろ考えている。一つは市民農園に対しては、もちろん、これも使用者罰則がかか
   るということで、十分に注意してもらうということで、農林省に市民農園を担当
   している部局がございまして、ここを通じて、通知している。そのほか、地方自
   治体の方々に広報誌、機関誌に農薬取締法が改正されて、決められたルールに従
   わないと罰則もあることを掲載させてもらっている。農林省にもホームページに
   農薬コーナーをつくっている。農家向けには、タブロイド版の新聞のようなもの
   をつくって、390万部、印刷して各農家に配布している。テレビで何度か報道
   してもらっている。
    小売店への指導も当然必要なので、今後いろんなルートを使ってやっていくつ
   もりだ。

 【要望7】農薬大気汚染濃度を測定について
  【回答】
    通常の散布、あるいはわれわれの調査だと3日間くらいで検出されなくなる。
   一年中出るという話ではない。長くても5日間だ。空中散布の評価値について濃
   度を測定しているが、住宅地での場合、出てきた数値をどう考えるかということ
   があるので、評価値などの目安をつくってから考えたい。

 【要望8】生活環境の隣接地での、減農薬や無農薬有機栽培への転換について
  【回答】
    今回、農薬使用基準の中に住宅地もいれている。横浜市の例などを参考にして
   検討したい。
 参加者からは生活環境での農薬散布を禁止すべきだとの強い要望が出されましたが、農薬対策室長は「通知に禁止という言葉は入れられない」と拒否しました。
また、通知を出す前に要望団体に見せてほしいという要望も拒否しました。農薬対策室長は「省令に住宅地周辺での農薬散布の項目を入れたのは私だ。通知には皆さんの要望をできるだけ入れて出したい。信頼してほしい」と繰り返しましたが、今までの農水省の対応を考えると無条件に信頼もできません。
 早急に出すと言いながら5月25日現在、まだでていません。
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作成:2003-05-25