空中散布・松枯れにもどる
t15508a#宮城県で無人ヘリコプター架線事故#04-07
6月14日、宮城県亘理町で、水田で農薬散布をしていた無人ヘリコプターがJR常磐線の架線に引掛かり、運行に支障をきたすという事故が起こりました。
 有人ヘリコプターによる農薬空中散布面積は減少傾向にありますが、無人ヘリコプターの散布面積は、2001年39万7849ha、02年44万492ha、03年56万2800haと増加しています。 2003年の無人ヘリの台数は1905機、オペレーター資格者は8117人となっています。
 折りしも、農薬危害防止月間の最中であり、私たちは、この事故について、亘理町へいくつか質問をしました。以下に、回答をまとめましたので報告します。
 【質問】事故発生の概要を教えてください
 【回答】
  事故発生時、機体に農薬オリゼメート粒剤、10 kgを積載していました。農薬は
  機体に積載したままの状態で飛散しておらず、環境等への汚染の問題は全くあり
  ませんでした。機種はヤンマーハインヘリコプターYH300(全長約4メート
  ル、自重61.5kg、積載量24kg)、機体の保守、整備についてはメーカー側で作業
  前に実施。事故原因は機械的な要因でした。

 【質問】事故後、空中散布の実施は継続されましたか。それとも、中止になりました
  か。
 【回答】
  事故後は、直ちに全機散布を中止し、全機体の総点検を実施。対策会議を開き原因
  究明後に実施することに決定しました。
 【質問】今回の散布の実施状況を明らかにしてください。
 【回答】
  水稲いもち病予防のための防除であり、協議会は亘理町、JAみやぎ亘理、農業共
  済組合、土地改良区、県農業改良普及センター、農家代表者等農業関係機関で構成
  しており、実施者は亘理町航空防除推進協議会です。
  機種はヤンマーハインヘリコプターYH300、14機とRPH2(注:全長5.3m 
  自重230kg 積載量60kg)、2機で計16機。作業は1機に対しオペレーター2名と現地
  作業協力員2名、各責任者、連絡等の作業員など計63名の体制で、平成16年6月14日
  〜16日の3日間で亘理町内の水田2,030ha、オリゼメート粒剤20(農林水産省登録第
  16019号、成分:プロペナゾール20%)を10aあたり1kgの散布計画で実施しました。
  当日の天候は晴れで、気流も安定していました。−中略−
  経費は農家が負担しており、10aあたり2,390円の予定となっています。業者につい
  ては、協議会がより安全で体制的にすぐれている業者を選定しました。
  作業開始前にオペレーター等、作業従事者全員で集合し散布上の注意事項等を確認
  し合い、円滑かつ適切な作業の徹底を図りました。

 【質問】今回の空中散布等実施計画の策定及び実施に当たって、関係指導機関から、
  指導・助言を受けていましたか。
 【回答】
  実施にあたっては、国・県からの無人ヘリコプター利用技術指導指針、無人ヘリコ
  プター適正利用指導方針、並びに農林水産航空事業実施ガイドラインに従い指導を
  受けています。JR架線の他、危険箇所を含め注意・指導されています。
 【質問】散布関係者、周辺住民、通学通勤者及び周辺環境等への影響が十分に配慮し
  されていましたか。
 【回答】毎月発行の町広報誌に実施内容を掲載し周知しています。また、広報無線に
  より前日より毎日放送で注意を呼びかけています。

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作成:2004-10-25