街の農薬汚染にもどる      臨時増刊資料集:脱農薬蚊対策のすすめ
t14303#ウエストナイル熱対策の航空機での殺虫剤散布−当局の指示に従うと航空会社回答#03-08
 記事t14203で、西ナイル熱に関連して、厚労省が航空機への殺虫剤散布を指導するよう通知を出したこと、それに対して、化学物質過敏症支援センターと反農薬東京グループが厚労省、検疫所、航空会社などに要望と質問を出したことをお知らせしました。一部回答がきています。また、8月6日に、厚労省結核感染症課から回答を聞いていますので、それもあわせてお知らせします。

★航空会社からの回答
 航空会社からは、全日本空輸株式会社と日本航空から回答がきました。
 → 回答の詳細は本誌で
    <質問1>航空機内での殺虫剤処理について、ガイドラインのような
        殺虫剤散布はやめていただきたいと思いますが、貴社は、ど
        のようお考えですか。

    <質問2>殺虫剤を使用する旨の乗員・乗客への告知、使用する殺虫
        剤の人体毒性の乗員・乗客への周知、健康被害がでた場合の
        対処方法はどうされますか。

    <質問3>貴社では、機内の蚊対策にどのような方法をお取りですか。

    <質問4>既に、航空機内で、殺虫剤処理を実施されたことがありまし
        たら、その路線名、薬剤使用状況(薬剤名、使用方法、使用量
        等)を教えてください。

    <質問5>また、散布後の機内の空気中の殺虫剤濃度調査や殺虫剤散布が
        原因する乗員・乗客の健康被害報告があれば、その内容を教えて
        ください。
 回答によると、オーストラリア便はオーストラリア政府により殺虫剤散布が義務づけられているということです。また、中国便は殺虫剤の搭載が義務づけられていることがわかりました。北米からの便について、殺虫剤散布をしているのかどうかはっきりわかりません。

★検疫所の回答  13検疫所に発送しましたが、回答がきたのは名古屋検疫所だけでした。それも電話での回答でしたので、まとめてお知らせします。質問は以下の2点です。
 → 回答の詳細は本誌で
    <質問1>殺虫剤を使用しない方法を求めていますが、貴所は、どのよう
        にお考えてですか。
    <質問2>航空会社に対して、どのような指導をなさるのか、具体的な内
        容を教えてくださるようお願いします。また、指導文書があれば、
        それをお示しください。
        容を教えてくださるようお願いします。また、指導文書があれば、
        それをお示しください。

★厚労省結核感染症課の回答
 8月6日、航空機への殺虫剤散布に関する要望と質問に対する回答を厚労省結核感染症課中嶋補佐からCS支援センターの網代さんと反農薬東京グループの辻が聞きました。
 ガイドラインに示されたとおりに殺虫剤散布をした場合、どのくらいの農薬濃度なのかということに関して、データはありませんでした。しかし、厚労省は「WHOが安全としている方法が3つあるが、ガイドラインでは、乗客に直接かかるような方法は入れず、2つに限定しているから安全だ」の一点張りでした。 以下、質問への回答をまとめます。  → 回答の詳細は本誌で
    <質問1>機内における蚊の捕集調査結果は?

    <質問2>WHOの勧告の昆虫防除のための3つの方法のうち、ガイドライン
         で、搭乗前と残留噴霧処理の2方法の実施を求めたことについて

    <質問3>ガイドラインでは、ペルメトリン、フェノトリンの使用を求めた
         が、これらの薬剤の毒性は?


    <質問4>ガイドラインに「出発1時間以内、旅客が搭乗する前に、機内空
         調をとめて、客席は、1秒1歩の速度で歩行しつつスプレーする
         こと。トイレ・衣服ロッカーは2秒噴射、乗員休息区域・フライ
         トデッキは3秒間噴射する」という処理方法を示された根拠はな
         にか。この時、1機あたりに散布される殺虫剤量はどの程度か。

    <質問5>乗員室、客室、貨物室等を8週間毎に殺虫剤の残留噴霧処理をする
         とあるが、1回につき、どのような薬剤がどの程度の量使用され
         るか。
    <質問6>機内の空気中の殺虫剤濃度はどの程度になるか。気中濃度の経時
         変化を示されたい。
    <質問7>殺虫剤使用後、換気することが求められるが、航空機内の換気と、
         殺虫剤気中濃度の関係はどうなっているか。殺虫剤スプレー後の
         換気や、乗員・乗客の立ち入り禁止期間を設けていないのは何故か。
    <質問8>ペルメトリンは低蒸気圧で、機内の座席や床・壁面など付着した
         ものが蓄積する恐れがあり、肌に触れたり、乳児がなめたりする
         ことも考えられるが、座席や壁面の殺虫剤付着量はどう変化して
         いるか。

    <質問9>機内での殺虫剤処理による食品の二次汚染はないか。

    <質問10>殺虫剤散布により、乗務員や乗客の影響調査や健康被害がでた
          例があれば、示されたい。

    <質問11>殺虫剤を使用する旨の乗員・乗客への告知、使用する殺虫剤の
          人体毒性の乗員・乗客への周知、健康被害がでた場合の対処方
          法はどうなっているか。
    <質問12>離陸前の殺虫剤処理が確認されていない場合の検疫所の対応は
          どうなるか。 乗客・乗員の居るところでの殺虫剤散布もある
          のか。
    <質問13>該当殺虫剤が貨物室等の農作物に付着した場合、食品衛生法違反と
         なる場合が、考えられるが、どのように対処されるか。
    <質問14>WNV以外に、日本脳炎、マラリア、その他、蚊が媒介する感染症の
         発生国からの航空機の場合も、同じような殺虫剤処理を求めている
         のか。
  【関連記事】アメリカで航空機内の農薬消毒に警告
  【参考資料】Beyond Pesticides ニュース(2003-10-10)より
       運輸省が航空機内での殺虫剤代替方法の検討開始
       フォトストーリー,殺虫剤散布の関連サイト(ビデオ映像有)

購読希望の方は、〒番号/住所/氏名/電話番号/○月発行○号からと購読希望とかいて、 注文メールをください。
年間購読会費3000円は、最初のてんとう虫情報に同封された振替用紙でお支払いください。

作成:2004-01-25