農薬空中散布・松枯れにもどる
t17803#群馬県の有機リン剤の無人ヘリコプター空中散布自粛要請と農薬工業会の見解#06-06
   【参考資料】群馬県の自粛要請(6月6日)
         取組みの経緯にある研究概要
         有機リン系農薬等による化学物質過敏症の病態解明に関する研究
         6月13日 群馬県議会平成18年5月定例会 環境農林常任委員会委員長報告
         広報ぐんま」(No.206 2006年7月号)

 前号で、速報した通り、群馬県は、有機リン剤の無人ヘリコプターによる空中散布の自粛を要請しましたが、6月6日に、同県蚕糸園芸課から、県産業用無人ヘリコプター適正利用推進協議会会員宛てに「有機リン系農薬の空中散布の自粛要請について」という通知が出ました。以下が、その全文です。日本農業新聞の報道によれば群馬県ではほとんどの散布者がこの要請を受け入れ、中には無人ヘリ散布そのものを中止したところもあるということです。
       ************ 通知内容 ***********
  日頃、産業用無人ヘリコプターの適正な利用による防除の推進にご尽力いただき、
 感謝申し上げます。
  さて、有機リン系農薬は、残留性の少ない殺虫剤等として、無人ヘリコプターに
 よる空中散布においても利用されているところですが、近年では有機リン系化合物
 の慢性毒性の可能性について指摘する研究結果も出てきております。
  現在のところ、有機リン系農薬の空中散布による人体への危険性について、慢性
 毒性の可能性が完全に否定できないことから、有機リン系農薬に代わる薬剤の使用
 が可能なこともあり、群馬県として、有機リン系農薬の空中散布について自粛を要
 請することといたしました。
   貴職におかれましては、本要請の趣旨をご理解頂き、有機リン系農薬の空中散布
 について自粛してくださるようお願いいたします。
★農薬工業会の反応
 通知は、有機リン系農薬の人の健康への影響、特に、慢性毒性の可能性を理由にしての自粛要請ですが、これに対して、農薬工業会は、『今回の自粛要請は、安全性が確認されて登録が認められている有機リン系農薬に対して、科学的・毒性学的事実を考慮しない極めて遺憾な措置と言わざるを得ません。』として、見解を公表しました。
 業界は、毒性試験の詳細な結果を示さず、有機リン剤等の空中散布後に見られる、一過性の頭痛などの体調不良を訴えを『漠然とした不安』として切り捨てています。また、無人ヘリコプター散布のように、上空から、地上散布の約100倍近い濃度で散布することの危険性については、触れていません。『適正に使用をすれば』という言葉が、空しくひびきます。

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作成:2006-09-26