空中散布・松枯れにもどる
t17401#無人ヘリによる農薬散布に規制の声を!〜消費・安全局と林野庁が相次いで、パブコメ募集#06-02

 昨年、私たちは無人ヘリコプターによる農薬散布問題を取り上げ、9月に<脱農薬てんとう資料集>第4号「無人ヘリコプター農薬散布現状と問題点」を発行しました。11月には農水省に「無人ヘリコプターによる農薬散布のお尋ね」を出し、12月末に回答を得ました(記事t17301記事t17402参照)。
 その成果かどうか不明ですが、まず、農水省の空中散布の元締めの植物防疫課が、無人ヘリ農薬散布に関する安全対策を提案し、1月18日から2月17日までパブリックコメント(パブコメ)を募集しました(後述)。

★林野庁のパブコメは3月8日締切り
 一方、本誌で何度も報告したように、林野庁は「無人ヘリによる松くい虫防除に関する運用基準作成のための検討会」を開き、その結果をまとめた運用基準案が提案され、やはり、パブコメ募集をしています。このパブコメは3月8日が締切りです。
  パブコメ結果(08/05/12発表)

★健康調査票はパブコメの対象外とは
 第4回検討会で出された基準案には「松くい虫防除に伴う健康影響等に関する届出受理票」が示されていました。それには、住所氏名、症状はもちろん、症状を初めて認めた日時、症状の経過、過去の事例、医療機関名、気管支ぜんそく、化学物質過敏症、自律神経失調症と診断されたことがあるかなど、実に細かく個人情報の記入が求められています。ところが、今回の案では、健康調査票の別添がなく、パブコメ対象になっていません。林野庁に問い合わせたところ、@基準案は局長通知として出す、Aこの票はその後で室長通知みたいな形で出すので、パブコメには出さなかったということです。
 つまり、プライバシーに係わる健康調査票の中身については、国民の意見を聞かずに林野庁が勝手に出すということになります。別添の内容を見て、これについても意見をいってください。

  ★緩衝地帯の記載なし
 無人ヘリ散布による飛散量、飛散距離、気中濃度に関するデータが圧倒的に不足しています。そのため、健康被害を受けない距離はどのくらいか、という一番、関心の高いことについて、基準案では一切、触れていません。これがなければ、運用基準は意味をなしません。
 また、「被害発生時には直ちに当該地区無人ヘリ防除を中止し」とありますが、「被害」とは何か書かれていません。これでは、被害が出た、出ないで水掛け論になる可能性があります。あいまいな言い方ではなくきちんと、何が「被害」であるか書くべきです。
 その他、いろいろ問題点がありますのでそれぞれのご意見を林野庁に寄せてください。特に健康被害の実態を書いていただければと思います。

★農水省へ出したパブコメ
 すでに、パブコメ募集が終了した農水省の安全対策について、当グループは10項目の意見を提出しました。その概略を下記に示します。全文は、反農薬のホームページでみてください(農水省へのパブコメ)。
【参考資料】
 ・(社)農林水産航空協会
 ・「無人ヘリコプター利用技術指導指針」
 ・「農林水産航空事業実施ガイドライン」
 ・「農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令」
 ・通知「住宅地等における農薬散布について」(改訂版)
 ・事務連絡「農薬の現地混用について」
電子版「脱農薬てんとう資料集」No.4
<無人ヘリコプター農薬散布現状と問題点>

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作成:2006-02-26