改定農薬取締法関係
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t14601#通知「住宅地等の農薬使用について」−行政に質問し要望を出そう#03-10
9月16日に、農水省消費・安全局長名で出された通知については前号でお知らせしましたので、ご存じのことと思います。
この通知を、末端の農薬使用者・委託者に周知するため、関係部局から新たな通知が出されています。10月22日までに出ている通知は以下の通りです。他に、厚生労働省医政局、厚生労働省社会援護局、環境省自然環境局などから出される予定です(関連省庁通知へ)。
日時 発出人 宛先
9月24日 文部科学省スポーツ・ 都道府県教育委員会学校
青少年局学校健康教育課長 保健主管課長など四者
9月25日 国土交通省都市・地域整備局公園緑地課長 各地方整備局建政部長
9月26日 林野庁森林保全課長 森林病害虫防除担当課長
10月22日 厚生労働省健康局長 都道府県知事・政令市長・
特別区長(衛生主管あて127箇所)
最近、まだ学校や行政などの農薬散布をやめてもらいたいという相談が増えています。この通知を活用してやめてもらいましょう。まず、農薬散布者がこういう通知が出ていることを知らないケースが多いので、てんとう虫情報や農水省のホームページから複数部をコピーしておきましょう。そして、以下のような内容の質問や申し入れを行なってはいかがでしょう。
来年度の予算が決まる前の今年中にぜひ、市町村などに働きかけてください。その結果をてんとう虫情報に報告して頂ければ幸いです。
★市町村への質問
これからの季節は農薬散布はあまりないと思いますが、来年に向けて準備しておく必要があります。まず、市町村長宛に通知を添えて、質問しましょう。その内容は
1,このような通知が出されていることをご存知ですか。下記、いずれかに印
を付けて下さい
a) 都道府県等から通知があった。
b) マスメディア(新聞、テレビ、ラジオ等)等を通して知った。
c) その他(具体的に)
2,従来、市町村が委託者として農薬散布してきた場所は、どこですか。どの
程度の予算で実施してきましたか。
3,上記の場所について今後どのように対応されますか。具体的に回答してく
ださい。
4,公営農園や家庭菜園、個人ガーデニングなどで頻繁に農薬散布が行われる
事例がありますが、どのように対応されますか。この通知が個人にも適用
されることを市町村民にどう知らせますか、具体的な回答をお願いします。
5,通学路周辺で農薬散布する場合、「当該学校や子どもの保護者等に対する
周知及び子どもの健康被害防止について徹底すること」とありますが、学
校、通学路周辺での農薬散布状況をどのように把握されますか。
6,健康被害の相談を受け付ける窓口をどこに設置しますか。
7,タバコについては、受動喫煙防止のため禁煙条例を設けている自治体もあ
ります。生活環境での農薬散布による受動農薬による健康被害防止のため、
通知の主旨をくんだ独自の条例を制定するお考えはありませんか。
などでどうでしょうか。個別に付け加えるなり、削除するなりしてその地域の実情にあったものにしてください。
★学校・教育委員会へは
次に、今年度、農薬散布してきた学校などですが、来年度の予定を聞きながら、どうしても農薬散布するなら、以下の事項についてどう対応するつもりか聞きましょう。市町村の教育委員会が一括して農薬散布を契約している場合がありますが、その時には、市町村の教育委員会に聞けばいいわけです。
1,どの木にどのような害虫がいて、どういう被害があるから農薬散布するので
すか。
2,農水省・文科省・国交省の通知では住宅地等では、「定期散布をしないこと、
被害が発生した場合せん定や捕殺防除を行うよう最大限努める」とあります
が、どのような対応を取りましたか。
3,病害虫防除とは、殺虫、殺菌、除草等をさします。通知には、これらを目的
とした農薬をやむおえず使用する場合でも、散布以外の方法を検討するとあ
りますが、どういう検討をしましたか、校内の樹木・花卉、学校菜園、校庭・
運動場の除草等について、具体的にお答えください。
4,散布者は誰ですか。
5,もし、今年度に散布していたとしたら以下の注意事項をきちんと守りましたか。
@農薬取締法に基づいて登録された当該防除対象の農作物等に適用のある農薬
を使用しましたか。使用した農薬名、そのMSDS(化学製品安全データシ
ート)、使用上の注意事項、散布する農薬製剤容器包装に添付された農薬ラ
ベル(またはそのコピーか同等の文書)を提出してください。
A使用方法(使用回数、時期、濃度等)、使用上の注意事項を守りましたか。
B近隣に影響の少ない天候の日や時間帯を選びましたか。何日の何時から何時
まで散布したかお知らせください。その時、子どもたちはどこにいましたか。
C周辺住民に事前に農薬使用の目的、散布日時、使用農薬の種類について十分
周知しましたか。その方法はどのようなものですか。(チラシ、マイク、立
て看板、その他)
D散布方法はどのようなものでしたか。(動力または手押し噴霧器(或いは手)
による散布、塗布、注入等)
E散布作業時に立て看板の表示等により散布区域内に関係者以外が入らないよ
う最大限の努力をしましたか。その方法はどのようなものですか。
F子どもの保護者に周知しましたか。
G子どもの健康被害防止についてどのような措置をとりましたか。
H子どもの健康被害の訴えはありませんでしたか。もし健康被害の訴えがあっ
たとすれば、その時どのような措置を執りましたか。
6,農薬を使用した年月日、場所及び対象植物等、使用した農薬の種類又は名称、
使用した農薬の単位面積当たりの使用量または希釈倍数について記帳しまし
たか。それはいつまで保管しますか。
7,来年度以降も農薬散布を続けますか。
たとえば、学校の場合、校長や教頭などの責任者が「そんな通知は知らない」という場合があります。その時には、直ちに都道府県の教育委員会に電話をして、学校の責任者が知らないのはなぜか、問い合わせましょう。話し合いの場から電話してもいいと思います。
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作成:2003-10-25