街の農薬汚染にもどる
t17502#通知「住宅地等における農薬使用について」に関するアンケート調査結果(3)半数が通知を知らない、今後は罰則強化の声がおおい#06-03

   【関連記事】(1)通知があっても、健康被害が多数発生
         (2)散布者の半数は業者

  5 通知はどのように扱われていたか

 まず、「申し入れの相手は通知を知っていましたか」と質問し、農薬散布者や散布委託者に通知がどの程度周知されているか聞きました。
★相手は通知を知っていたか <113中回答なし 33件>

 やはり、「知らなかった」が圧倒的に多く、回答の50%を占めています。農水省、国土交通省、厚労省、環境省などに同じ通知を出してもらっていても、末端へ行けば半分が知らなかったというわけです。
「知っていた」という回答も21%ありますが、知っていて問題ある散布をしていたというのはどういうことかと思います。

   図 通知の周知度 −省略<br>
★通知への態度 <113中回答なし 39件>
「知らなかった」のが圧倒的であったとしても、健康被害者などが教えたわけですから、散布者や散布依頼者はようやく知ったわけです。では、「申し入れ等の相手は、通知に対してどのような態度でしたか」という質問に対する回答です。(複数回答あり)

 「今後遵守する」「通知を守るよう指導する」という回答は当然のことですが、40%と低いです。はっきり守る必要はないというのが14件、19%もあるのは問題です。法律ではないから、罰則がないから守る必要はないというわけです。法令遵守の精神はどこへいったのでしょう。その他の43件の中には、以下のように通知を守る明確な意志を示さないケースも多くあります。

   図 通知に対する態度 −省略<br>
  無視された/一部のみ散布を止めた/検討すると言われた/通知を守るよりは木を
  切る方が気分的に楽なのでできるならそうしたい、農薬を使う担当課なのに散布す
  るなとは言えないと言われた/市は「県が動かないことはできない」と言っていた
  /極力遵守したいが、捕殺対応の時間はなかなか取れないし、周辺住民からも毛虫
  発生の苦情があれば散布もやむを得ないかもしれないと言われた/自分の土地だか
  ら言われる筋合いはない。私たちより前からいたと言われた/通知するのが難しい
  と言うだけで、何も動かず/マンション住民の希望によって散布したとの返事/農
  薬散布の邪魔をしている人がいると、掲示板に張り出し、私に対し変人扱いをする
  ようになった/使用できる適用農薬を国や県に要望したいと話していた/知らない
  ふりをした/事前通知を徹底すればよい、「散布そのものは続ける」と態度は変え
  なかった/
6 どうすれば通知を守らせることができるか

★複数回答 <113中回答なし 20>
このような状態の中で、「今後通知を守らせるために必要なことは何だと思いますか。」とご意見を聞きました。こちらで設定した選択肢は以下の通りですが、その他、具体的にお書きくださいという項目にさまざまな方法が書かれていました。
通知が守られないのは、罰則がないのが一番問題だという認識が多いためか、法律を改正するよう求める声が圧倒的です。
 @行政指導の通知でなく農薬取締法を改定し、非食用作物にも罰則をつける。 82
 A生活環境での殺虫剤散布等を規制する新しい法律を作る          83
 B防除業者等散布者を規制する新しい法律を作る              74
 C苦情・解決の窓口を設けてほしい。                   61
 D農薬登録のない非農耕地用除草剤を農薬取締法の対象にする        66
 Eその他(具体的な提案をお書き下さい)                 38
★その他の意見
 全部は紹介しきれませんので、主な意見を掲載します。
 ・製造業者に対する責任、販売ルート、量、種類の明確な公開。
 ・通知は造園業者、管理会社など細かく必要。
 ・農薬など化学物質毒性情報センターを行政に作らせる。(各県に一カ所)
 ・薬剤の害と、化学物質過敏症患者を初めとする薬剤弱者の存在とその苦しみの認識と
  薬剤に変わる方法(捕殺など)の啓発。
 ・治療できる医療機関を紹介する(解毒等のやり方を指導するところ)。
 ・国、県、市町村などあらゆるところで宣伝活動に励む。テレビ、新聞、ポスター、
  回覧板など誰でもが眼にはいるようにする。
 ・ホームセンターなどで手軽に農薬を買えないようにしてほしい。
 ・市や県にも罰則をつけてほしい。管理者にも罰則をつけてほしい。
 ・メーカーにも責任。売るときに通知を渡してほしい。
 ・たとえば小学校の農薬散布は市の農林水産課、学校教育課、教育委員会と3カ所の
  管轄なので、そういう通知は多分農林水産課にしか行かないはずです。学校教育課
  の課長は、農薬に関しては素人であり、教育委員会もそうです。農林水産課も然り。
  市役所は移動がしょっちゅうあり、農林水産課も農薬に関してはメーカーのいうこ
  とをオウム返しに繰り返すだけです。一カ所が責任を持ってすべて管轄すべきでは
  ないか。
 ・被害実態を公表する。そのための検査機関の一元化を。被曝直後の尿検査等で行う。
  被害者を変人扱いする住宅管理組合と保健所や警察他役所の窓口に至るまで指導し
  てほしい。
 ・農薬使用者を資格制の様なもので規制する必要がある。あまりにも安易に使われて
  いる。"
★訴えたいことは山ほど
 アンケート最後の「その他、訴えたいことがございましたらご自由にお書き下さい」の欄にはそれだけで1冊の本ができるくらいのご意見が寄せられています。いずれ、何らかの方法でご紹介できたらと思います。

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作成:2006-08-26