環境ホルモンにもどる
電子版「脱農薬てんとう資料集」No.2 3月10日発刊 <環境ホルモンSPEED98→ExTEND2005批判>

t16202#環境ホルモンリストの拙速な廃止に反対しよう#05-02

 環境省が公表したSPEED98見直し案についての当グループのパブコメ内容は、てんとう虫情報に載せきれませんので、近日中に、電子版の資料として発行する予定ですが、ここでは、疑わしい化学物質リスト廃止の問題をとりあげておきます。

★何故か、見直し=リスト廃止に
 99年以後、研究調査データが集積される中、03年10月に、改訂ワーキンググループが設置され、SPEED98の見直し作業が始まりました。
 方針の見直しというのは、研究者からいえば、いままでに、科学的に何がわかり、何がはっきりしないかをきちんと整理し、今後の課題は何かを明確する作業です。
 国民とって必要なのは、研究調査結果をもとに、リストに掲載される化学物質の削除や追加がなされる作業です。内分泌系撹乱作用そのものが否定されたわけではなく、むしろ、生殖系以外に、脳・神経系、免疫系や骨形成等への環境ホルモンの関与の疑いが、新たに浮上しているにも拘らず、見直し途上の昨年半ばより、何故か、化学物質リストの廃止という言葉がマスコミで報道されだしました。もともと、産業界は物質名を挙げるのを止めろとの姿勢でしたが、その意向が強まり、環境省の方針に反映されたと思われます。

★登録農薬19種は評価結果がでていない
今回だされた見直し案本文には、「物質名リスト廃止」という言葉はでてきませんが、『今後は、一時点でのリストアップは行わず、試験対象として取り上げる物質を選定するための考え方、評価の流れを明確にしておくことが望ましい。』とあります。
 65物質のうち20数物質の試験結果しかでておらず、19の登録農薬に至っては、環境ホルモン作用についての評価結果が出されていないというのが現状です。そんな段階で、現リスト廃止などというのは、どうみても拙速すぎます。

 SPEED98を中途半端な形で終らさず、リストアップされた化学物質、特に以下の農薬については、きちんと研究調査すべしとの声をあげていきましょう。
 これら農薬の多くには、生殖毒性や発ガン性、催奇形性、神経毒性等があり、その毒性の発現に内分泌系撹乱作用が関係しているかどうかは、まだわかっていないのです。

   2,4-ジクロロフェノキシ酢酸/アトラジン/アラクロール/CAT/NAC/
   エンドスルファン#/マラチオン/メソミル/トリフルラリン/ベノミル/マンゼブ/ 
   マンネブ/メトリブジン#/シペルメトリン#/エスフェンバレレート#/
   フェンバレレート#/ペルメトリン/ジネブ/ジラム
 #印の農薬については、環境汚染調査で未検出/哺乳類又は魚類を用いた動物試験の用量(濃度)設定が 実質的に困難などの理由で、試験実施は見送られると思われます。
購読希望の方は、〒番号/住所/氏名/電話番号/○月発行○号からと購読希望とかいて、 注文メールをください。
年間購読会費3000円は、最初のてんとう虫情報に同封された振替用紙でお支払いください。

作成:2005-02-24